【声明】
イスラエルのイラン攻撃糾弾! イスラエルは直ちに攻撃をやめろ!
米・西側政府の侵略加担を許すな! 日本政府はイスラエルを制裁せよ!



(1)米=イスラエルの一方的な侵略行為
 6月13日未明、イスラエル軍はイランに対して200機の攻撃機、300発のミサイルを使って大規模な攻撃を行った。首都テヘランをはじめ各地の核施設、軍関連施設、中央政府施設を攻撃し、多数の軍や科学者のトップを暗殺し、一般住民の住宅も空爆と巡航ミサイルで攻撃した。最初の攻撃で400人近い死傷者が出て、昨日までに死者は200人を超えた。イスラエルは最初の攻撃の後も今日まで持続的に攻撃を続けている。攻撃対象も世界最大のウスパース・ガス田や貯油タンクなどエネルギー関連施設や空港、各官庁等に広げている。これに対してイランは自衛権を行使し、ミサイルやドローンで反撃している。
 他国の指導者を暗殺し、危険極まりない核施設攻撃やエネルギー施設攻撃をするなど許されない暴挙だ。私たちはイスラエルの国際法違反で戦争犯罪のイラン攻撃、あからさまで常軌を逸した侵略を強く非難する。直ちにイスラエルがイラン攻撃をやめ、戦争を終わらせることを要求する。
 
(2)完全に国際法違反、国連憲章に反する戦争犯罪行為だ
 イランはイスラエルを攻撃していない。イスラエルによる如何なる正当性もない一方的な侵略だ。ネタニヤフは自ら「予防攻撃」「先制攻撃」と主張し、それを西側メディアは垂れ流すが、それは全くの言いがかりだ。「予防」「先制」とは相手が攻撃の構え、準備をすることが前提だ。「予防」と称して、攻撃されてもいないのに攻撃したことを認めている。
 国連憲章第2条は以下のように定めている。
「3.すべての加盟国は、その国際紛争を平和的手段によって国際の平和及び安全並びに正義を危くしないように解決しなければならない。
 4.すべての加盟国は、その国際関係において、武力による威嚇又は武力の行使を、いかなる国の領土保全又は政治的独立に対するものも、また、国際連合の目的と両立しない他のいかなる方法によるものも慎まなければならない。」
 誰が見ても、イスラエルのイラン攻撃がこれに真っ向から反することは明らかだ。この国際法違反、国連憲章違反の戦争犯罪を、世界中の人々や国が非難して糾弾している。

(3)イランの「核爆弾開発」問題はでっち上げだ
 ネタニヤフは「イランの核爆弾開発まであと数か月に迫っていた。黙っていられなくなった。最後の機会だった」と攻撃を正当化し、開き直った。メディアも、これを鵜呑みにし、まるで今回のイラン攻撃がイランの「核開発」にあるかのようにねじ曲げている。「イラン核脅威、力で排除」(日経6/14)、「ウラン濃縮、溝深く決断」(毎日6/14)など。
 しかし、それは全くのデタラメだ。@イランは、最高指導者ハメネイ師が2003年にファトワ(布告)で「核兵器開発をしない」と宣言している。イスラム国家イランでは、これは絶対的な指示である。A核兵器に必要な高濃度(90%以上)のウランは保有していない。60%程度のウランしか持っていない。基本的に民生用の核濃縮を行っているだけで、しかも全部の過程で国際原子力機関IAEAの査察と監視を受けている。秘密になどしていない。
 最近のIAEAの報告でも60%濃度のウラン量が増えたと言っているに過ぎず、核爆弾を開発しているいかなる指摘もしていない。イランの核武装阻止の緊急の必要があったというのは真っ赤な嘘だ。
 逆に核爆弾問題ではイスラエルが真っ黒だ。日本を含む西側政府も、多くのメディアも知りながらあえてそのことを隠している。@イランが脅威だと言うが。既にイスラエルは80から200発の核爆弾を持っている。イスラエルこそ周辺の中東諸国に脅威を与えている。今回も最後には核を使うぞという脅しが前提になっている。A数日前からイランはイスラエルの核開発に関して重大な秘密文書を入手したと公表し、公表する直前だった。今回の攻撃はそれをごまかすためだ。イスラエルこそ核拡散防止条約NPTにも入らず、IAEAの査察も受けていない無法国家だ。核爆弾保有の秘密文書が公然と暴露され、国際的な非難がイスラエルに向く前にイランに責任をなすりつけようとしている。

(4)「イラン核合意」を破棄したトランプの責任は重い
 イランが60%の濃縮度のウランを持つのは米国とトランプの責任だ。イランは、米英独仏中ロの6カ国との間で2015年に「イラン核合意」を締結し、その合意を遵守してきた。その核協定で、イランはウラン濃縮を民生用レベルに限ることを公約した。これを2018年に一方的に破棄したのは第1次トランプ政権だ。米国は、自分が結んだ協定を一方的に破棄し、イランに対して一切の濃縮を認めない、従わなければ攻撃すると脅して押し付けようとした。無法者は米国だ。今回、ネタニヤフは、米国と示し合わせた上で、トランプが第1次政権の時にやろうとしたことを自分が実行しようとしている。
 トランプは「攻撃に直接関わっていない」と言う。しかし、トランプは事前にネタニヤフから相談を受け、知っていた。6月16日にはアメリカ、イランの核協議が行われる予定で、その直前に合意そのものを潰すためにイスラエルが攻撃を仕掛けるのを認めたのだ。トランプは交渉よりイスラエルに戦争でウラン濃縮そのものを不可能にする道を選んだのだ。米はその成果を取るつもりだったから攻撃を支持している。

(5)米とイスラエルは共謀。イラン現政権の打倒が真の目的だ
 米=イスラエルの凶暴な野心は「核爆弾開発」にとどまらない。攻撃の直後にネタニヤフはイラン国民に対して「今こそ『邪悪な政権』に対して決起せよ」と政権打倒を呼びかけた。核爆弾問題ではなく、イランの現政権の打倒こそが真の目的なのだ。中東の中で何十年も米国やその手先であるイスラエルに従わないイランの現体制そのものの打倒が、米国とイスラエルの共通の目標だ。自分に従わない他国の政府は倒してしまえ、というのは戦後米国が繰り返しやってきたことだ。それは戦後の国連憲章に代表される国際秩序を破壊し、ナチスと変わらないファッショ国家のすることだ。  
 イスラエルはすでにガザ、ヨルダン川西岸に戦争を仕掛け、大量虐殺を行っている。レバノンやシリアを侵略し、領土の一部を占領・併合している。イエメンに対しても戦争を行っている。イスラエルの計画は、パレスチナ人民の民族浄化であり、領土を周辺に拡大する「大イスラエル構想」の実現であり、米国とイスラエルによる中東の支配の実現だ。邪悪な野望を持ち打倒されるべきはネタニヤフ政権だ。

(6)米・西側諸国の加担を許すな。日本政府はイスラエルを制裁せよ
 イスラエルの戦争拡大は極めて危険だ。イスラエルは戦争を中東全域に拡大し、火の海にする危険性をもてあそんでいる。すでに戦争拡大を想定して、米軍は米国中から空中給油機を中東に送ろうと動いている。トランプはイスラエルの攻撃を全力で支えながら、イランに対して湾岸の米軍を攻撃するなと恫喝している。しかし、戦争の拡大はイランがペルシャ湾を封鎖せざる得ないような事態、米軍といつ交戦してもおかしくない事態に接近している。
 それだけではない。米国だけではなく、日本を除くG7西側諸政府は、この新しい戦争犯罪を支持した。米英仏軍は直接「攻撃には参加していない」だけで、イランミサイルの迎撃、イスラエル軍機への給油、武器供与、攻撃目標やミサイル情報に関する情報提供などでイスラエル軍の攻撃を全面的に支援している。西側の総力を挙げたイラン攻撃と言っても過言ではない。だから、イランは米国を厳しく非難している。
 日本政府でさえ口先では非難せざるを得なかった。しかし、それだけでは全く不十分だ。言葉ではなく、実際の行動が必要である。イスラエルの暴虐と暴走は、日本を含む西側政府がイスラエルを甘やかし、如何なる国際法違反も黙認し、支持してきたからだ。
 私たちは、戦争を中東全体に拡大させないためにも、イスラエルに直ちにイラン攻撃をやめるよう要求する。ガザの封鎖を直ちに解除し、ガザ人道財団GHFを使った「死の罠」虐殺を中止すること、ガザの大量虐殺と攻撃、民族浄化・併合の中止を要求する。米国と英仏独政府にイスラエルへの軍事支援の中止と武器供与の中止を要求する。ガザ停戦、食料封鎖解除、人質解放などの国連総会決議の遵守を要求する。
 私たちは、日本政府をはじめ各国政府に対し、侵略国家イスラエル、戦争犯罪国家イスラエルに戦争中止を要求し、そのために強力な制裁を行うよう要求する。

※写真は6月14日に急遽行なわれた関西ガザ緊急アクションの大阪駅前スタンディング
リブ・イン・ピースの6月14日のビラ

2025年6月16日
リブ・イン・ピース☆9+25