これまでも自衛隊はイラク、インド洋、カンボジアなどに海外派兵されてきました。こうしたことも憲法9条違反であり、私たちは反対してきました。それでも、その内容は、「人道復興支援」「給水」「災害救助」、あるいは戦場から離れたところでの「給油」、「輸送」など、いずれも直接武力行使を目的としない活動に限定されていました。武器の使用についても、万一の場合の護身用に認められていただけです。 ところが今回の法改定は、裏面の表にあるような多くの法律を使い分けることで、日本が攻撃されていなくても、様々なことをきっかけに自衛隊が武力行使できるようにするものです。 まず、「密接な関係にある国」が攻撃されたとする「存立危機事態」を認定することで、集団的自衛権行使に踏み切り、米軍と一緒に戦争をしかけることが、できるようになります。 また、戦場で米軍などの指揮の下、「後方支援」として、戦闘部隊に武器・弾薬。燃料などを供給する「兵站(へいたん)」を担う軍隊、「治安維持」のための部隊としての派遣が可能となります。「後方支援」や「治安維持」というとそれほど危険な行為ではないと思われるかもしれません。でも現実には、これらこそ戦争そのものと言える行為であり、イラクやアフガニスタンで多くの人を殺害する一方、死傷者も続出している任務なのです(→Q3・Q4)。 目次 Q1:なぜ「戦争法」と呼ぶの? Q2:これまでと何が変わる? Q3:「後方支援」くらいならいいのでは? Q4:紛争地の治安を維持する活動は必要なのでは? Q5:ペルシャ湾のホルムズ海峡が封鎖されたら、日本に石油が入ってこなくなるので、自衛隊が機雷を除去(掃海)すべきでは? Q6:国連決議や国会承認などが、歯止めになるでは? Q7:「テロ」や紛争をなくすために必要な法律では? Q8:すぐに戦争になるというのは大げさでは? |
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