1月5日の大阪アメリカ領事館前での抗議行動では抗議文すら受け取ろうとしないという領事館の対応には、本当に腹が立ち、あきれ果てました。これまでイスラエルに軍事支援し続けた米国としては、今回の虐殺に対しても大いに責任があると言わなければなりません。1月8日の国連安全保障理事会では、ガザ地区での「即時かつ持続的な停戦」と「イスラエル軍の完全撤退」を求める決議を、安保理構成国15カ国のうち14か国の賛成多数で採択しましたが、これに米国は棄権しているのです。全く許し難いことです。米国は国際的な世論の前に拒否権こそ行使しなかったものの、「棄権」がイスラエルに対して攻撃続行容認のシグナルを送っているのは間違いありません。事実イスラエルは9日、この決議を無視し大規模な軍事作戦を続行しました。AFP通信によると、空爆開始以来のパレスチナ側の死者数は777人に達しました。このうち3分の1がいたいけな子どもたちです。私たちは、このような蛮行を絶対に許せません。 ※イスラエル、国連停戦決議を無視=ガザ攻撃続行、死者800人に迫る(時事通信) 極度の人道的危機が警告されています。これ以上放置することはできません。巨大な壁で「天井のない監獄」を作り出し、パレスチナ人を閉じこめ、食料や生活物資までも封鎖し、疲弊し逃げ場を失った人々に海と空そして陸から最新鋭の兵器で攻撃を加えるというのは、ホロコースト以外のなにものでもありません。さらにイスラエル軍は白リン弾、劣化ウラン弾など非人道兵器の使用さえ告発されています。侵略を行うイスラエルとそれを支えるアメリカに対して抗議を強めていかなければなりません。 ※イスラエル/パレスチナ自治政府 : 人道的見地からガザ地区での一時休戦を求める(アムネスティ) ※Rauchbomben-Einsatz entfacht Vorwurfe gegen Israels Armee(Spiegel) 昨年末にガザへの空爆が行われてから今に至るまで、世界各地で連日抗議行動が行われてきました。私はインターネットのニュースなどで見つけられた限りの抗議行動を下の表にしてみました。報道されていない行動や、見落としたものなどもたくさんあるはずなので、まったく不十分な資料ですが、それでも、いくつかのことがわかりました。まず注目すべきはその広がりです。アラブ・イスラム諸国からアジア、ヨーロッパ、北米、中南米、アフリカ、オセアニアと文字通り全世界を覆っています。 イスラエル周辺のアラブ諸国では、抗議行動は非常に大規模なものとなっています。パレスチナ難民キャンプのあるレバノン、シリア、ヨルダンでは即座に抗議行動が始まり、トルコ、モロッコ、イエメン、エジプトでも数千から数万の人々がパレスチナの人々への連帯とイスラエルと米国への抗議を示しています。特にトルコのイスタンブールでは1月6日に20万人もの抗議行動が行われました。(12月27日のイスタンブールの映像) こうした国々においては、イスラエルと米国に対する抗議だけでなく、米国に協調的な姿勢を取ってきた自国の政府に対しても抗議の矛先が向けられつつあります。 イスラエルと西岸地区の諸都市でも抗議の声は拡大しています。イスラエルの首都テルアビブでは、12月には1,000人が抗議集会を行いましたが、1月3日には15,000人に拡大しました。ガザと分断されたもう一つのパレスチナ自治区であるヨルダン川西岸地区の諸都市でも抗議の声が上がっています。 イラン、イラク、アフガニスタン、パキスタン、インドでも、抗議行動が行われています。アフガニスタンでは700人が立ち上がりました。アメリカに侵略にされている国での象徴的な出来事です。
マレーシアではガザ攻撃に抗議して米国製品に対する不買運動が始まりました。1月9日、マレーシアのバダヴィ首相は、国連安保理がガザでの平和樹立に向けた取り決めに失敗した責任は、米国にあるとする声明を発表しました。 米国や欧州では特にアラブ系コミュニティとそれを含む都市が目立っています。 空爆の翌日12月28日には米国全土で緊急の抗議行動が100以上行われました。米国最大のアラブ系コミュニティであるディアボーン(デトロイト近郊)では、12月30日に5,000人が人間の鎖を作ってイスラエルによる殺戮に抗議しました。ニューヨーク、ワシントン、サンフランシスコ、ロサンゼルス、ボストンその他の諸都市でも数十、数百から始まった抗議行動が次第に数を増し、数千から数万の規模になっているところもあります。 アラブ系の移民が多く住むロンドンでは、空爆以後、毎日、午後2時から4時と時間を決めてイスラエル大使館の前で抗議行動が行われています。1月3日から4日にかけては数万規模の抗議行動が行われました。 現在人口の1割がアラブ系移民であるフランスでも、12月29日にパリで1,300人のデモ行進があったのを皮切りに、南仏の港町ボルドーやマルセイユ、労働者の町リヨンや北西部のブルターニュの諸都市、北部のストラスブールやルーアン、東部のブザンソン等々でも抗議行動が行われ、1月3日にはパリで21,000人(5万人とも伝えられる)の虐殺に反対する抗議行動が行われました。 さらに、オランダ、ベルギー、イタリア、スペイン、ドイツ、オーストリア、スイス、デンマーク、ギリシャなどでも、抗議行動が行われました。特にギリシャでは昨年12月に15歳の少年が警官に殺された事件があり、その抗議行動がずっと続けられていました。それがイスラエルと米国への抗議行動と結びついています。
また南アフリカでの抗議行動も伝えられています。 このように、全世界でイスラエルのホロコーストとそれを支援し続ける米国政府に対する怒りが渦巻いています。国際的な行動に連帯し、一国も早くイスラエルの大虐殺をやめさせましょう。 2009年1月9日 <イスラエルのガザ空爆開始以降の世界各地での抗議行動(表)> [参考記事] ※イスラム圏などでデモ ガザ連帯の声、世界に拡大(産経新聞) ※イスラエル軍、7日連続でガザを空爆 ヨルダン川西岸などで空爆中止求める抗議デモ(FNN) ※英仏8万人抗議デモ ガザ地上侵攻(Yahoo 産経新聞) ※アラブ諸国でデモ広がる ガザ空爆ヘの対応遅れを非難(CNN) ※パリで大規模な反戦デモ、イスラエル軍のガザ攻撃に抗議(Livedoor News) ※アラブ世界に怒りの声拡大 ガザ侵攻 レバノンなどでデモ(北海道新聞) ※国連機関が活動停止 死者765人 ハマス「3割子供」 ガザ攻撃(北海道新聞) ※ガザ、犠牲者の3分の1は子供 国連高官(北海道新聞) ※Sakhnin protest: IDF op a war crime(Ynetnews) ※イスラエルのガザ空爆、世界各地で抗議広がる(AFP) ※アフガン南部で反イスラエルデモ 数百人が参加 ※ベネズエラがイスラエル大使に国外退去命令…ガザ侵攻で(読売新聞) ※Israel air strikes spark protests worldwide(Yahoo AFP) ※Worldwide actions protest Israeli massacre in Gaza(IAC) ※Thousands in London condemn Israeli bombing of Gaza(Rawstory) ※World stands united against 'genocide' in Gaza(Alarabiya.net) ※Reports from Demonstrations Against the Bombing and Seige of Gaza(ANSWER) ※Watch this video of the New Zealand Protest Against the Israeli Slaughter in Gaza(AxisofLogic) ※イスラム系住民が抗議(バンコク週報) ※ガザ攻撃に対する、アジア・太平洋地域での非難の継続(Japanese Radio) ※Worldwide movement protests U.S.-Israeli massacre in Gaza(Workers World) ※Worldwide protest against Israeli violence in Gaza(News from Middle East) |