共謀罪法案の廃案を求める決議
(朝鮮半島危機を煽るのは誰か?安倍政権は戦争をもてあそぶな!5.14緊急集会より)

 政府・与党は、「取り調べの可視化の検討」等の付記を条件に日本維新の会を賛成に取り込み、共謀罪法案の18日衆院通過を強行する方針だ。今国会で成立させようとしている。デタラメ答弁を繰り返したあげく、政治力学と数の力だけで、これまで3度も廃案になった最悪の反動法案を可決するなど絶対に許されない。共謀罪法案は廃案しかない。
 法案の最大の目的は政府に批判的な運動・言論活動を封じ込めることにある。「テロ防止」「オリンピックのため」などは全くの詭弁である。団体を「犯罪組織」と決めつけ、共謀と準備行為をでっち上げることで容易につぶすことが可能となる。花見と下見、準備行為、計画段階での捜査、性格の一変等の二転三転答弁は、警察が意思を持てば、どんなことを理由にしてでも捜査・逮捕・起訴ができることを示している。
 そもそも「犯罪組織」と一般市民の区別などない。メディアや言論界、芸術や出版、ホームページやブログなどのあらゆる言論活動・表現活動、サークル活動、市民活動、文化活動に規制が加わるのは避けられない。警察・公安によるたえざる監視・盗聴、メールやLINEなどの通信傍受、密告・スパイ・自首・相互監視の奨励がはじまるだろう。
 戦前の治安維持法は、本来の条文にある「国体変革」と「私有財産制度否認」を目的とした結社のみならず、民主主義者、自由主義者、学者や大学教授、文筆家、編集者、芸術家、宗教者などに対象を広げ弾圧の猛威を振るっていった。決して、これは過去のことと済ますわけにはいかない。
 すでに安倍政権と公安警察は政府の政策を批判する運動団体に対して、「白タク容疑」「器物破損」「ウソの被害届」等々を使ってでっち上げ逮捕や家宅捜索などを展開している。共謀罪法が成立してしまえば、ウソの自白強要やスパイ・密告だけで犯罪要件が成立してしまう。アリバイも「物証」も関係ない。えん罪の危険が著しく高まる。たとえ起訴・立件されなくとも、家宅捜索や逮捕後の長期拘留だけで、個人と団体への打撃ははかりしれない。
 共謀罪法の狙いは、監視と弾圧を強めることで、政府や権力者に逆らわない、そもそも逆らおうというような気持ちさえ持たない「従順で善良な国民」の育成だ。それは日本を「戦争する国」にするための9条改憲、対北戦争挑発と国内宣伝、戦争法制定、特定秘密保護法制定、道徳教育の教科化等と一体のものだ。
 戦争国家化を止めよう。物言えぬ社会・暗黒の監視社会を作ってはならない。世論と運動の力で共謀罪法案を廃案にしよう。

朝鮮半島危機を煽るのは誰か?安倍政権は戦争をもてあそぶな!緊急集会参加者一同
2017年5月14日