10月12日 リブインピース 連続カフェ第2回報告

 10月12日に「長射程ミサイル配備と大型弾薬庫建設に反対する」と題して、リブ・イン・ピースの第2回カフェが開かれました。50人近くが参加して会場は満席で、活発な発言が次々続き盛会となりました。
 カフェには大分敷戸弾薬庫問題を考える会事務局次長の葛城知明さんを講師に招き、大分の弾薬庫増設反対運動の現場からの詳しい報告を聞きました。大分では弾薬庫9棟増設の計画ですべて予算化されており、最初の1棟は12月にも完成する予定です。地元では完成に合わせてミサイル搬入反対の集会を準備しています。大分県では敷戸弾薬庫(大分市)以外にも日出生台や十文字原演習場、湯布院駐屯地、玖珠駐屯地、別府駐屯地など自衛隊の基地が多数あり、レゾリュートドラゴン25など日米共同演習などで県内の演習場や自衛隊施設が全面的に使われている現状が報告されました。反対運動は増設計画が明らかになった23年から、長距離ミサイルが置かれれば攻撃対象になるなど住民の不安の高まりから始めりました。敷戸弾薬庫は大分市の住宅密集地のすぐそばにあり、1キロ以内に1万6千人、2キロ以内に4万人が住む、文字通り市民の目と鼻の先にあります。反対運動の中で保安距離が守られているのか、軍民分離に反するのではないか、南西諸島の要塞化や避難計画、重要土地規制法等、さまざまな問題点を取り上げながら、日常的にスタンディングや講演会を行い運動を進めていることが紹介されました。別の予定で来阪していてカフェに参加してくれた、考える会で沖・西ネットの共同代表でもある池田年宏さんは、それぞれの運動のつながりが必要で、お互いのところで起こっていることを知ること、つながっていくことが戦争を食い止める第1歩だと話し、運動の中で歌っている<ミサイルはいりません>という歌を披露してくれました。
 12式地対艦誘導弾延伸型の配備、司令部の地下化が進められている熊本市からは、平和を求め軍拡を許さない女たちの会・熊本の海北由希子さんがZOOMで参加し、現状について話されました。琉球弧の島々では自衛隊と米軍が軍事要塞化と機動展開化を進めています。熊本市には健軍駐屯地があり、西部方面隊(九州・沖縄)の総監部(司令部)がおかれ、自衛隊施設の「強靭化」の為に司令部の地下化が進められています。さらに第5地対艦ミサイル連隊には今年度から射程1000キロに及ぶ12式地対艦誘導弾延伸型が初めて配備されます。熊本県には高遊原、北熊本駐屯地や大矢野原演習場等の基地があり、共同使用で米軍も使用すると話されました。海北さんは戦争は最大の人権侵害だ、戦争を望む自衛隊員などいないと言い、自衛隊員募集のために子どもがターゲットにされているが、子どもを守れるのは大人だけだと強調しました。
 リブ・イン・ピースからは補足報告として2点強調しました。一つ目は、12式地対艦誘導弾延伸型、島嶼防衛用滑空弾等長射程ミサイルの配備が進むが、実際には多数の種類の長射程ミサイル開発が同時進行で進められ、さらに実戦配備が次々と前倒しされていること、そのために全国に大型ミサイル用の弾薬庫建設が強行されているのだということ。二つ目は、来年度概算要求が過去最高の8兆8千億円で発表されたが、米軍関係費などは「事項要求」とされ計上していない。また補正予算で数千億が毎年積み増しされる。すでに計画の43・5兆円を超えるテンポで軍事費が膨張している。トランプの要求通り5%(軍事費だけで3・5%)になれば現状の10兆円ではなく、毎年30兆円を超え、人民関連予算に与える影響は破滅的だ、絶対阻止しようと報告した。
 19日に近づいている京都府・祝園での全国集会について、大型弾薬庫が14棟(日本で最多数の増設)建設予定で、ぜひ阻止するために集まってくださいという祝園ネットの呉羽真弓さんからのメッセージを読み上げ、みんなで行きましょうと呼びかけました。
 大阪狛犬会の方から、中国の大阪総領事は侵略戦争の事実を知り反省し、2度と戦争しないことを確認すべきだが、最近の動向には危機感を感じると話しました。再び戦争をしようという流れを押しとどめよう。11月23日に「中国は脅威か」をテーマに学習会をする予定です。南京60カ年・大阪の方から、歴史を忘れては加害を繰返す、歴史に向き合い戦争を再び起こさない決意をしよう、私たちの再び侵略戦争をしないという決意を伝えに南京を訪問し、市民と交流している。12月には証言集会をするそうです。日朝友好運動をされている方は日米が中国だけでなく朝鮮やロシアに対しても戦争を準備しており、日本を闘わせようとしている、これと闘おう。ガザのスタンディングを続けているリブ・イン・ピースのメンバーは、第1段階の停戦から戦争終結とパレスチナの民族自決権実現に向かうために、今こそ世界から声をあげようと呼びかけた。
 大分、熊本等九州で進む弾薬庫建設、攻撃兵器配備の実情を知るとともに、さまざまな立場から日本の対中国戦争準備と敵地攻撃能力=長射程ミサイル配備に反対し、軍事費増に反対する声が出された有意義なカフェとなりました。参加された皆さんに感謝します。

2025年10月17日
リブ・イン・ピース☆9+25