イスラエルはガザ全面攻撃・占領をやめろ 民族浄化を追求するイスラエルを許すな すでにイスラエル軍は6個師団(約9万人)を投入しガザの全域で攻撃作戦を遂行しています。南部ではラファ地区の制圧と占領を中心に行動し、ハンユニス、北部ベイトラヒア、ジャバリアやガザ市の一部等でも空爆と攻撃を繰返し住民追い出しを行なっています。立ち退かない住民は容赦なく爆撃、攻撃の対象にされています。北部では住民に残されているのはガザ市の一部だけであり、南部でも海岸沿いのマワシ地域だけです。すでに100万人に強制移動命令が出され、81%の土地がイスラエルによって立ち入り禁止か強制移動対象にされています。住民が密集しているガザ市も最終的には南部の海岸地帯に移動させられるを思われます。 ![]() 今回の攻撃の最大の特徴は、強制移動させた住民の帰還を認めないことです。住民を追い出した地区はブルドーザーで更地にし、将来イスラエルに併合するつもりです。イスラエル軍は毎岸沿いのマワシ地区を「アウシュビッツ」のような収容所にしようとしています。住民は外に出ることを許されない、食料などの供給さえイスラエル軍に握られ「最低限」に制限されます。イスラエル軍はガザ全住民の生命さえ支配しようと考えているのです。閉じ込められ、飢えさせられ、死ぬまでそこにいるか、外国に出るか選べとイスラエルは住民に迫ろうとしています。目的はイスラエルが長年追求し続けてきた民族浄化です。ガザ住民を根絶やしにするか、追放するか。土地はイスラエルに併合し、トランプに協力してもらって「リゾート地」として再開発し、石油資源を採掘するつもりです。「ハマス壊滅」など口実に過ぎないことは明らかです。 国際法も民族自決権も何もかも全く無視して、ガザの住民を痛めつけジェノサイドと民族浄化を進めるイスラエルに直ちに攻撃をやめて撤退するようよう、これ以上の人殺しをやめるよう声をあげなければなりません。 住民を飢えさせるな! 飢餓攻撃をやめ、食料の搬入を解放せよ イスラエル軍の今回の攻撃は初めの数日で500人を殺戮するなど深刻な被害を引き起こしています。戦争開始からでは5万4千人を殺し(行方不明を含めれば6万8千人を超えます)、負傷者は12万3千人以上に上ります。すでに市民の1割近くを殺傷しているのです。 それだけではありません。イスラエルは3月2日以降、ガザへの食料・水・医薬品など一切の物資の搬入を禁止し、人為的に飢餓を作り出しています。国連は、迅速に支援物資を入れないと48時間以内に1万4千人の乳幼児が死亡する可能性があると警告(5/20国連児童問題フレッチャー事務次官)しています。190万人以上の市民が食料を絶たれており、運び込まれた少量の食料の奪い合いが起こり始めています。国連は住民の20%が飢餓に直面し、93%が深刻な食料不足にあると警告しています。 イスラエルは国際的非難を気にして侵攻開始と同時に(5月18日に)「最低限の」支援物資の搬入を認めると宣言しました。実際には極めてわずかで、非人道的だという批判をかわす煙幕程度でしかありません。しかも住民にはほとんど届いていません(1日に500台必要なところ、これまで1週間で100台程度しか入れていない)。搬入してもイスラエル軍指揮下の米企業(ガザ人道支援財団GHF)を通じての配付にするつもりです。白旗を掲げてイスラエル軍の支配地に取りに来る住民だけに配付する選別配布で、500カ所ある国際支援団体の配付箇所を無視し、わずか5カ所に限定しています。負傷者、病弱者や老人、妊婦などはとうてい取りに来られません。元々の計画でも住民の6割に配る分しか計画していないのです。5月25日には国際的な非難の前に設立後2ヶ月足らずでGHFのトップが辞任する事態になっています。 支援物資の搬入は、国際世論や諸国からの非難の結果でもありますが、ネタニヤフが支援物資搬入に強硬に反対する極右のスモトリッチと取引したことにもよります。ネタニヤフはスモトリッチとヨルダン川西岸における違法入植地拡大、新住宅500件建設で取引したのです。自分の政治生命のために西岸を生け贄にしているのです。 トランプ政権は虐殺国家とネタニヤフを支えるな トランプ中東訪問を前に流されたトランプとネタニヤフの間に「すきま風が吹いている」というメディアの誘導的報道は全く根拠がありませんでした。トランプは中東歴訪で金儲けを最優先し、2兆ドルの投資、1420億ドルの武器売買を手に入れました。トランプが中東を離れればイスラエルが全力攻撃を始めることがわかっていながら、停戦のためには指一本動かしませんでした。イスラエルに停戦も支援物資搬入も、何一つ具体的な措置を要求しなかったのです。トランプ政権幹部は「違いがあるが、イスラエルを見捨てることは絶対にない」と公言しています。トランプ政権の姿勢は全く変わらずネタニヤフの戦争犯罪共犯者であり続けています。 潮目が変わりつつある。国際的な非難の声をいっそう強めよう 今年のナクバデーに連帯して各国で再びに大規模な大衆行動が行われました。イギリスではロンドンで60万人が行進し、その後も武器提供やめろと首相官邸包囲などの行動が続いています。オランダで も10万人集会が行われました。米でもニューヨークをはじめ各地で行動が行われ、矛先はパレスチナ連帯とともに親パレスチナ学生への弾圧糾弾が出ています。各国での大衆的で大規模な運動の強まりが政権に影響を与え国際世論を揺さぶり始めています。 ![]() イスラエルのやり口の余りの残虐さに各国政府の対応も変化しはじめました。5月19日には日本を含む22カ国の外相が支援物資搬入の即座「全面再開」で共同声明を出しました。同じ日、英仏とカナダの首脳が共同声明で「過剰な攻撃に反対し、軍事攻勢をやめなければさらに具体的な措置をとる」と述べました。20日に英国はイスラエルとの貿易協議を停止し、スペイン議会はイスラエルへの武器、軍用品の輸出禁止を決議しました。欧州連合(EU)外相はイスラエルとの貿易協定見直しを表明し、スウェーデン外相はイスラエル閣僚をEU制裁対象にする手続きを開始しました。中国政府もイスラエルに侵攻の即時中止と撤退を要求し、さもなくば次の行動に出ると宣言しました。欧州諸国が単なる声明にとどまらず、貿易協議の打ち切りや見直し、制裁まで触れたのは初めてのことです。これまでイスラエルを支持し続けてきた諸国がこのような姿勢を出さざるを得なくなったのは諸国内部でのパレスチナ連帯運動の圧力です。 イスラエル国内でも変化が起こっています。軍の元副司令官ヤイゴールが「正気の国家は民間人に戦争を仕掛けず、赤ん坊を殺すことを趣味にせず、住民を排除することを目的にしない」とネタニヤフ政権を非難。ヤアロン元参謀総長も戦争が政権維持のために行われていると批判しました。イスラエルの「チャンネル12」の調査では住民の61%が戦争終結と人質帰還を望み、わずか25%だけが戦争拡大とガザの占領を支持しています。イスラエルの中でも公然とガザの犠牲者を悼む写真を掲げ、戦争中止を求める動きが広がっています。 ガザ全域の占領とイスラエルの軍事支配をあくまでも追求するネタニヤフの孤立は国内でも強まっています。焦ったネタニヤフは英仏カナダの共同声明を「ハマスに協力する」ものだと非難し、21日にはイスラエル兵がジェニン(ヨルダン川西岸)で占領地の視察中の30数カ国の外交団に発砲しました。 大虐殺やめさせろ、食料搬入させろ、イスラエルと手を切れの声を日本政府に 日本政府も22カ国の共同声明に加わりました。飢餓作戦をやめさせるために、さらに虐殺と占領、民族浄化をやめさせるために政府が行動するよう要求しなければなりません。 石破政権に以下の要求をしよう イスラエルの大虐殺を非難し、攻撃の即刻中止を要求すること イスラエル軍の即時全面撤退と恒久停戦を要求すること 人道支援物資のガザへの無条件搬入を要求すること ガザ住民に援助物資を提供すること 以上に従わない場合には制裁などの手段をとること 政府はイスラエル軍・軍事産業との協力を中止すること、軍用ドローンの輸入中止 年金基金(GPIF)によるイスラエルへの投資を引き上げること 大阪・関西万博へのイスラエル参加の中止 パレスチナ国家を承認すること 発砲事件に厳重に抗議し、駐イスラエル大使召還など外交断絶を含む制裁を課すこと 2025年5月26日 |
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