9月20日大阪市内の市民交流センターなにわで、リブインピース@カフェを行いました。8月1日〜4日の岩国・祝島・広島ツアーの報告でした。ツアーは、東京の「福島老朽原発を考える会」「空と海の放射能汚染を心配する会」「ピースニュース」という市民団体の共催で行われ、リブ・イン・ピース☆9+25からも1名参加しました。 報告では、現地で闘っている人たちの姿勢や思いが特に印象に残りました。 原発建設予定地となっている山口県の祝島のことは、私たちも取り組んできた米軍基地押し付けの国策と重なります。祝島は28年間も反原発闘争を強いられていますが、そこにあった温かい空気が報告されました。手ぬぐいのはちまきをしたおばさんたちが中電の職員と渡り合い、一歩も引かないシーンなども映像で映し出されました。毎週月曜日には恒例のデモが行われ町内を歩きます。若そうな女性、小学生、犬も参加していました。 原発建設予定地は生物多様性のホットスポットであるにも関わらず、原発が立つと温排水は温度だけでなく、パイプへのカキの付着などを防ぐために投与する次亜塩素酸ソーダという塩素処理剤(ハイターみたいなもの)の影響が懸念されます。90%以上のプランクトンが死ぬと言われています。原発は生態系を破壊し美しい海を破壊してしまう危険があるのです。 岩国では、滑走路の沖合移設に便乗してNLP(夜間離着陸訓練)をするという密約や、沖合埋め立てのために里山である愛宕山を削り、しかもその愛宕山に当初は住民のために「理想の町を作る」といいながら、いつの間にか米軍家族の住宅地にしようとしているなど、国が住民を騙し米軍基地を押し付けてくる卑劣さが報告されました。ちなみに滑走路の沖合移設(基地拡充)をする以前の海には豊かな自然の象徴である藻場があったそうです。 広島では、広島平和教育研究所主催の「戦跡をたどるフィールドワーク」に参加しました。案内して下さった被爆教職員の会、江種(えぐさ)祐司さんは17歳の時、学徒動員で広島市内(金輪島)の工場で被爆した方です。"比治山は、避難するために山の上を目指す被爆者でいっぱいになり、途中で息絶えた遺体で埋まり、その上を四つんばいで避難するがその遺体の上に折り重なって亡くなる。朽ち果てた人の亡骸が、人間として我慢できない臭いをはなっていた山"など原爆被害の生々しい体験を聞きました。しかし同時に、広島は陸軍・呉は海軍・岩国は海軍航空部隊という一体の基地の都市であり、天皇と参謀本部が居る大本営が置かれた侵略戦争の拠点であったという戦争加害者の側面が強調されたのが印象的でした。 敗戦後65年経った今も日本政府は「慰安婦」問題はじめ戦争被害者への謝罪と賠償という戦争責任を果たしておらず、しかも基地や原発といった国策を押し付けてくる現状があり、民主党政権になった今も変わりません。私たちも、各地で闘う人々の姿勢を学び、取り組みを続けていきたいと思いました。 2010年11月3日 |