リーフレット [憲法座談会]みんなで考える自民党改憲草案の危険
17.沖縄米軍基地は日本を守るためにあるのか

司会:日米安保や米軍基地がなければ日本をどうして守るのかという論もあります。

二児の母:沖縄で5月に元米兵が逮捕された沖縄女性暴行殺害事件は息が止まるほどショックを受けました。私の娘は高校2年生です。被害者は私の娘だったかもしれない。沖縄では事件・事故と日常的に隣り合わせです。本土復帰後だけでも600件近くの米軍関係者による凶悪犯罪が起こっていると新聞に出ていました。米軍基地がなければ犠牲にならなかった人たちです。私たちも無関心ではいられません。米軍が抑止力なんて、日本政府や「本土」が沖縄に基地を置くための口実だと思います。

社会科教員:米の戦争に加担するために海外派兵し戦争をする、中国と対決するために米と一緒に戦争挑発する、これが今起こっていることです。米の戦争とは、イラクとアフガニスタンを見てみればわかります。国をメチャメチャにし、一般市民を大量に殺してしまいました。それが「テロ」となって本国へ跳ね返っているのです。イラク・アフガン戦争を支援した日本も無縁ではありません。
 米軍は日本を守るためではなく、沖縄を出撃基地として世界へ飛び立つために日本に駐留しています。そして快適な演習場なんです。そもそも海兵隊は戦争の切り込み隊ですから防衛には向いていません。

二児の母:米軍基地の建設のために、「本土」から機動隊が500人、800人と動員し、わずか150人の住民の村を襲撃する──こっちの方がよりリアルな戦争ではないでしょうか。

  手引き17

2016年9月1日
リブ・イン・ピース☆9+25


発行に当たって
1. 「自民党憲法改正草案」は憲法ではない
2. 憲法は古いから変えなければならないか
3. 「押しつけ憲法」でなぜ悪い?
4. 押しつけだから無効だとすればどうなる?
5. 憲法は私たちの生活とどうかかわっているの?
6. 憲法があれば足りるか
7. 自民党改憲草案の4つのポイント
8. 人権の根幹──天賦人権説を覆すことはできない
9. 「公共の福祉」から「公益と公の秩序」へ
10. 国民は国のやることに反対してはいけないのか
11.「憲法は国家権力を縛る規範」とは
12.「新しい人権」条文化の危険
13. 家族は助け合わなければならないか
14.「天皇の元首化」はどう問題か?
15. 攻められたら防衛しなければならないので国防軍は必要?
16. 憲法9条を変え「自衛隊」を規定すべきか
17. 沖縄米軍基地は日本を守るためにあるのか
18.「緊急事態条項」は必要か
19. 戒厳令になるとどんなことが起こるか
20.「護憲」運動は保守か、改憲は「改革」か
(補)改憲を目指す人たち