1月23日、市民交流センターひがしよどがわでリブインピース@カフェを行いました。「“GO!GO!戦争”でいいの?――新防衛大綱、軍事演習、尖閣問題を考える――」として、尖閣問題や延坪島事件を通じての反中国・反北キャンペーン、とりわけ「固有の領土論」による排外主義的ナショナリズムの宣伝の危険、現実の戦争挑発や日本の防衛政策の転換について議論し批判しました。13人が参加しました。 報告と議論を簡単に紹介します。 (1)「日本軍「慰安婦」制度とは何か」(岩波ブックレット 吉見義明著)の読み合わせ (2)新防衛大綱、軍事演習批判 (3)「尖閣諸島問題」をどう見るか──歴史的経緯を中心に (1)については、今回の@カフェから「日本軍「慰安婦」制度とは何か」の読み合わせを行うことになりました。「慰安婦」制度が作られていった背景について、「他民族差別」「女性に対する性暴力」「貧しい者に対する差別」が重なって起きた問題とされているのに加えて、天皇制軍国主義の問題や、世界でも例を見ないシステムが構築された日本の侵略戦争の特殊性について問題にしなければならないことなどが提起され、日本社会と歴史が持っている深刻な問題として批判する必要が議論になりました。 (2)では、新防衛大綱がこれまでの防衛政策の基本理念(専守防衛、「基盤的防衛力構想」)を変更し、自衛隊のあり方を根本的に変えようとしていること、これを「動的防衛力」「動的抑止力」という言葉で表現し、朝鮮民主主義人民共和国(北朝鮮)および中国との軍事衝突を辞さない、とりわけ尖閣問題で中国と積極的に領土紛争をする構えを見せている危険性を議論しました。特に昨年末から立て続けに米韓、日米軍事演習が大規模に行われていることは、戦争の危機を著しく高めいていることが報告されました。朝鮮半島での戦争勃発の危険については、北朝鮮が戦争を仕掛けてくることは考えられず、にもかかわらず、「北の脅威」が煽られ有事さながらの侵略的な演習がやられていることを冷静に見て厳しく批判する必要があるとの意見がありました。 (3)9月の尖閣衝突事件とメディアによる領土ナショナリズムの扇動を批判する形で、(1)尖閣問題では、日本の海保が日中漁業協定での慣例を破る取り締まりを中国漁船に対して行ったことが原因であること、72年日中国交正常化での「棚上げ合意」を覆すものであること、(2)そもそも「尖閣諸島は固有の領土」という主張自身が誤りであること、「固有の領土論」は日本でだけ通用する偏狭なイデオロギーであること、(3)ポツダム宣言、カイロ宣言、そしてサンフランシスコ講和条約の歴史的経緯からしても、日本の領土とは決して主張できないこと、(4)「棚上げ」自身が、賠償請求の放棄とも絡む中国にとっての苦渋の決断であり、私たちが問題にする場合には、日本の侵略戦争が与えた甚大な犠牲を反省することと不可分でなければならないこと等が提起されました。 まわりの若者たちの間でも「領土ナショナリズム」は異常な形で支配的となっています。それが歴史的な経緯からしても誤りであり、また戦争や軍国主義化を許容してしまうという点からも危険であることを粘り強く訴えていかなければならないこと、対話と平和的な外交を進めていくべきであることなどを議論しました。 以下に当日の報告(PDF)を掲載します。 ※新防衛大綱の危険 ※戦争勃発の脅威を高める米韓、日米合同軍事演習 ※「尖閣諸島問題」をどう見るか──歴史的経緯を中心に 2011年1月30日 |