朝鮮学校への攻撃をゆるさない3・28集会(京都)に参加して


 昨年12月4日に起こった京都の朝鮮学校襲撃事件は、在特会という集団が小さい子も学ぶ学校を襲ったという衝撃的な事件だった。しかし、事はもっと深刻だ。チマチョゴリ事件のようないやがらせを超え、自らの行為を正当化する集団によって、「襲撃」や民族差別の言動が繰り返されていることだ。それが許される土壌があることだ。
 ともあれ、京都の人達はどうなっているんだろうということが気になって円山公園の集会に行った。円山公園の野外音楽堂には3〜400人位(?)の人が集まっていた。集会名は「民族差別・外国人排斥に反対し、多民族共生社会をつくりだそう!朝鮮学校への攻撃をゆるさない!3・28集会」という長いものだった。これは、12・4事件のあと、京都の弁護士、知識人、宗教者などの呼びかけで創られた共同アピールの題名でもある。この共同アピールを関西→全国へ拡げたい、この3・28集会は運動の第一次の集約点にしたいと。
 在日朝鮮人からの訴えということで立った女性は、12・4事件後の子供達のおびえや、父母の苦悩などを話した。それから、それだけではない、朝鮮学校が無償化から除外されようとしている、“国家ぐるみの排外主義”というのは言いすぎでしょうか?と怒りをあらわにした。そして、一世が命がけで守った民族教育を、2世、3世も命をかけて守ります、あたたかく見守ってくださいと結んだ。
 北九州から駆けつけた人は、九州で唯一朝鮮高級学校がある北九州市の市長に、無償化から除外しないよう要望書をだしたと報告した。
 講演者の前田朗氏は国連人種差別撤廃委員会への参加報告を行った。日本から12人が訴えに行き、2分間の「京都の襲撃事件」のビデオ上映をしたと。委員18人中12人が参加、在特会は非合法団体かとたずねられたと。この会議の中に、突然、中井発言=高校無償化から朝鮮学校を除外すべき、が飛び込んできたそうである。急遽、この課題が中心になり、日本政府に質問を行い、2月24〜25日に審査、3月16日に朝鮮学校に対する差別問題など36項目の改善勧告を出したということである。前田氏は日本政府は無視する可能性が大なので、国内の闘いが大事と訴えた。
 それから各団体・個人からの発言6人が続いた。
 弁護士さんからは、超党派の95人の弁護士が訴え、裁判所に在特会が学校から200メートル内に立ち入ることを禁じるといわせたことの報告。
 水曜デモや日本軍「慰安婦」証言集会に取り組む人達から、在特会の嫌がらせや妨害の報告と“負けないでやりぬく”決意と行動への呼びかけがおこなわれた。
 集会宣言を採択し、会場から京都市役所までのデモ行進に移っていった。出発前に在特会の動きが報告され、“整然と歩こう、手は出さないで”などの注意事項が話された。出口でデモの指揮をとっている人が朝鮮語なのでウん?と思ったけど、あちこちで一世の方達らしき年配の人達の会話が聞こえていたので声かけなんだと分かった。デモはかなり長い行列で、みな小さなプラカードや、手持ちのカードを掲げている。高校無償化から除外しないでというのが多い。子供連れの母親や高校生位の女性達の姿も印象に残った。円山公園の中から八坂神社の前をぬけ、四条河原町へ向かう。
 日曜日で観光客が多かったが、デモ隊にカメラを向けている人が多くいたのがちょっとおかしかった。公園の出口から大通りに出る時、在特会がデモに押し入り妨害しかかったが、機動隊が排除するという事態が起こったようだ。隊列の中間あたりにいた私は目にすることはなかったが、緊張が伝わってきた。その後もデモ隊は整然と“高校無償化から朝鮮学校を除外するな”などの要求をシュプレヒコールしながら行進を続けた。
 私は河原町で電車に乗り帰路についた。気になって行ったのに、月並みなことばだけど、何か元気をもらった気がする。社会のあり方や生き方というか、人間性というかそういうこともも改めて感じさせられた。

2010年3月28日
リブ・イン・ピース☆9+25 A
リブインピースブログより転載)