朝鮮学校への大阪府の補助金支給停止は許せない!
橋下知事に抗議の声を!
  
 大阪府の橋下知事は3月8日、大阪朝鮮高級学校(大阪府東大阪市)と同校の生徒に対する府独自の補助金計約1億円について、2010年度は支給しないことを明らかにしました。許すことはできません。即刻支給すべきです。
大阪府、朝鮮高級学校への補助見送り 都道府県で初(朝日新聞)

 大阪府は、2010年度から、私立高校の無償化制度を始めました。朝鮮高級学校の生徒についても、一般の私立高校の生徒と同様、所得に応じて授業料が無償化されるはずでした。しかし、橋下知事は昨年3月になって、「拉致問題」などを理由に朝鮮学校への無償化適用を留保すると表明しました。さらに、それまで支給されていた「外国人学校振興補助金」も支給を止めました。橋下知事は、無償化適用や補助金支給の条件として、朝鮮総連と一線を画すこと、朝鮮民主主義人民共和国の金正日総書記らの肖像画を教室から外すこと、などを条件として突きつけました。

 これに対し、学校側は3月8日、府の要求に対する回答書を提出し、全国の朝鮮学校教員らによる編集委員会に教科書の見直しを求める、特定団体の影響を受けない学校運営に取り組む、などを盛り込みました。肖像画については「検討を重ねる」としました。
大阪朝鮮学校、教科書見直しへ努力 肖像画の扱いは保留

 肖像画や教科書をどうするかは、学校関係者が自主的に決めればいいことです。補助金を人質に民族教育に介入する橋下知事のやり方は、許されることではありません。だから本来、学校側はこのような回答を強要されるいわれはありません。しかし、補助金が支給されないと学校運営に大きな支障が予想される中、断腸の思いで提出されたに違いありません。

 ところが、橋下知事は、こうした朝鮮学校の苦渋の決断を前にしてもなお、補助金支給停止を決定しました。肖像画を外すとされていないこと、教科書について「編集委員会に意見を述べる」にとどまっていること、などを理由としています。これでもまだ、介入が足りないというのでしょうか。
 9校ある府内の朝鮮初級学校・中級学校は、教室に肖像画を掲げていないため、これらの分の補助金は支給する方向となっています。しかしこれも、学校側が特定団体の干渉を受けないための基本方針を年度内に策定することを条件としています。これも、民族教育への介入であることには変わりありません。

 無償化されず、補助金も支給されなければ、朝鮮学校はどうなるでしょうか。現在でも大きい生徒と保護者の負担が、ますます大きくなります。無償化された公立高校、私立高校に通う場合と比べて、負担の格差は圧倒的なものとなります。民族教育を受けたくても、経済的な事情でやむなく日本の高校へ進む生徒が増えるでしょう。朝鮮学校に通う生徒はますます減少し、その結果学校の経営はますます苦しくなります。最悪の場合、廃校へと追い込まれる可能性もあります。
 補助金打ち切りとはこういうことです。朝鮮学校を締め上げ、民族教育を破壊することなのです。橋下知事は、それを十分承知の上で、こういう仕打ちをしているに違いありません。民族教育破壊の確信犯です。許すことはできません。

 一方、政府は、朝鮮学校無償化の手続きを停止したままです。大阪府による無償化除外と補助金停止も、もともとは、国の高校無償化制度から朝鮮学校を除外する動きが表面化したことがきっかけです。政府にも、朝鮮学校を即刻無償化するよう要求します。

 無償化実現と補助金支給のために、朝鮮学校と生徒・保護者たちにこれ以上苦汁を飲ませることはできません。朝鮮学校無償化と補助金支給を実現させることは、日本人の責任です。橋下知事に抗議の声を集め、朝鮮学校無償化と補助金支給を実現するよう求めましょう。

抗議・要請先
大阪府
 TEL:06-6910-8001 FAX:06-6910-8005
 「府政への意見」

2011年3月10日
リブ・イン・ピース☆9+25
リブインピースブログより転載)