イスラエルはガザヘの空爆を中止せよ!
地上侵攻するな! 即時停戦せよ!
占領を終結せよ パレスチナを解放せよ

パレスチナ抵抗勢力が「ガザ封鎖」を突破
 10月7日のハマスによるイスラエル攻撃への報復として、イスラエルがパレスチナ自治区・ガザに激しい空爆を続けています。日本のマスコミでは、「残忍な無差別テロ」を行ったハマスへの非難一色です。確かに、多くの民間人が巻き込まれて殺害され、誘拐されました。しかし、過去何十年にもわたって、これをはるかに上回る非道な行為をパレスチナの人々に対して行ってきたのは、他ならぬイスラエル自身です。今回の事態を、ハマスによる攻撃を起点として考えることは、全く正義に反します。すべての責任は、イスラエルとそれを背後で支えてきた米国にあります。
イスラエルがいかにパレスチナ人を殺傷してきたか
イスラエルがいかにパレスチナの領土を奪ってきたか

 ハマスを中心とするパレスチナの抵抗勢力によるイスラエルへの攻撃は、10月7日早朝に始まり、周辺のイスラエル軍基地と入植地に攻撃をしかけ、テルアビブを含むイスラエル全土の目標に5000発のロケットを打ち込みました。ガザを囲むフェンスを越えてイスラエル領内に大規模な攻撃を行ったのは初めてのことです。17年にわたるガザ封鎖を突破したことは、パレスチナ人民に誇りと生きる力を取り戻させるものです。

 イスラエルのネタニヤフ政権は直ちに大規模な無差別爆撃を開始し、破壊と殺戮の限りを尽くしています。すでにガザ周辺に10万人の軍隊を結集し、30万人に動員をかけました。圧倒的な軍事力を投入し大規模な懲罰的な地上軍侵攻を行うつもりです。ネタニヤフはガザを「無人島」にすると脅し、200万人の住民にガザから出て行けと命じています。ガザの人々には出て行くどころか、避難場所さえないことを彼は知っています。ガザ地区に対して文字通り民族抹殺、ジェノサイド攻撃を行おうとしているのです。
 私たちはイスラエル軍の報復攻撃に反対します。すでに10月11日の時点で、イスラエル側で1200人以上が死亡し、2800人以上が負傷しています。パレスチナ側では1000人以上が死亡し、5000人以上が負傷、空爆などによって家を追われた人は約26万人に及びます。イスラエル軍の行動が拡大すれば、犠牲者はとてつもない数になることが避けられません。空爆をすぐに中止させ、地上侵攻をやめさせなければなりません。ネタニヤフや西側政府がいう「正当な防衛の権利」とはイスラエル軍がこれから行うガザでの子どもや女性、市民の無差別の大量虐殺、「集団懲罰」にほかなりません。

全責任はネタニヤフ政権に
 今回の事態は、突然起こったものではありません。1948年の「ナクバ」と呼ばれる領土略奪と大虐殺以降、75年間にわたってイスラエルが行ってきたパレスチナ人の不可侵の権利に対する暴力的侵害、拡張主義的な侵略と入植地政策の結果なのです。昨年、ネタニヤフ第6次政権になって以来、パレスチナ人に対する暴力と抑圧、略奪と殺人、暴力的な入植地拡大はますますエスカレートしました。直近では聖地アル・アクサモスクへの冒涜とパレスチナ人のアクセス阻止、嫌がらせや暴力行為、逮捕や拘束が急増しました。ヨルダン川西岸のフワラでは30軒もの民家が放火・破壊されパレスチナ人住民が追い出されました。

 ガザ地区の住民は2005年から全面封鎖状態に追いやられ、外に出ることができないばかりか、外部との交易、衣料品など物資運び込みも制限され、飢餓状態の食糧事情に置かれてきました。「屋根のない監獄」そのものでした。パレスチナ領であるヨルダン川西岸の過半は、国際法に反してイスラエルが略奪し、壁で囲んで自分のものにしました。世界的にも例がない想像を絶するようなアパルトヘイト状態に置かれてきたのです。このような占領支配を続け、まるでパレスチナ人の民族浄化を追求しているかのようなイスラエルの植民地的支配に対して、パレスチナの人民が、あらゆる手段を使って抵抗しようとするのは当然のことで、彼らの正当な権利なのです。何十年にわたってパレスチナの人々をこのような状態の追い込み、国際世論を無視して一方的で暴力的な支配を行いを続けてきたイスラエルとネタニヤフにこそ全部の責任があるのです。
 今年だけで47人の子どもを含む250人以上のパレスチナ人がイスラエル軍に殺されています。その多くは路上で、わけもなく暴行を受け、殺されたのです。パレスチナの人々が、あらゆる手段を使って抵抗しようとするのは当然のことであり、彼らの正当な権利です。

イスラエルを支える米国の犯罪を糾弾する
 イスラエルとともに、今回の事態に責任を負うべきは、イスラエルとネタニヤフ政権を全面的に支えて来た米国です。バイデン大統領は直ちに「イスラエルには反撃する権利がある」とガザへの全面攻撃に許可を与えました。空母打撃部隊を東地中海に送り込み、会場からガザ制圧に協力するとともに、80億ドルの追加支援と弾薬の追加供与をしています。
 米国はイスラエルに、年間33億ドルもの軍事援助をし、凶暴化させ、忠実な同盟者、中東の軍事支配の要として最大限利用してきました。レバノン、シリア、イランなどへの攻撃と挑発をさせてきました。エルサレムをイスラエルの首都と認め、ヨルダン川西岸の違法な入植地を合法なものと認めたのも米国です。イスラエルに対する国際的非難、度重なる国連の非難決議を拒否権で潰し、ネタニヤフ政権に好き放題をさせているのも米国です。
 日本の岸田政権も、米国に追随し、ハマスを一方的に非難しました。今回の抵抗を、日本政府とメディアは、イスラエルの長年にわたる占領支配と蛮行に口を閉ざし、イスラエルを支援しています。

占領終結とパレスチナ主権国家の樹立を
 パレスチナ人民の闘いに連帯し、イスラエルを非難する運動は世界中で急速に広がっています。ヨルダン川西岸のパレスチナ人はストライキで闘いに合概しています。レバノン、イラン、トルコなど周辺国、米国、英国など世界中で数千、数万の人々が街頭に出て連帯の意思を表しました。世界中でイスラエルによる大規模攻撃をやめさせ、パレスチナの占領支配を終わらせろという声が広がっています。
 イスラエル・パレスチナ問題の解決の道は一つです。パレスチナの自決権行使と民族解放しかありません。それはすなわち、占領状態を終わらせ、ガザとヨルダン川西岸全域に東エルサレムを首都とする、独立したパレスチナ主権国家を樹立することです。それしか血みどろの闘争を終わらせ、中東に平和と安定、共存を作り出す道はありません。
 「イスラエルは戦争をやめろ」「ガザへの空爆と侵攻をやめよ」「即時停戦せよ」「パレスチナ人の正当な要求と権利を認めよ」の声を上げ、パレスチナ人民と連帯しましょう。

2023年10月11日
リブ・イン・ピース☆9+25