9月16日(月・休) リブインピース@カフェ「米国による「3正面戦争」の危険〜ガザ侵攻、ウクライナ戦争に加え、対中戦争を仕掛けようとする米国」を大阪市内で開催した。参加者は約30人で、リモ−トでも10人を超える参加があった。 まず司会から、自民党総裁選と立憲民主党代表選が行われているが、米国の対中戦争への日本の協力という危険な政策については全く争点になっておらず、誰も反対を言わない。せいぜいその財源をどうするかが問題になっているだけだ。与野党こぞって戦争準備を支持している異常事態にあるからこそ、反対の声を強める必要があるとの発言があった。 「三正面戦争」は、米国が主導する1つの戦争 主報告の内容は以下である。ウクライナ戦争、イスラエルのガザ侵略、対中国戦争は、バラバラではなく、米国の利益、覇権を維持するための一つの戦争と捉える必要がある。メディアではウクライナ戦争はロシアによる侵略、ガザはハマスによるテロ、台湾有事は中国による現状変更の試みなどと喧伝されている。しかし、真実は、社会主義中国の台頭を抑え込み、反米国家ロシアを弱体化・解体し、中東の植民地支配を守ろうとして、米国が同盟国を巻き込んで行っている戦争だ。 ガザの状況については、2007年から壁に囲まれ完全封鎖されたこと、さらに1948年からの占領・植民地支配が根本原因であり、「囚人状態」からの解放を求める闘いはパレスチナ人の正当な権利であることを強調した。米国が軍事支援と武器供与を継続強化していることこそが、イスラエルによる破壊と大虐殺を可能にしている。 ウクライナ戦争も、22年2月のロシアによる侵攻が発端ではない。以前から米国は、公約に反してNATOを拡大し、ウクライナに武器供与し、ロシアに脅威を与えてきた。開戦直後の3月末の停戦協議を拒否させたのも米国と英国だ。NATOによる対ロシア「代理戦争」であり、武器弾薬や兵士の給与など政府予算も含めて、米・NATOがまるかかえでやらせているのがウクライナ戦争だ。 この二つの戦争に加えて、中国との戦争を企てている。「中国の脅威」を煽り、「27年台湾有事」に加えて、南沙諸島をめぐるフィリピンとの領土紛争をけしかけ始めた。アジア太平洋では、米日韓比豪に加えて、NATO海軍まで動員して大規模な軍事演習を行い、台湾、南シナ海、東シナ海、どこでも衝突を追求している。 ここにきて米国が核軍拡を追求し始めた。欧州に中距離ミサイル配備することを発表するとともに、アジアでも米韓・米日の「核拡大抑止協定」を追求している。中国が核弾頭を増やしているとのプロパガンダが行われているが、中国の核は米国の核と比べ物にならないほど少なく、最小限だ。米と同盟国の核が中国を直接射程内にしているのに対して、中国の核は米本土に届かない。中国にとって恐るべき脅威だ。 米国が「三正面戦争」、対中戦争を進めているのは、米一極支配が続いていた軍事、政治、ドル・金融、ハイテク・技術、メディアの覇権(五大覇権)が崩されようとしているからだ。中国の経済成長とBRICSおよびグローバルサウスの台頭によって、これまで米と西側諸国が享受してきた甘い汁を吸えなくなっているからだ。 その中で最も悪い役割を果たしているのが日本だ。軍事費を突出させ、中国を攻撃出来るミサイルを大量配備しようとしている。日本政府との闘いがますます重要だ。 戦争は回避できる。中国とBRICS、グローバルサウスは平和を欲しているし、日本も含め世界の反戦平和運動、パレスチナ連帯闘争がある。 対中戦争準備に反対する全国各地の運動 続いて、「日本全土に広がる対中戦争準備 全国連帯でつながる運動」として、各地で行われている反基地・戦争準備反対の運動が全国的なつながりとして組織されている様子が報告された。沖縄の「ノーモア沖縄戦 命どぅ宝の会」の結成をはじめとする沖縄の闘いから、「島々から呼びかける全国を戦場にさせない!東京行動」、与那国、石垣、宮古島、沖縄本島などの取り組み、奄美大島、九州・大分、佐賀、馬毛島、呉、京都祝園、米軍Xバンドレーダー基地での反対運動の取り組みなどが紹介された。 その一環として、滋賀県饗庭野での日米合同軍事演習反対運動への参加報告があった。 虐殺を止めるために 活発な質疑応答 休憩を挟んでの質疑応答では、特にパレスチナ情勢に関する意見・質問を中心に多数出された。 ・なぜ、これほどまでにひどいイスラエルの虐殺を止められないのか。 ・米議会でのネタニヤフ首相の演説に50回もスタンディングオベーションが起こった。イスラエルだけでなく、米国が問題だ。 ・ハリスとトランプ、どっちが勝っても世の中は変わらないのでは。 ・パレスチナ人の犠牲で、子どもの数が多いのは、人口構成で若い世代が大きいからなのか。 ・国連は何をしているのか。日本政府に働きかけて、国連を動かすべきではないか。 ・ガザ住民230万人中5万人以上が殺されるという異常事態に、日本政府が黙っているのかと追及する運動が必要ではないか。 ・特に新ガイドライン以降、日本が悪い役割を果たしている。米国のイヌになっている。 ・米国の戦争の目的が米国の世界覇権を維持することであるという点が、運動の中であまり理解されていないと感じる。ここを説得的に語っていきたい。 ・軍産複合体についての学習会をしてほしい。 イスラエルの虐殺が止まらないのは、ネタニヤフ首相が極右と連立を組み戦争継続によって政権を維持していること、長年の教育によって大多数のイスラエル人が占領支配を正しいと考えていることなどがある。米国も変わった。イラク戦争のときは反対する民主党員もいたが、いまは民主・共和を問わずイスラエル支持だ。だが、日本も含め世界でパレスチナ連帯闘争がある。国連でも、イスラエルを支持する国は数十か国に過ぎず、100カ国以上は虐殺を非難している。 最後に、この間のパレスチナ連帯闘争の報告と今後の取り組みが紹介された。天満橋(京橋)は毎週木曜日、堺市民アクションは、第1、第3木曜日、堺東、なかもず、泉が丘、鳳駅前で、箕面船場駅では学生を中心に金曜日に、それぞれスタンディングやビラ巻きを粘り強く行っている。日本企業のイスラエルとのつながりが追及されている。川崎重工、ファナック、住友商事などへの抗議行動が継続されており、9/3にはロボット学会主催の講演会でアピール行動が行われた。 9/28(土)は、ガザ緊急アクションの呼びかけで、「イスラエルのガザ侵攻から1年 虐殺やめろ 今すぐ停戦 集会 デモ」が新町北公園で17:00〜開催される。 報告1 米国による「三正面戦争」の危険 2024年922日 |
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