#つなごう改憲反対 第8回連続講座 報告
まさしく日本列島全体が攻撃基地に!!

 2023年11月18日に「つなごう改憲反対 第8回連続講座  戦争準備の最前線??大分、宮古島から 日本全国が攻撃基地に?」をリモートでおこないました。 コロナ禍で余儀なくされた感のあるリモートという形態でしたが、沖縄の宮古島から大分、近畿、そして青森までを実際につなぐことができ、意見交換が活発に行われました。

 大分 敷戸・湯布院・日出生台 葛城知明さん・池田さん (「大分敷戸ミサイル弾薬庫問題を考える市民の会」)
 敷戸(しきど)地区の陸上自衛隊大分分屯地(ぶんとんち)は、小学校と隣接し、近くには大分大学、病院、住宅地が密集しています。2023年2月15日、そこに長距離ミサイル弾薬庫が増設されることが発覚しました。
 さらには、湯布院(ゆふいん)駐屯地ではミサイル連隊が配備され、さらに日出生台(ひじゅうだい)演習場では「断固たる(レゾリュート)ドラゴン」というふざけた名前の日米合同演習がおこなわれました。この演習のせいで、酪農の盛んなこの地域の例年10月の大切な牧草刈りの作業ができなかったのです。
 11月13日には、自衛隊の演習として、大分空港に戦闘機が飛来しました。これは岡山、徳之島、奄美と共に統合演習での自衛隊機の初の民間空港使用となりました。
 このように、住民の命と平穏な暮らしを無視する動きが進行する中、この長距離ミサイル弾薬庫(通称「大分敷戸弾薬庫」)に反対する「大分敷戸ミサイル弾薬庫問題を考える市民の会」を今年の6月から準備し始め、8月に結成総会を開催しました。そこには250人が結集し、最近の大分の市民運動の中ではまれに見る規模と内容を持ったものになりました。
 沖縄南西諸島の運動ともつながり、元防衛官僚を呼んだ講演会もおこないました。今の事態は元防衛官僚でさえ、危機感を持つものなのです。私達は今後多くの県民にミサイル問題を広げ、 政府、大分県、大分市への要請署名に取り組んでいきたいと考えています。

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 沖縄 宮古島市 保良 下地茜さん (宮古島市議会議員)
 宮古島での保良(ぼら)地区で陸上自衛隊ミサイル部隊の配備が進められています。
 ジュネーヴ条約では、軍事目標主義、つまり、民間への攻撃はしてはならないと述べられています。そこでは軍民分離の原則が守られなければなりません。
 しかし、小さな島にミサイルをおいて軍民分離の原則は成り立ちません。防衛局に「ミサイルはどこから撃つのか?」と尋ねたところ、「敷地の外に出て、ひと気のないところで撃つ」「どこでとは、その時にならないとわからない」という答えでした。
 防衛省は、「主たる任務である我が国に対する武力攻撃の排除措置に支障の生じない範囲で…、可能な限り国民保護措置を実施する」と述べています。つまり、自衛隊の任務は国防であって、国民保護は県・市町村などの自治体がおこなうということなのです。
 秋田県知事が、迎撃ミサイルシステム「イージス・アショア」の配備を拒否したのは、それが実施された場合、県民の安全を守れないと判断したからでした。
 米シンクタンク・戦略国際問題研究所(CSIS)による報告書では、米軍と自衛隊による民間空港の使用を拡大するのは、中国が攻撃すべき対象を増やすためだと書かれています。この報告書での「列島」は南西諸島だけでなく、「日本列島」全体を表していると考えられます。つまり、日本全体を攻撃基地にし、結局、住民の安全を無視しているのです。それよりも平和と友好の外交を!

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  青森 むつ市 大湊 栗橋伸夫さん(「大型弾薬庫建設に反対する市民の会」)
 むつ市の大湊(おおみなと) にある海上自衛隊基地でも、長距離ミサイル保管のための大型弾薬庫の新設が発覚し、私達はこの8月に「市民の会」を結成して反対運動を開始しました。
 大湊は、旧海軍時代からの広大な敷地があり、弾薬庫を建てるのに新たに土地を購入する必要がないということで、全国に先駆けて大型弾薬庫が建てられることになりました。しかし、周辺地域には、学校、病院、民間の住宅があります。
 それだけではありません。青森県下北半島は、世界でも例を見ない軍事施設と原子力施設が並存する場所です。航空自衛隊の施設や国内第二の規模の米軍基地・三沢基地、東通原発や六ヶ所村核燃料サイクル施設などがあります。この大きな危険性を広く訴えていきたいと考えています。

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 京都府京丹後市のXバンドレーダーについての報告の後、質疑応答がおこなわれました。

「市民運動として展開するうえで、自分たちが敵から攻撃された時に損害を受けることは伝えやすいが、1000キロ先の見知らぬ国の見知らぬ人の安全については、わかりにくいと思いますが…。」
「私たちができるだけ向こうの人との交流を増やすことが必要なのでは。目に見える形で、相手と知り合いになり、友好関係を築くと、身近になるのでは。大分市と中国の武漢市が友好都市。友好条約を結んでいる相手をお互いに攻撃することはあり得ないという形を作っていきたい。」

「秋田県知事は、住民寄りの姿勢を取ったが、その政治的立場は?」
「知事は保守系だが、住民運動が高まっていた。自民党の秋田県連も反対したので、知事も反対したという経緯がある。沖縄では交付金で分断されて難しい面もあるが、市民活動を広げるのは大切。」

自衛隊が住民を守らないということにびっくりしている。住民を守るのは自衛隊じゃないとは…。
「住民を守るのは自治体の仕事。秋田県は住民を守るために迎撃ミサイルシステム配備を拒否した。」

「秋田県の話と下地さんの話を聞いて力づけられた。軍事と民間は必ず区別しなければならない。どうやって住民を守るのかと、大分市に迫れる。」

「国際人道法 住民保護の観点から民間空港、港湾等を軍事利用することは、違法なのではないか?」
「民間空港の軍事利用は、ジュネーブ条約で言えば、保護の消滅となるが、政府は問題にしていない。」

「机上演習では、相手がサイバー攻撃をかけてくる兆候を見せたら先制攻撃することを検討していることがあきらかになった。米軍は尖閣に手を出さない場合でも、米軍に攻撃目標のデータを出させて日米が「共同」で参戦するという形をとる。日本は米国以上に戦争に前のめり。米国の戦争に“巻き込まれる”ではない。この日本の“積極性”を深刻に受け止めなければならない。」
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 最後に、参加者の意見を反映した上で、講座決議「病院攻撃をやめよ 人道的大惨事回避のため、イスラエルは即時無条件に停戦せよ」を採択しました。

2023年11月30日
リブ・イン・ピース☆9+25