オスプレイ飛行再開糾弾
今すぐ飛行を中止し米国へ撤収せよ
自衛隊オスプレイも配備を中止せよ

沖縄県民を愚弄する暴挙だ。墜落事後が起こったらどう責任をとるつもりか?!
 米軍は、昨年11月に鹿児島県屋久島沖で発生した米空軍のCV22オスプレイ墜落事故で飛行を停止していたオスプレイの運用再開を一方的に通告してきました。防衛省はこれを是認し、3月14日に米軍普天間飛行場に配備されているオスプレイが飛行を再開しました。この日には延べ13機が、20日までの1週間で延べ47機が離着陸を行いました。普天間上空を通過し、伊江島飛行場や高江のヘリパッドでの離着陸も繰り返しました。
 3月21日には陸上自衛隊が木更津基地でオスプレイの飛行を再開しました。防衛省は13日、県や県内自治体に再開準備が整った機体が14日から順次、飛行すると説明。防衛省は米軍から言われるままに、事故原因を明らかにしないまま、「熟練のパイロットから優先的に飛行し、徐々に経験の浅いパイロットが飛行して練度を回復するなど、段階的に再開していく」と公表しました。「米側から前例のないレベルで極めて詳細な情報提供を受けている」なら、原因を開示して理解を得るべきで、それまで飛行再開など認められません。政府は独自に事故原因と安全対策を厳しく精査すべきです。それができなければ飛行は認められません。今からでも飛行停止と米本国への撤収を米軍に迫るべきです。命を無視した行動は許されません。

事故原因は不明
 オスプレイは米が海兵隊で使用するために開発、製造されました。海兵隊に400機と海軍が27機、空軍が51機保有しています。2007年に実戦配備が始まりましたが、試験段階から合わせて15件の墜落事故で65人が死亡しています。米以外で保有しているのは自衛隊だけです。14機が木更津駐屯地に暫定配備されています。昨年11月29日に、鹿児島県屋久島沖で墜落し米兵8人が死亡。12月6日から飛行停止されていました。米空軍は人為ミスではなく「機材の不具合の可能性がある」として事故原因の徹底的な調査で安全性を確保すると言っていたのです。ところが全くでたらめでした。
 海兵隊には、兵士と物資を輸送する中型機はオスプレイしかありません。飛行停止の期間、中国への威嚇と戦争準備のための軍事演習でオスプレイを使うことができませんでした。焦った米軍は事故原因が未解明のまま、米軍の必要でオスプレイの飛行再開を見切り発車させたのです。
 米軍自身が、事故原因は完全には解明できておらず調査は続行すると表明しています。米議会でも疑念の声が上がっています。3月6日に米議会下院の監視・説明責任委員会のコマー委員長は「米国防総省は安全性について委員会と米国民に回答していない。重大な懸念が残っている」と述べています。こんないい加減なことは許されません。
 3月8日木原防衛大臣は「前例のない極めて詳細な情報の提供があった。」「米軍の原因分析や安全対策は合理的だ」との認識を示しました。あきれるばかりの無責任さです。

オスプレイの構造的欠陥 整備や部品の交換では解決できない
 防衛省の報告では「特定の部品」が事故原因であると特定されているとしていますが、その部品がなんであるかも含めてそれ以上の説明はありません。米軍が非公開を求めているためです。異常検知システムによる予防点検や維持整備の頻度をあげることや部品を早めに交換することが対策だとされます。しかし、異常点検システムはこれまでもあったものです。それが正常に動いていなかったのか?整備頻度を上げれば問題は解決するのか?民間機航空機や自動車であれば絶対に飛行が認められないのに飛行を解禁したのです。2月20日の米NBCは米軍調査官が「不具合があった個所はわかっているが原因は特定されていない」「エンジンとローターをつなぐギアボックスの不具合があった可能性を検証している」と報じています。オスプレイは通常のヘリと比べて重い機体を小さなローター(プロペラ)を高速で回転させて飛行することからギアボックスの大きな負荷がかかり摩耗による金属片が発生する可能性が高いのです。オスプレイの構造上の欠陥です。整備で改善するものではありません。

日本政府・自衛隊、米軍には安全を保障する資格はない
 11月29日に起こった今回の事故を通じて、日本政府と自衛隊、米軍の安全性に関する姿勢には重大な疑念があり、飛行再開後も疑念は強まるばかりです。8人も死者が出た墜落事故なら直ちに同型機の飛行を停止し、原因究明を行うのが普通です。ところが日本政府はこの事故を「不時着水」と事実に反する発表を行い「墜落」と認めたのは12月2日になってからです。もちろん、米軍のオスプレイだけでなく自衛隊のオスプレイも飛行させ続けています。沖縄県をはじめ危険を感じた多くの声をうけてようやく「墜落」と認めましたが、米政府に飛行停止と原因究明を要求せず、米政府から「日本政府からは聞いていない」と言われるほどで、日本は植民地かと思わせる卑屈な対応です。もちろん命を全く軽視しています。米国がオスプレイ全機の飛行停止をしたのは12月6日で、米国内で安全性と機体の欠陥について重大な疑惑の世論が広がったからです。今回その原因も明かにしておらず、米軍、日本政府と自衛隊の安全性と生命軽視の姿勢は全く変わっていないという他ありません。

市民の怒り
 玉城デニー知事は飛行再開を「憤りを禁じ得ない」と強く批判し、松川正則宜野湾市長も「納得できない」と厳しい声を上げたのは当然です。辺野古新基地を造らせないオール沖縄会議は15日、那覇市の県民広場で即刻の緊急抗議集会を開きました。デニー知事も参加し「米軍のやりたい放題を国は止められない」と政府を厳しく批判し「ぜひ日本政府に県民の声を聞け、県民の将来を考えろと堂々と伝えていこう」と訴えました。
 第3次普天間米軍基地から爆音をなくす訴訟団、辺野古新基地を造らせないオール沖縄会議など3団体は3月25日、沖縄防衛局を訪ね、普天間基地所属のオスプレイの配備撤回と事故原因の説明を求める要請書を手渡しました。防衛局前に150人以上が集まり、「何も言わなければ認めてしまうことになる。それを許してはいけない」と抗議集会を開きました。米軍機の部品落下事故があった緑ヶ丘保育園の元保護者らでつくる団体「#コドソラ」も同日、沖縄防衛局を訪ね、米軍普天間飛行場を離着陸するオスプレイの飛行を禁止するよう求めました。要望書では「地域住民として不安しかない」「今後、子どもたちの空は一体どういう状況になるのか。親として不安どころか恐怖さえ感じている」とし、オスプレイの飛行禁止のほか、米軍機の学校上空の飛行禁止、普天間第二小学校内の土壌調査と有機フッ素化合物(PFAS)の汚染特定箇所の土壌入れ替えを求めました。「#コドソラ」は3月30日にも有機フッ素化合物(PFAS)汚染を問題視する「宜野湾ちゅら水会」ともに、宜野湾市役所前でオスプレイが飛行再開に抗議する市民集会を開催しています。

議会の抗議決議相次ぐ
 3月21日沖縄市議会(全会一致)に続き3月26日には宜野湾市(全会一致 退席1)で3月27日には名護市議会(全会一致)、北中城村議会(全会一致)、北谷町議会(賛成多数)でも抗議決議と意見書が採択されました。
3月28日には沖縄県議会で、オスプレイ配備撤回を求める以下の抗議決議・意見書を全会一致で採択しました。

基地の運用を優先し、説明責任を果たさず、県民の命と安全をないがしろにする政府と米軍の姿勢に多くの県民が強い憤りを感じている。
米側は墜落事故について特定の部品の不具合が原因と説明しているが、部品の名称や不具合の詳細は明らかにしておらず飛行再開を認めた政府の姿勢は主権国家としての主体性を著しく欠くものと言わざるを得ない。
県民の生命・財産を守る立場から下記の事項が速やかに実現されるよう強く要請する。
(1)事故が絶えないオスプレイの飛行再開に反対し配備を撤回すること
(2)普天間飛行場の一日も早い返還を実現すること
(3)日米地位協定を抜本的に改定し、政府において米軍機事故等の調査権限を行使できるようにすること

2024年4月14日 リブインピース☆9+25