11月27日(水)午後6時より、JR天王寺駅周辺で、特定秘密保護法の衆院強行採決に反対するビラまき行動を行いました。強風が吹き時おり雨が降ってくる悪天候でしたが、ビラの受け取りはよく、「廃案のためがんばって下さい」と言って下さる方も何人かいました。 参院で始まった国会審議では、法案が民間人やメディアにまで広く網をかけようとしていること、拡大解釈や恣意的な運用、冤罪の危険があること、市民生活やメディアの報道などが萎縮してしまうことなどが問題にされましたが、安倍首相は「国民の基本的人権や報道の自由に十分配慮する」などと抽象的な答弁に終止し、あらためてこの法案の危険性が浮き彫りになってきています。 ※秘密保護法案>参院審議入り 「市民も処罰」懸念消えず(毎日新聞) ※首相、秘密保護法案の修正応ぜず 参院審議で答弁(朝日新聞) 参院での廃案に向け、さらに反対の声を上げましょう。 野党との修正協議では、首相が秘密指定に介入できる「指揮監督権」を認めたり、秘密指定期間を最長30年から60年へと延ばしたりと、むしろ改悪となっただけで、問題点は全く解消されていません。 まず第一に、大臣や官僚が何でも勝手に「特定秘密」に指定することができることです。秘密指定することが妥当かどうかを判断する機関はありません。 ※原発事故が起こっても情報や避難場所が秘密に隠されたり、米軍との危険な軍事演習などが秘密にされたりと、市民の暮らしや安全に関わる情報が知らされなくなる可能性が指摘されています。それだけでなく、官僚の裏金や談合、無駄な公共事業、警察の不祥事など、政府にとって都合の悪いことが全て秘密指定される危険性もあります。 第二に、刑の重さと内容です。特定秘密を漏らした公務員や秘密を得た市民は最高一〇年の懲役刑を科せられます。情報を得なくても、相談したり(共謀)教えて欲しいと訴える(教唆)だけで最高5年の懲役になります。「国民は余計なことを知る必要はない」とばかりに、情報を知ろうとする市民を監視し犯罪者にするものです。 第三に、「何が秘密かは秘密」であるため、警察に「特定秘密保護法違反で逮捕する」と言われても、何が違反なのかがわかりません。そして、ウソでもでっち上げでも秘密保護法違反で逮捕されれば、弁護士でさえ弁護することが困難で、無罪を証明する手だてがなくなり、冤罪事件の危険が高まります。 第四に、省庁と取引のある工場やオフィスで「特定秘密取扱者」に指定されれば、その人は「適性検査」という名目で、政治的な活動や団体とのかかわり、犯罪や懲戒の経歴、精神疾患、薬物の使用、酒癖、借金の状況などかせ、配偶者や親族まで調べ上げられます。 まさに国民を監視し、市民の自由な活動やメディアを自粛させ、「見ザル、言わザル、聞かザル」へと国民を追い込もうとしているのです。 その行き着く先は、軍事・警察国家、監視国家に他なりません。戦争への道は国家秘密から始まります。参院では本日27日、国家安全保障会議(日本版NSC)設置法案が可決されました。同法は、戦争の司令塔をつくるための法律です。安倍首相は改憲を狙いながら、集団的自衛権の行使解禁や秘密保護法制、戦争司令塔の設置によって、米軍とともに戦争できる国へつき進もうとしているのです。 私たちは、基本的人権の尊重、平和主義、国民主権からなる憲法三原則を踏みにじる秘密保護法に反対です。強行可決に断固抗議し、参院での廃案を求めます。
2013年11月27日 |
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