シリーズ:マンガでみる“教育基本条例はこんなに危険”(その6)
「日の丸」「君が代」不起立3回で免職
  
 卒業式で「君が代」を、起立して斉唱できないと聞いて「なんでやねん」思う人も多いでしょう。しかし保護者や子ども、教職員の中には侵略戦争のシンボルだった「日の丸」、天皇を賛美する「君が代」に強い疑義を感じたり、憲法の国民主権に反すると考える人もいます。特に大阪には在日コリアンなど外国にルーツを持つ人たちが多く、学校現場の「日の丸」「君が代」に違和感をもつ人がまだまだいます。
 このように多様な考えのある中で、全ての子どもたちに「日の丸」の前で起立しなければならず「君が代は千代に八千代に(天皇の時代は永遠に)」と歌わなければならないと教えることは、教員にとっては目の前の子どもに誠実であればあるほど苦痛なものです。
 「日の丸」「君が代」の強制は、教員だけの問題ではありません。子どもたちが自分たちの卒業式や入学式をどうつくろうかと意見を出すことは、今では不可能です。「日の丸」「君が代」強制のために式次第や会場設営まで職務命令で決められており、教員も子どももそれに従わなければならないからです。
 「日の丸」「君が代」の強制とは、橋下が教員を支配するだけでなく、子どもたちの自分で物事を考えたり判断する力を喪わせます。偉い人が「戦争に行け」と命令すれば人殺しをし、グローバル企業のために身を粉に働けと命令されれば過労死するまで働く、そういう従順な「人材」をつくるための効力が、「日の丸」「君が代」強制にはあるのです。
 東京では石原都政の下で卒業式・入学式で国歌斉唱の時に不起立だった教職員が大勢処分され、裁判を闘っています。条例では、東京での処分を踏みこえて職務命令違反三回でクビにすることが定められています。知事・教育員会の教育目標に疑問を持ち、一人ひとり子どもたちの「良心の自由」を大切にしようとする教職員を短期間に排除しようとしているのです。

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2012年1月30日
リブ・イン・ピース☆9+25

シリーズ:マンガでみる“教育基本条例はこんなに危険”
(その1)教育の目的はグローバル社会・企業の人材育成
(その2)「教育は2万パーセント強制」?!
(その3)2年連続のD評価をつけられると免職処分の対象に
(その4)校長は「マネジメント能力」を評価して民間から登用
(その5)学区廃止と学校選択制導入・定員割れで統廃合
(その6)「日の丸」「君が代」不起立3回で免職