[報告]
政府は「すべての子どもの高校無償化」方針をまげないで!
大阪府は「補助金」の無条件即時「支給」を!12・14緊急集会

500人が参加し、菅首相と橋下知事に要請



 「すべての子どもたちが国籍にかかわらず安心して、自由に学び、活躍できるように!」と、菅政権の高校授業料無償化の朝鮮学校への即時適用と、橋下知事の補助金無条件支給を求める緊急集会が大阪市内の東成区民センターで午後6時半から行われました。主催は実行委員会で、大阪各地の「ウリハッキョを支える会」などが呼びかけました。開始頃には会場はいっぱいとなり、主催者発表で500人が参加しました。
 最初に、大阪大会で優勝し全国大会出場を果たした朝鮮高校ラグビー部の決勝戦のビデオ上映。ラグビー部の主将もあいさつにかけつけ(写真)、各地の支える会の代表らから次ぎ次ぎとアピールがありました。発言では、いまだにこのような集会を開かなければならないことに対する怒りや、国として大阪府として朝鮮人差別・民族差別を行う日本社会に対する情けなさなどがあふれていました。
政府は、朝鮮学校無償化について、教育内容などは問わず、外形的な基準のみで判断し、朝鮮学校は日本の高等学校に値すると判断しているにもかかわらず、全く関係のない朝鮮半島での軍事衝突を理由に無償化を先送りするなど絶対に許せるものではありません。橋下知事はさらに悪質であり、学校での肖像画や朝鮮民主主義人民共和国との関係などをもって、従来何の問題もなく支給されてきた補助金さえカットしているのです。
 保護者らからは、朝鮮学校で学ぶことで子どもたちが朝鮮人として誇りを持って生きていけるようになっていること、それがこの無償化からの除外で子どもたちを傷つけ、ただでさえ苦しい朝鮮学校や家庭をさらに苦しめることなどが報告されました。
 集会では何度も日本人こそがもっと声を上げ朝鮮学校を守ることが強調されました。
 最後に、菅首相に対する「朝鮮学校への「高校授業料無償化」即時適用を求める要請」と橋下知事への「大阪府による「補助金」の無条件、即時「支給」を求める要請」が採択されました。
 12月22日の午後5時から6時の一時間、鶴橋駅や京橋駅、堺東駅、天王寺駅など大阪府下の主要駅で街頭宣伝活動が行われます。

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要請先:

首相
TEL:03-3581-0101  FAX:03-3581-3883(目安箱)
web投稿ページ

文部科学省
TEL:03-5253-4111  FAX:03-3593-7163(官房総務課広報室)
ご意見・お問い合わせ 高等学校の実質無償化及び高校奨学金に関すること

民主党
TEL:03-3595-9988(代表) FAX:03-3595-9961(民主党本部「国民の声」係)
ご意見・ご感想フォーム

大阪府
TEL:06-6910-8001 FAX:06-6910-8005
「府政への意見」

2010年12月15日
リブ・イン・ピース☆9+25


大阪府による「補助金」の無条件、即時「支給」を求める要請

大阪府知事 橋下 徹様
政府は「すべての子どもの高校無償化」方針をまげないで!大阪府は「補助金」の無条件、即時「支給」を!12.14緊急集会 参加者一同(約500名・東成区民センター)

 大阪府政の発展のために日々ご尽力されていらっしゃる橋下徹知事に敬意を表します。

 本年3月に知事は大阪朝鮮高級学校と生野朝鮮初級学校を視察され、笑顔で子どもたちと親しく触れ合い、子どもたちの学習ぶりやクラブ活動等を高く評価されました。ラグビー部は大阪府の大会で優勝し、昨年に引き続き大阪代表として全国大会に出場します。

 ところが、同時に橋下知事は大阪朝鮮学園に対して、金日成・正日父子の肖像写真を降ろすことなどの条件をクリアしなければ、20年近くにわたって府が支給してきた「授業料支援補助金(旧軽減補助)」と「外国人学校振興補助金」の執行を留保すると言明されました。そして、本年度の支給が留保されたままになっています。

 子どもを朝鮮学校に通わせている保護者は住民としての納税の義務を果たしていますが、政府からの助成金は皆無です。また欧米系のインターナショナルスクールなどには寄付金に関して「指定寄付金」、「特定公益増進法人」が認められていますが朝鮮学校は対象外とされています。したがって、自治体からの助成金である「補助金」は学校運営上の重要な一部として組み込まれてきましたが、その補助金が留保されているために学校運営が非常に困難な状況になっていることがうかがわれます。

 授業料をこれ以上あげることは保護者にあまりにも大きな負担となり、このままでは子どもたちの就学が困難になります。在日の子どもたちが民族教育を受けられなくなります。私たちはそうなってはならないと思い、補助金の支給を執行して頂きたいと切にお願いするものであります。

 朝鮮と日本の関係史、在日朝鮮人の歴史をふまえれば、日本における朝鮮学校は朝鮮人としてのアイデンティティーを育む非常に大切な教育の場です。
 また学校には韓国籍の子どもも多く在籍しています。そして現在、どの朝鮮学校も開かれた学校として地域との交流を盛んに行っており、日本社会における身近な多民族多文化共生の場ともなっています。

 民族教育を受ける権利、行う権利は「国際人権規約」に保障されています。加えて、「子どもの権利条約」「人種差別撤廃条約」「日本国憲法」に基いて「すべての子どもたちが国籍にかかわらず安心して、自由に学び、活躍できるように」、「すべての子どもが笑顔で学校に通えるように」今一度、補助金の無条件、即時「支給」をお願いいたします。

以上

朝鮮学校への「高校授業料無償化」即時適用を求める要請

内閣総理大臣 菅直人様
政府は「すべての子どもの高校無償化」方針をまげないで!大阪府は「補助金」の無条件、即時「支給」を!12.14緊急集会 参加者一同(約500名・東成区民センター)

 政権交代後の困難な国政を担い日夜ご尽力されている菅直人首相に敬意を表します。

 すべての子どもに教育の機会均等を保障する目的で、本年4月から実施された「高校授業料無償化」は国民から高い評価を得ていると思われます。
 ただこの「高校無償化」の対象から唯一、朝鮮学校だけが除外されてきました。朝鮮学校に子どもを通わせている保護者は納税の義務を果たしていますが「高校無償化」に伴って特定扶養控除が引き下げられるため、無償化適用から除外されるとその保護者には「給付なし、控除なし」の二重の経済負担がのしかかります。

 この不合理について、国内各界各層から「朝鮮学校へも適用を」との要請があり、国連の人権委員会からの勧告もありました。そして政府のご努力があってやっと、『「高校無償化」適用の基準については授業日数等の外形的項目を基準とし、個々の教育内容や外交上の配慮などで判断をしない』と発表されました。
 私たちは、心を痛めていた朝鮮学校の子どもたちや保護者、学校関係者が安心できると思いほっとしたところでした。

 ところが、朝鮮半島の西岸で軍事衝突が起こると、11月末に政府から「朝鮮学校への「高校無償化」適用の審査プロセスを停止する」との発表がありました。
 朝鮮学校を制裁するかのような発表は生徒を大変苦しめ傷つけます。子どもたちや学校とは関係がないことなのにこの措置はどうしても納得できるものではありません。「教育と政治を混同しない」という方針を守り、速やかに「審査のプロセス」を再開して下さい。

 朝鮮と日本の関係史、在日朝鮮人の歴史をふまえれば、日本における朝鮮学校は朝鮮人としてのアイデンティティーを育む非常に大切な教育の場です。
 また学校には韓国籍の子どもも多く在籍し、日本人とのダブルの子もいます。そして現在、どの朝鮮学校も開かれた学校として地域との交流を盛んに行っており、日本社会における身近な多民族・多文化共生の場ともなっています。

 民族教育を受ける権利、民族教育を行う権利は国際人権規約に保障されています。加えて子どもの権利条約、人種差別撤廃条約、日本国憲法に基いて「すべての子どもたちが国籍にかかわらず安心して、自由に学び、活躍できるように」無償化適用の審査を速やかに再開し「すべての子どもに高校無償化」が適用されますように切にお願い申し上げます。

以上