全世界で数百万規模のパレスチナ連帯行動、抗議集会やデモが拡大しています。これと並んで、この運動の中から、次の段階へレベルアップする試みが始まりました。矛先は、米国とイスラエルに向けられています。米・イスラエルに直接打撃を与え、大量虐殺戦争をやめさせる目的があります。 一つは、従来から進められているBDS運動です。 BDS運動とは、ボイコット(Boycott)、投資引揚げ(Divestment)、制裁(Sanctions)を求める運動のことです。もう一つは、米国とイスラエルの企業、特に軍需産業に対する実力行使「シャットダウン」です。 米国ではグローバル・シャットダウンを呼びかけ
※ブラックロックは、パレスチナ人に対するジェノサイドに資金を提供している
※活動家らがイスラエルに爆弾を供給するボーイング社の施設を阻止 米オークランド港、タコマ港でイスラエルへの武器輸送を阻止 11月3日には、米カリフォルニア州オークランド港で、イスラエルに向かう船の出港を9時間にわたって阻止しました。何百人ものデモ隊が船の前に集結して「フリー・フリー・パレスチナ!」と唱和し、数本の横断幕で船に通じるゲートを封鎖しました。何人もの人が実際に船に乗り込み、座り込みをしました。船はワシントン州タコマに行き、そこで武器が積み込まれてイスラエルに行く予定だが、タコマでも阻止行動が行われました。
※ベイエリアの活動家がオークランド港で軍艦を9時間封鎖 作家・ジャーナリストが「ニューヨーク・タイムズ」のビルを占拠 作家やジャーナリストのグループは、「ニューヨーク・タイムズ」のビルを占拠し、イスラエルに殺害された11,000人のガザの人々のリストを読み上げ、イスラエル側に立った報道に抗議しました。また、数千人の抗議者たちがニューヨーク公共図書館前に集結し、ニューヨーク・タイムズ社屋まで行進し、社屋内に集まったメディア関係者たちと合流しました。 抗議者たちはパレスチナ支援のスローガンを唱え、ガザでの停戦を求め、ニューヨーク・タイムズ紙を「血で手を染めた」「ジェノサイドを扇動している」と非難しました。ニューヨーク・タイムズ紙の社員の辞職を求め、またニューヨーク・タイムズ紙を買わないこと、「イスラエルの犯罪に金を払わないこと」を市民に呼びかけました。 ギリシャ、イタリア、トルコでは、輸送労働組合が輸送を停止させる ギリシャ、イタリア、トルコでは、輸送労働組合のグループが、武器、戦争物資、パレスチナ人民の虐殺に拍車をかけるあらゆる物資の積み下ろしを停止し、阻止するとの共同呼びかけを発表しました。共同声明で「ガザでの虐殺を止めろ」「死の輸送を止めろ」と呼びかけ、各国政府に対し、港湾からの武器輸送を停止し、パレスチナの人々を殺害しているイスラエルへの支援を停止するよう要求しました。 また、全ヨーロッパの輸送労働者の労働組合に、武器や戦争物資の積み下ろしの停止を呼びかけました。「私たちは、港湾労働者、船舶労働者、空港労働者、鉄道労働者、そしてヨーロッパのすべての輸送労働者の労働組合に対し、私たちのイニシアティブを支持し、ヨーロッパ全土の各部門の労働者による共同行動を呼びかけるよう要請する」と。
※欧州の労働組合、パレスチナとの連帯を強化 イタリアでは議会議事堂の占拠、ジェノバ港の閉鎖 イタリアでは、ローマにあるEU議会議事堂を占拠し、すべてのEU加盟国がガザでの民族浄化を終わらせることを約束するよう要求しました。要求には、即時停戦と、EUが毎年イスラエルに割り当てている資金提供の中止が含まれています。
翌11月10日、港湾労働者、学生、活動家たちは、イスラエルの主要物流会社である海運会社「ZIM」を通じた武器輸送を阻止するため、ジェノバ港を閉鎖しました。 ※イタリアでパレスチナ連帯活動家が戦略的閉鎖を実施 スペインでもバルセロナ港での労働者が船舶輸送を阻止 スペインでは、バルセロナ港で働く労働者たちが、イスラエルの占領地での暴力を拒否し、国連がその役割を果たさないことを非難し、武器を積んだ船舶の港内航行を許可しないと発表しました。声明は、民間人を犠牲にすることは正当化されない、戦争物資を積んだ船舶の港湾での操業を許さない、と述べています。 ※バルセロナの港湾労働者、イスラエルに向かう兵器船の処理を拒否 イギリスでは、イスラエルの兵器メーカーの入り口を閉鎖 10月26日、英国で、様々な労働組合の医療従事者、教師、学者を含む約150人の抗議者が、南東部ケント州の町サンドウィッチにあるイスラエル最大の兵器メーカー「エルビット・システムズ」の子会社、インストロ社の工場の入り口を封鎖しました。このインストロ社は、標的の位置確認、監視、偵察に使用される軍用電気光学機器を専門としています。工場の製品はすべて輸出され、イスラエル軍によってガザ地区の抑圧された人々に対して使用されています。 英国はイスラエルへの主要な武器供給国であり、現在イスラエルの空爆に使用されているF35戦闘機の15%を構成する部品を提供しています。憤慨した英国の抗議者たちは、イスラエルの犯罪へのあらゆる形での加担をやめるよう訴えました。また、イスラエルの戦争犯罪を阻止し、イスラエルとの武器取引を停止するよう国際的な労働組合に要請しました。 デンマークでも、イスラエル軍への武器・装備の販売に抗議 10月30日、デンマークの「共産主義青年(DKU)」の活動家たちが、デンマークの武器会社テルマの工場の入り口を封鎖し、イスラエル軍への武器・装備の販売に抗議しました。ベルギーの運輸労組(BTB)、BBTK、ACV-Transcom、ACV Pulsも共同声明を発表し、パレスチナ人に対するジェノサイド戦争のためにイスラエルに輸送される武器の積み下ろしを拒否する決意を表明しました。 ベルギーでは、輸送労働者がイスラエルへの武器の積み降ろしを拒否 10月31日から、ベルギーの輸送労働者が、イスラエルに向かう武器の積み降ろしを拒否しています。このボイコットは、停戦を求める国際的な運動の高まりの中で開始されました。ベルギーの5つの輸送組合(ACVパルス、BTB、BGTK、ACVトランスコム)は、共同声明で、パレスチナで進行中の「ジェノサイド」に終止符を打つため、ガザでの即時停戦を要求しています。 ※ベルギーの港湾労働者、イスラエル向け武器の積み込みを拒否 ギリシャで、イスラエルの航空会社へ抗議行動
※ヨーロッパ中の労働者運動がイスラエルへの武器供給に抗議 中東全域で米国ブランドの不買運動が拡大 中東では、西側の有名ブランド、特に米国関連のブランドを避ける不買運動が広がっています。マクドナルド・イスラエルは、先月、イスラエル軍に数万食を無償で提供したと発表し、中東諸国で大騒動となりました。不買運動と並行し、アラブ諸国ではイスラエルとの断交を求める声があがっており、各国の首都では毎週のように親パレスチナ・デモが行われています。ソーシャルメディアに親イスラエル的な内容を投稿した欧米系企業が事業停止に追い込まれる事例が相次いだり、これまで見向きもされなかった国産の炭酸飲料ブランドの人気が不買運動の影響で急上昇したり、「弾丸を買うための金」を支払うなと消費者に呼び掛ける投稿がソーシャルメディアで拡散されたりしています。 その他、インド、バングラデシュ、インドネシアなどを含むグローバルサウスで、またカナダやオーストラリアでも、反イスラエル・親パレスチナのさまざまな運動が展開されていまる。 ※中東で欧米ブランド不買運動拡大 パレスチナ人に連帯 11月9日のような世界的な取り組みは、「ガザの人々が尊厳をもって生きられるようになり、パレスチナが自由になるまで」続くと、「グローバル・シャットダウン」の主催者たちは述べています。11月9日はその最初の日であると。BDS運動は、その後も全世界でいっそう拡大しています。 2023年11月15日 |
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