つまり校長に求められる仕事は、教職者としてのそれではないのです。企業の論理を教育現場に持ち込み、子どもを個性ではなく商品として扱い、学校単位で競争に勝ち抜くことが求められているのです。 逆に、子どもたち一人ひとりに寄り添ってそれぞれの個性を生かした教育に、教員とともに取り組むような校長は、任期の終わりに低い評価をつけられて、やめざるを得なくなるでしょう。そのような校長は、「世界標準で競争力の高い人材を育てる」ため、子どもたちを競争漬けにする条例の目的には沿いません。 それに校長の兼職を認めることは、アルバイト感覚のいい加減な校長を生む恐れもあります。副業で塾経営をして、自分の学校の生徒を相手に商売をするとか、そういうのもアリなのでしょうか? おそらくは優秀な「経営者」「人事能力者」を採用したいあまりの条文なのでしょうが、校長・副校長の副業を容認するというのは、教育を真面目に考えていたら出てこない発想です。 [関連記事] ※シリーズ:「教育基本条例」の危険(その三)府立学校長からも批判噴出 ※シリーズ:「教育基本条例」の危険(その四)教育をすべて競争にしてしまう 2012年1月24日 (その1)教育の目的はグローバル社会・企業の人材育成 (その2)「教育は2万パーセント強制」?! (その3)2年連続のD評価をつけられると免職処分の対象に (その4)校長は「マネジメント能力」を評価して民間から登用 (その5)学区廃止と学校選択制導入・定員割れで統廃合 (その6)「日の丸」「君が代」不起立3回で免職 |
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