シリーズ:脅威を煽っているのは誰か!?――日本政府の戦争挑発と在日米軍基地の危険(その2)
北朝鮮を睨む在日米軍基地と危機を高める作戦計画
[紹介]「在日米軍最前線 軍事列島日本」(斉藤光政著 新人物往来者刊)

 東奥日報社の複数の記者によって書かれた本書は、朝鮮民主主義人民共和国(以下、北朝鮮)に関する政府・マスコミの一方的なデマ宣伝を覆す事実資料を提供している。本書に掲載された米軍三沢基地などの情報は貴重で、北朝鮮と対峙する米軍基地の姿を分かり易く伝えている。北朝鮮によって日本が脅威にさらされているのではない。逆である。在日米軍基地の存在そのものによって、また、挑発的な軍事演習や空中偵察、先制攻撃を狙う作戦計画によって、北朝鮮は長年月、脅迫され緊張を強いられているのが実態である。ここでは、「在日米軍最前線 軍事列島日本」を中心に、各種メディアの情報なども参考にしながら、そのことを明らかにしたい。
(この記事は、7月19日の例会で報告されたレジュメを手直ししたものです)

1.在日米軍基地に包囲される北朝鮮
 本書52−53頁には、在日米軍基地及び主力戦闘部隊の概要が示されている。
 在日米軍基地が北朝鮮にとってどれほど脅威かは、北朝鮮から日本列島を見た地図が分かり易く教えてくれる。

120゜回転して分かる、極東における日本の存在感

 在日米軍基地の内、主な攻撃基地は次の通りである。本書では、対北朝鮮攻撃基地としては、三沢が決定的な役割を果たしていると論じている。

(1)沖縄県の嘉手納基地
 沖縄県の嘉手納基地は、アジア最大の米軍基地で、戦闘機F15Cイーグルが制空を担当している。

(2)青森県の三沢基地
 青森県の三沢基地は、地上攻撃能力と各種のアンテナを持っている。三沢基地に配備の戦闘機F16ファイティングファルコンは「野生のイタチ」と呼ばれる特殊任務を専門とし、味方航空機にとって最大の脅威となる敵防空網の制圧と制空権の確保を担当する。イラク戦争でもバグダッド空爆の一番ヤリを務め(本書57頁)、イラクのミサイルサイト狩りをおこなった。「陸軍がバグダッドに侵攻する前に、地対空ミサイルシステムを根絶やしにした。」(本書207頁)
 米軍が紛争地に送り込む常連が、嘉手納のF15と三沢のF16の混成チームで、攻撃と制空を分担する。
 また、三沢は各種のアンテナで情報を収集している。

(3)神奈川県の横須賀基地
 神奈川県の横須賀基地は、空母とイージス艦の母港となっている。

(4)山口県の岩国基地
 本書では言及されていないが、米軍再編によって、山口県の岩国基地が嘉手納基地をしのぐ極東最大規模の戦闘攻撃基地になろうとしている。地理的に見て、岩国は北朝鮮に最も近い在日米軍の攻撃基地である。岩国は対北朝鮮の最前線基地に変貌しようとしている。
 米軍再編の「ロードマップ」が動き始めると、「岩国基地には現在所属する海兵隊の戦闘攻撃機など60機余に新たに59機の米軍機が加えられ、その総数は嘉手納基地をしのぐこととなる。極東最大規模の米軍基地が出現するわけである。」
(「米軍再編と前線基地・日本」木村朗編 凱風社 2007年5月発行 92頁より)

2.主要装備
(1)嘉手納基地(本書56頁)
 嘉手納に君臨する第18航空団には、制空(戦闘)にF15Cイーグルが48機、空中給油にKC135ストラトタンカーが15機、空中警戒官制に「空飛ぶレーダーサイト」AWACSが2機。

(2)三沢基地(本書57頁)
[1]戦闘機F16Cファイティングファルコン約40機の地上攻撃能力は嘉手納が持っていない能力である。
 精密誘導爆弾「GBU−31」と対地巡航ミサイル「AGM−158」の貫通爆弾が配備されている。(本書124頁)
  GBU−31はGPSで誘導される貫通爆弾で、地中深くに掘られた軍事施設を破壊する。
 F16に両兵器を搭載できるよう2005年5月に改修を完了している。
  自衛隊の新型戦闘機F2が三沢に配備されている。(本書130−132頁)
 F2はF16を改良したもの(本書175頁)で、F2は対北朝鮮の切り札と米国は見ている。(本書132頁)
  2007年6月10日、三沢基地のF2はグアムでの日米共同訓練に参加。(本書131頁) F2が三沢に配備されることで三沢の日米攻撃機は80機となる。(本書132頁)

[2]「長い耳」 哨戒、偵察、監視
 対潜哨戒機P3Cオライオンと電子偵察機EP3EエリアスUが5〜6機ずつ配備されている。嘉手納に2機程度常駐するP3Cは三沢から分派されたもの。(本書58頁)
 電子偵察機EP3EエリアスUの実態は謎であるが、相手国の領空ギリギリを飛び、各種の電子通信情報を収集するスパイ機とされる。(本書187頁)

 「ゾウのおり」と形容される円形アンテナと14機の大型パラボラアンテナが設置されている。(本書58頁)
 パラボラアンテナの内4機は秘密通信傍受システム「エシュロン」に使用されていると考えられ、全世界的な軍事スパイ網のかなめとなっている。
 三沢のアンテナ郡は在日米軍の中で最も秘密にされており、米四軍の情報部隊が集結、CIAをしのぐ世界最大の情報組織といわれるNSA(国家安全保障局)に直結している。

 三沢は、Xバンドレーダーの管理運用の後方支援基地となっている。(本書92−93頁)Xバンドレーダーは、弾道ミサイルの終末段階で迎撃するTHAAD(サード)システムの一部として米軍が開発したものである。(本書95頁) それは、自衛隊の最新型警戒官制レーダーFPS−5を補完する。(本書98頁) Xバンドレーダーは、北朝鮮北部の長距離ミサイル発射場と中国が東北部に置くミサイル基地がカバーできる。その設置は、米国領土の防衛を目的としていることは明らかである。(本書115頁)

 三沢基地には、弾道ミサイル情報処理システム「JTAGS」(ジェイタグス)=「統合戦術地上ステーション」が配備。(本書188頁) JTAGSは、ミサイル防衛の「最前線の頭脳」とも例えられ、3基の衛星アンテナと、通信・解析装置を積んだ車両で構成。赤道上の静止軌道にある赤外線望遠鏡装備の早期警戒衛星から、弾道ミサイルの発射データを受信・処理し、ミサイルの着弾予想位置や時刻などを割り出した上で、北米防空司令部や在日米軍司令部(横田基地)、防衛省、迎撃ミサイル部隊などに通報する仕組み。(本書189頁)

(3)横須賀基地(本書58頁)
 第7艦隊の旗艦ブルーリッジ、空母ジョージ・ワシントン、イージス艦8隻など合計10隻以上が母港とする。イージス艦は北朝鮮の弾道ミサイルを迎撃する。(本書114頁)
 空母ジョージワシントンは、2008年9月、横須賀に配備された。FA18戦闘攻撃機やSH60対潜哨戒ヘリなど約80機を搭載。

 空母ジョージワシントンは、「CEC共同交戦能力」=「空母攻撃グループを構成する他の艦、イージス駆逐艦や巡洋艦の戦闘指揮コンピューター、それにE-2早期警戒機やP-3哨戒機をデータ通信で結び、ネットワーク化する」を持つ「最も能力の高い空母」(ウィンター海軍長官)である。
「『原子力空母』超えるG・ワシントンの存在意義」(2008/12/19 Biz Plus)

(4)岩国基地
 岩国基地について、「航空祭NAVI 2009〜航空ショー&イベント情報」ホームページでは、次のように紹介されている。
「佐世保基地を母港とする強襲揚陸艦『エセックス』艦載機の基地として、第1海兵航空団の第12海兵航空群が駐留し、F/A-18やAV-8ハリアー IIをはじめとする戦闘攻撃機のほか、EA-6電子戦機や、MH-60Sなどのヘリコプター部隊が展開・運用されている航空基地。」
 岩国は、米軍再編によって、沖縄・普天間飛行場のKC130空中給油機12機の移駐、空母ジョージワシントンの数十機のFA18戦闘攻撃機が加わる。さらに、FA18に替えて最新鋭の統合攻撃機F35Bの配備が予想されている。

 岩国には、大型艦船の接岸可能岸壁が新設されている。市街地に近い飛行場を海上に移設する口実で水深13mの大岸壁を設置する基地強化策を行った。これにより、強襲揚陸艦で垂直離着陸機AV8Bハリヤーの母艦「エセックス」の接岸も可能となった。
 また、岩国には、統合司令部と格納庫の建設が計画されている。
米軍岩国基地、格納庫3棟新設へ(山口新聞)

3.「第二次朝鮮戦争」前夜(本書126頁)
(1)先制攻撃から首都制圧、占領政策までが構想され、直前に回避された「作戦計画―5027」
 アメリカは、北朝鮮に対し、実際に先制攻撃をかけようとした。「作戦計画―5027」である。1994年6月17日は、金日成主席とカーター元大統領が合意に達し、アメリカの北朝鮮への攻撃が回避された日である。計画によれば、先端を開くのは米のF117ステルス戦闘機で、爆撃目標は北朝鮮北西部のニンピョンにある核施設であった。
 この時期、三沢基地に所属するF16の半数以上が韓国オサン基地に派遣され、連日、対地攻撃訓練を繰り広げていた。開戦とともに敵地奥深くに侵入し、相手の目と頭脳にあたるレーダーサイト、対空ミサイル、さらに司令部をつぶす役目を持つ。本格攻撃を前にした露払いである。(本書127−128頁)

 アメリカが北朝鮮への攻撃を断念した事情を「韓統連」ホームページ、民族時報 第1013号(03.08.01) では、次のように報じている。
 「対北侵攻作戦計画「OP―5027」は94年初めに、韓国政府との協議もなしに策定、実行に移す手はずであった。[1]「北に兆候あり」と判断すれば、米本土、太平洋各地の四軍兵力を朝鮮半島軍事境界線一帯に集結させ、[2]対北先制攻撃をかけて軍事境界線を突破、[3]仁川、元山など東西両海岸からの上陸作戦によって戦力を増強して北進、[4]ピョンヤンなど主要都市を占領して制圧、[5]米軍による一定期間の軍政期間を経て、南主導の南北統合を実現するというシナリオであった。
 だが米国防総省が、この「OP―5027」の発動についてシュミレ―ションを繰り返したところ、朝鮮半島は全面戦争となり、死者は100万人、米軍側にも8万―10万人の死者が出るとの恐るべき結果が出た。そこでクリントン米大統領は「力の対決」―対北侵攻作戦を断念して対話方針へと転換、危機は回避された。クリントン大統領の特使として訪朝中のカーター元大統領が金日成主席と会談して合意をみたのは、米軍の対北侵攻作戦開始一時間前であった。」
 ここでは、北朝鮮に対する先制攻撃から首都制圧、占領政策までが構想されていたのである。

(2)北朝鮮を挑発して疲弊させる「作戦計画5030」
 現在では、対北朝鮮先制攻撃計画は、机上の空論となっているのであろうか? そうではない。アメリカは、対北朝鮮先制攻撃をあきらめたわけではない。現在では、対北朝鮮挑発計画の実行が前面に出ているだけである。北朝鮮挑発計画は、「作戦計画5030」といわれるもので、これらの現状を知らずして、北朝鮮の言動を理解できないであろう。

 「作戦計画5030」は、ブッシュ大統領のイラクでの「大規模戦闘終結宣言」直後、2003年5月後半に国防長官ラムズフェルドが立案を命令したとされる。同年、7月21日には暴露され、同時期の朝鮮新報ホームページは、「平壌各紙、『作戦計画5030』を一斉非難」と次のように報じている。
 「20日付の平壌各紙は署名入りの論評で、米国が作成した「作戦計画5030」は過去のすべての戦争計画を総合し、今回のイラク戦争の「経験」と作戦方式を添加して第2の朝鮮戦争計画をより具体的な戦争シナリオとして完成したものであると暴露」
 「朝鮮中央通信は19日、『実践段階に入った先制打撃戦略』というタイトルの論評を発表し、「作戦計画5030」を作成しながら先制攻撃を試みている米国を非難した。(朝鮮通信)」[朝鮮新報 2003.7.24]
平壌各紙、「作戦計画5030」を一斉非難(朝鮮新報)

 「韓統連」ホームページ、民族時報 第1013号(2003.08.01) には、論説として「恐るべき作戦計画『5030』の全貌  挑発行動を通し武力侵攻へ 対北圧殺包囲の軍事的手法」が掲載されている。「作戦計画5030」を挑発と武力侵攻を組み合わせたものとしてアメリカの危険な動きを非難している。
恐るべき作戦計画「5030」の全貌(韓統連)

 「対北情報調査部ホームページ」は、「作戦計画5030」が北朝鮮を挑発し、北朝鮮の疲弊を狙ったものであることを紹介している。

 「2003年5月後半、国防長官Donald Rumsfeldは、北朝鮮との紛争に対する新しいアプローチ、作戦計画5030を立案するように軍司令官に指示した。OPLAN 5030存在の事実並びにこの計画の詳細は、2003年7月21日付US News and World ReportのBruce B. AusterとKevin Whitelawによる記事において初めて暴露された。 
 計画規定の基準は、戦争と平和間のラインを曖昧にすることを主張している。計画案の下、在韓米軍は、北朝鮮の限定された軍事資源を低下させるために、紛争前演習を実行する。 このことは、同国の指導者、金正日に対する軍事クーデターを引き起こすかも知れないような北の軍に対する緊張をもたらすかも知れない。
 AusterとWhitelawによれば、OPLAN 5030の下で利用される選択肢は、北朝鮮がスクランブルに出た迎撃機を疲れさせ、ジェット燃料を燃え尽きさせる北朝鮮領空近くでのRC-135監視機の飛行を含む。別の策略の下で、米司令官は、北朝鮮軍を掩蔽壕に(又はから)分散させる突然の又は短期予告の軍事演習を行うかも知れない。このことは、北朝鮮の戦争計画を暴露し、食糧、水、及びその他の資材の備蓄を枯渇させ得る。」
作戦計画5030

 挑発作戦はどれほどのものであるか、戦争行動ジャーナリストで早稲田大学アジア研究所客員教授の恵谷治氏は、「5030」挑発作戦の実態を「韓国を守るのではなく北朝鮮を潰す在韓米軍の『作戦計画5030』」で次のように紹介している。

 「金正日が滞在していると推定される特閣付近にF117を飛行させ、その上空で急降下や急上昇を繰り返している。急上昇するときのアフターバーナーによる凄まじい爆発音が突然に響きわたれば、金正日を警護している護衛総局は米軍による空襲と勘違いして、緊急事態の対応に奔走する。」
韓国を守るのではなく北朝鮮を潰す在韓米軍の「作戦計画5030」(惠谷治)

 「アラカン」ホームページは、原油の乏しい北朝鮮が短距離ミサイルの発射実験をしたり、大規模軍事訓練をしたりするのはなぜか? それは、アメリカの挑発にやむなく乗ったものであると、「週刊現代」の記事を紹介している。

 「北朝鮮は10月7日に黄海に向けて2発の短距離ミサイルを発射実験を行った。9月には中朝国境でミグ戦闘機を投入した大規模軍事訓練をした。原油も乏しい北朝鮮がなぜそんな無駄遣いをしたのか? という疑問への答えから始まる4ページ特集。
 黒井氏はこの二つの北朝鮮人民軍の行動を、本当はしたくなかったのだが、米軍におびき出されて仕方なくやった行動、と見ている。この『おびき出し作戦』こそ、極秘オペレーションでコードネームは『作戦計画5030』だ、というのだ。 」( 2008年11月 9日)
米韓連合軍の軍事作戦計画(オプラン)〜黒井文太郎氏の『週刊現代2008年10月25日号』記事から

 アメリカと韓国は、北朝鮮への挑発作戦を夜間も含めて実施している。今年6月末には、「米韓による空中偵察活動、今年既に1100回以上」の報道があった。1日平均6回のすさまじい爆発音による挑発である。日本では遙か上空を音もなく通り過ぎた北朝鮮のたった1発のロケットに大騒ぎしたが、北朝鮮が受けている挑発は、比べものにならない。

 「2009年6月30日、北朝鮮は「今年以来、米国と韓国がスパイ機を派遣して、同国に対し1100回以上にもわたる偵察活動を行っている」と非難したと報じられた。仏・AFP通信の報道を中国新聞社が伝えた。
 北朝鮮最大の国営通信社・朝鮮中央通信社は、今年6月、米韓のスパイ機による同国での活動が数十回にわたったと報じているという。(翻訳・編集/愛玉) 」(2009-07-01 )
米韓による空中偵察活動、今年既に1100回以上(中国ニュース通信社)

4.対北朝鮮緊張を利用する日本軍国主義
(1)軍需産業生き残りのためのミサイル防衛、武器輸出三原則見直しの画策
 本書は、ミサイル防衛に疑問を呈し、財界や軍需産業の生き残りのための衝動として、「武器輸出三原則」の見直しなどが提案される状況を指弾している。
 政府支配層は、北朝鮮との平和的な交渉に地道に取り組むことなく、軍事的挑発で北朝鮮にムリヤリ反応させ、それを口実に右翼連中は緊張をあおって、改憲策動、有事法発動、政権浮揚策などに利用しているのが現状である。
 経団連、軍需産業は、平和ではなく軍事緊張を利用して、自己の利益に結びつけようとしている。軍需産業は、「武器輸出三原則」の骨抜きを狙っている。

 日米で次世代型の迎撃ミサイルの共同開発をしているが、武器輸出三原則を守ると、三菱重工が開発した部品を米国が使えない不都合がある。(本書26頁)
 また、日本が開発の地上配備型の新型レーダーFPS−5は優秀で、北朝鮮がミサイルを打ち上げてから、わずか2〜3分で予想着弾地(目標)が分かると言われるが、これの輸出もできない。(本書26頁)

 ミサイル防衛の有効性には航空自衛隊幹部や米政府系シンクタンク研究者たちから疑問の声が上がっている。それでも巨額の軍事費を垂れ流しているのは、バックに軍需産業がいるからだ。
 「問題はそんなシステムに巨額の軍備費を投入することを主張した人たちがいる、というまぎれもない事実です。」「そう、バックにいるのは米国と日本の軍需産業でしょう」(本書28頁)
 7月4日には「武器輸出三原則」の緩和を経団連が提言した。自民党の防衛政策検討小委員会、政府の「安全保障と防衛力に関する懇談会」はこれを受けるように、集団的自衛権の研究と解釈変更、武器輸出三原則の緩和を求める報告を発表している。
集団的自衛権、解釈変更を=武器輸出三原則は緩和−政府懇談会(時事通信)

(2)危険な「核の傘」論、対北朝鮮先制攻撃論
 最近、米日韓で対北朝鮮の軍事作戦の見直しが始まった。対北朝鮮の挑発を繰り返し、北朝鮮に異変をムリヤリに生じさせ、軍事的に対応しようとするものである。与野党から北朝鮮を狙った「敵基地攻撃能力」の保有発言が公然と出ている。韓国は対北朝鮮の先制攻撃計画を発表した。昨年より日米で検討されている、「有事」での日米作戦の見直しがこの秋にも完了する予定となっている。日本が「有事」に「核の傘」に入るというオプションもこの一環である。
シリーズ:脅威を煽っているのは誰か!?――日本政府の戦争挑発と在日米軍基地の危険(その1)「敵基地攻撃論」を批判する(リブ・イン・ピース☆9+25)
朝鮮有事の日米作戦、両政府が抜本見直しに着手(読売新聞)
核の脅威『敵地で遮断』、韓国が先制攻撃明示(読売新聞)

 このような対北朝鮮強硬論は、程度の差こそあれ、日本の支配層の多数の、そして与野党の共通認識とも言うことができる。8月30日投開票の衆院選によって民主党主導政権が成立する可能性が高まっているが、日本の平和運動は北朝鮮バッシングに対抗し、脅威の根源がどこにあるのかという問題を正面から捉え、強く主張していかなければならない。
※北朝鮮バッシングに抗して(リブ・イン・ピース☆9+25)

2009年8月12日
リブ・イン・ピース☆9+25