レバノン侵攻に世界の目を向けさせ、ガザで新たな民族絶滅作戦を強行 イスラエルはガザ北部でパレスチナ人民への民族絶滅・民族浄化の新しい作戦を開始した。これまでの市民虐殺をさらにエスカレートさせている。この作戦は「将軍達の計画」と呼ばれる。イスラエル軍は10月の初めからレバノン侵攻に、またイランとの緊張激化に世界の目を惹き付けしておいて、ガザで前代未聞の民族絶滅計画を大規模に実行に移している。 断じて許してはならない。即刻、この残虐・残忍な虐殺計画への反対を訴え、この計画を暴露しよう。 「将軍達の計画」とは何か? 〜まずは、食料を断ち、飢餓・餓死を引き起こす この新しい作戦は、ギャラント国防相の腹心と言われるジオラ・エイランド退役少将らが作成し、今年9月に発表したものだ。内容は、@ガザ北部で食料など物資搬入を止めて飢えさせる。Aガザ北部を包囲し、1週間の期限で住民に南部の「安全地帯」への退去を命じる。Bガザ北部に残ったものはすべて戦闘員と見なし、飢え死にか降伏かを選ばせるというものだ。現に10月1日からイスラエルはガザ北部に向かう食料、水、医薬品などの搬入を完全に止めており、既に急速に飢餓が広がっている。国連や援助団体は10月初めにイスラエルが食料・物資の搬入を一切許可しなくなったことで、数十万の人々が極めて危険な状態に追い込まれていると警鐘をならしている。 次に、ガザ北部からパレスチナ人を追放 ガザ北部(ガザ市を含む)には40万人もの人々が避難先もなく残っている。イスラエル軍は10月6日には、彼らに南部の「安全地帯」に行けと命令している。すでにイスラエル軍はガザ市よりも北にあるジャバリア地区、ベイト・ハヌーン、ベイト・ラヒアなどに大規模な空爆と攻撃を加えている。ジャバリアは6日から16日間にわたって包囲され80人以上の市民が殺され、100人以上が負傷した。19日には21人の女性を含む33人が殺された。この地区で殺された市民の数は18日までに700人を超えた。かろうじて残っているいくつかの病院が攻撃され、インドネシア病院なども爆撃され火災をおこした。地上部隊が侵攻し、抵抗するものは攻撃し、残っている男性はすべて拘束し、女性たちは南部に向けて追い出している。ガザ北部からパレスチナ人をいなくさせる作戦を進めている。 最後に、避難しなかった者は全てハマスと断定し、皆殺し 〜皆殺しか、餓死か、降伏か エイランド元少将らは、これまでの「軍事的圧力だけが、望ましい結果をもたらす」というネタニヤフとイスラエル軍の戦略は失敗したという。ハマスを軍事的に壊滅させることはできず、イスラエル軍が撤退した後でハマスが復活するからだ。だから、彼らはさらに残虐さをエスカレートさせ、住民を飢えさせ、飢餓をテコに圧迫し、南に追い出す。北部を軍事包囲し、閉鎖軍事地域にして、その中に残ったもの全員を戦闘員とみなして攻撃し、皆殺しか、餓死か、降伏かを選ばせるという、驚くほど残虐で非人間的な戦略だ。 しかし、それだけではない。「将軍達の計画」の真の狙いはその先にある。イスラエル軍はガザ北部にほとんどパレスチナ人がいない、完全に浄化された場所を作り出し、ガザ北部を他のガザ地区から切断してパレスチナ人が戻れなくするつもりだ。その上でイスラエル人に土地を分配し、再入植させ、イスラエルの領土にしようとしている。昨年10月に、ガザ地区全体に適用してパレスチナ人をエジプトに追放しようとして完全に失敗した民族浄化作戦をガザ北部から部分的に実行しようとしているのだ。民族浄化=ジェノサイドの北部からの実施を開始したのだ。 ガザ北部に入植者を大量移住させる計画 この新作戦にネタニヤフ政権の極右閣僚たちは諸手を挙げて賛成している。そもそもこの計画はガザ北部に大量の入植者を移住させるためのものだ。すでにガザ地区の周辺で、極右の入植者たちがパレスチナ人の追放と再入植を求めて数百人規模の「ガザ再定住の準備」集会を開いて気勢をあげ、極右の政治家たちが多数参加している。ガザを略奪する気満々なのだ。ネタニヤフ政権とイスラエル軍は10月に入ってほとんど「将軍達の計画」に沿って包囲と攻撃、住民の追い出しを強めている。イスラエルの国家安全保障会議の元副議長は安全保障内閣が「将軍達の計画」を秘密裏に了承したことを戦争犯罪だと断罪している。ブリンケン国務長官は、ネタニヤフに「将軍達の計画に従って民族浄化をしているわけではない」と言明するよう言っただけで、これまでと同様、イスラエルの作戦を支持している。イスラエルは「将軍達の計画」という名前の民族浄化作戦を全力で遂行している。 戦時国際法も国際人道法も無視した非人道的な攻撃 この作戦の本質は、民間人であろうとなかろうと残っているものすべてを全滅させるか追い出すことにある。はじめから民間人殺戮を前提にした攻撃だ。いうまでもなく攻撃に際しては軍人と民間人を区別し、民間人の犠牲を避けるという戦時国際法も国際人道法をも全く無視し、これらの国際法に真っ向から反する非人道的な攻撃だ。もちろん食料供給を切断し、飢餓をテコにして住民全部を追放することもあからさまな国際法違反である。しかし、イスラエル政府も軍人もそんなことは意にも介しない。エイランドの発言にこの作戦の目的は明白だ。彼は「パレスチナの民間人は無実とみなすべきでない」という。「彼らは皆、ハマスの殺人者の母親、姉妹または妻だ」と書いている。またイスラエルは飢餓と伝染病が広がる条件を作るべきだと言っている。はじめからパレスチナ人など殺してもかまわない、人権など認める必要はないと考えているのだ。「将軍達の計画」そのものが戦争犯罪のかたまりなのだ。 なぜ西側メディアは沈黙するのか! 〜今回も米国は共犯者 「将軍達の計画」について中東のメディアは事態の緊急性と重大性に鑑みて反対の声を強めている。今、声を上げて大虐殺を止めなければこれまでをさらに上回る虐殺、民族抹殺などとんでもないことになるからだ。他方、イスラエルがこれまで以上の暴虐、非人間的な攻撃戦略を採用し大虐殺と飢餓攻撃に踏み出したことを西側メディアはほとんど伝えない。人々の目からイスラエルの残虐性を隠しているのだ。米国はもちろんイスラエルの作戦変更を知っている。その結果、飢餓や市民虐殺がきわめて深刻な事態になることを知っている。にもかかわらずブリンケンは「将軍達の計画をしているわけではないと言明せよ」「30日以内に食料供給を改善しろ」と言っただけだ。その結果イスラエルは毎日わずか20数台のトラックの通過を認めただけだ。いつもの茶番、口先だけの制止だ。米国はイスラエルに「殺すな」「民族浄化をやめろ」「土地を奪うな」とは絶対に言わない、要求しない。それは米国こそがイスラエルのおぞましい戦争を全力で支え、戦争のための武器を供給し続けている首謀者だからだ。米国は人殺し、民族抹殺の共犯だ。 石破政権も同罪 〜政府は、「将軍達の計画」に反対せよ 日本政府も武器・弾薬を送っていないだけで同罪だ。日本政府は国連人権規約や国際人道法、ジェノサイド禁止条約などに加盟し、それを守る義務を負っている。しかし、日本政府はこれまでも植民地国家、占領国家イスラエルを支持し続け、国連でもイスラエル非難に安保理で拒否権を発動する米国に同調し続けてきた。今日の戦争国家イスラエルの醜悪な市民虐殺、ジェノサイドのエスカレーションに対しても全く批判と抗議をしない。イスラエルのレバノン侵略には批判さえしなかったのに続いて、イスラエルの新しい攻撃に対しても沈黙している。国際法に基づいて侵略、占領、虐殺等の防止、人権と人道保護の義務を負いながら指一本動かそうとしないことを糾弾する。 われわれは、イスラエルがガザ北部に対して大虐殺を、民族浄化をさらにエスカレートし、「将軍達の計画」を実行することを糾弾する。日本政府はイスラエル支持、加担をやめ、イスラエル政府に対して直ちにガザ、ヨルダン川西岸、レバノンへの攻撃をやめ、パレスチナ人民の民族自決権と認めろと要求せよ。現在の虐殺と民族浄化をやめ、民族自決権を認めるまでイスラエルに対する実効力ある制裁を実施するよう強く要求する。イスラエルの軍事企業に対する協力をやめ、ドローンなどの購入を中止するよう要求する。 2024年10月23日 イスラエルの「将軍たち」計画とは何であり、それはガザ戦争にとって何を意味するのか? イスラエルのガザ再侵攻と「将軍の計画」 - ガザ北部で何が起こっているのか?(ビデオ解説) ガザにおけるイスラエル将軍の計画 - 飢餓によるミニ大量虐殺 イスラエル、ガザ北部で過去最大の虐殺を犯す |
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