![]() 参院選の選挙運動の中で眉をひそめたくなるような排外主義のヘイトスピーチが横行し、それが支持を集めています。一方で、対中国戦争の準備かかつてないほどに本格化していることは、どの党もほとんど指摘せず、参院選の焦点とはなりませんでした。今日のこの状態に対する危機感が、報告と討論の基調をなしていました。NGO連名の「参議院選挙にあたり排外主義の先導に反対する共同声明」が紹介され、リブ・イン・ピースも賛同していることが紹介しました。 最初の報告では、2022年以降、日本の軍事予算が急増している現状の上に、さらにトランプ大統領が要求している対GDP比5%を政府が認めた場合、これまでとはけた違いの破壊的な軍事費拡大になります。軍事予算が予算全体の4分の1以上にのぼり他の予算が著しく圧縮されるという驚くべきシミュレーションが報告されました。これは「満州事変」の直前の日本政府の予算における軍事費と同等の割合です。 さらに、22年の安保3文書以来対中戦争準備が、敵地攻撃能力の獲得(長距離巡航ミサイルの大量配備)、日米指揮権の統合と自衛隊の米軍への組み込み、自衛隊の多国間共同演習への参加、沖縄南西諸島の軍事要塞化から、九州、西日本への軍事拠点の強化などによって、着々と進められていることが報告され、日本国憲法の精神に立ち返る必要性が強調されました。 さらに、2019年に米陸軍に近いRAND研究所がだしたロシア干渉計画とその後のそのままの実施の実態を報告しながら、「三正面戦争」を進める米国がロシア・中国周辺に「カラー革命」や軍事紛争という形で介入し、周辺の反米政権を親米政権へと変えたり、軍事的挑発を繰返すことを今後も繰返すに違いないことが報告されました。 質疑応答では、自衛隊の人員不足、軍隊の本質であるセクハラ、パワハラ、事故の多発などが指摘され、自衛隊員に戦争遂行能力があるかという質問もでました。それに関連して、自衛隊の人気がないからこそ、教育の現場への自衛隊の浸透――中学生の「職場体験」、自治体も一体となった中学・高校生への勧誘活動――が、なりふりかまわぬ形で行われていることなどが指摘されました。 また、中国だけでなく、朝鮮民主主義人民共和国に対する戦争も準備されているのではないかという指摘があり、主催者から、その通りであり、朝鮮に対しても中国と同様、戦争ではなく友好と緊張緩和が必要であるという発言がありました。 なぜG7諸国がこれほど攻撃的なのか、それはアメリカを中心とし世界中から冨を収奪する体制が崩壊しつつあり、グローバル・サウスが台頭していることへの焦りから来るものであること。しかし同時に米欧と中国やグローバルサウスの方に有利な力関係の変化、世界全体の趨勢は、戦争を押しとどめる力になるということも指摘されました。 2025年7月22日 |
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