誰が? 直接的には、マッカーサーを最高司令官とするGHQ(連合軍総司令部)が、日本政府に対して、新しい憲法を作るよう迫りました。GHQはいわゆる「密室の9日間」で作り上げたGHQ案を提示し、これを元に日本国憲法の原案が作られました。 このGHQ案においては、日本の知識人7名からなる「憲法研究会」が作成した草案が大きな影響を与えていました。(次頁参照) GHQは主に米国人で構成されていましたが、米国政府の利害だけを代表していたわけではありません。GHQの上部組織として、極東委員会があります。太平洋戦争に敗北した日本を連合国が占領するに当たり、日本を管理する為の政策機関として設置されました。そこには、アメリカ合衆国・イギリス、ソ連に加え、中国、オーストラリアなど日本の侵略で被害を受けた国々が参加していました。日本軍国主義の復活を阻止しようという被害国の声をGHQは無視できませんでした。つまり日本国憲法は日本が侵略を行った被害国が加害国日本に押しつけたものでもあります。 誰に? マッカーサーに新憲法を作るよう要請された幣原(しではら)内閣は、国務大臣の松本烝治(じようじ)を中心とした「憲法問題調査委員会」に憲法問題を一任しました。しかし、この委員会では大日本帝国憲法の原則を根本的に変更しようとは考えていませんでした。そこで出した案も天皇主権を変更するものではありませんでした。GHQが厳しく迫ったのは、天皇を元首とする国のあり方に固執する人々でした。 どんなことを? 押しつけられたのは「国民主権」、「戦争放棄」、「基本的人権の尊重」という憲法3原則であり、根本にある「個人の尊重」でした。日本国憲法は、最終的に日本の議会での議論を通じて成立しました。
はじめに Q1 憲法と法律とはどう違うか? Q2 日本国憲法の根本にあるものは? Q3 「公共の福祉に反しない」とは何に反しないこと? Q4 権利と義務とはワンセット? Q5 人権が認められるのは「国民」だけ? Q6 国民主権と象徴天皇制は矛盾では? Q7 憲法第9条が放棄したのは? Q8 日本国憲法は押しつけ? 日本の自由民権運動と世界的な人権思想の流れの中で生み出された日本国憲法 日本国憲法と自民党改憲草案の比較 [参考] ※自民党日本国憲法改正草案 Q&A(pdf) ※大日本国憲法・日本国憲法・自民党憲法改正草案比較表(pdf) ※自民党憲法草案の批判のために(リブ・イン・ピース☆9+25) |
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