10月9日政府交渉・10月10日全国連帯交流集会報告

 戦争止めよう!沖縄・西日本ネットワーク(沖西ネット)による10/9 政府交渉&10/10全国連帯交流集会が、全国41団体の結集で開催された。参議院議員会館講堂での政府交渉に140名、星陵会館での全国連帯交流集会に250名が参加した。

10月9日 政府交渉
事前集会と交渉の準備
 政府交渉は、初めに、福島瑞穂社会民主党党首と伊波洋一参議院議員の挨拶があった。沖西ネット共同代表の池田年宏さんと新田秀樹さんが司会進行した。13時から事前集会を開始、冒頭、沖縄での米兵による強盗殺人事件で犠牲となった女性に対して参加者全員で黙祷した。次いで司会から、防衛省などに対し10項目の質問をしているが、ほとんど回答が来ていないため、想定回答による再質問を用意しているとの発言があった。結局、防衛省の回答は交渉の直前となった。
事前に提出した10項目の質問
 事前の質問は、�@27年度防衛費概算要求の撤回など、�A住民説明会の開催要求、�Bジュネーブ条約との整合性について、�C在日米軍に関する要求、�D新拠点、新部隊の計画の中止など、�E長距離ミサイル配備の撤去、�F弾薬庫問題、�G国民保護・避難計画について、�H空港・港湾・道路の「特定利用」について、�I自衛隊員募集等の10項目である。

署名・要請書の提出
 政府交渉では、最初に沖西ネット構成団体から、伊丹空港(大阪国際空港)特定使用利用空港にするな!署名5486筆、静岡県富士駐屯地に長射程ミサイルを配備するな!署名36928筆、日米合同軍事演習「キーン・ソード26」中止を求める要請書などを防衛省担当者に手交した。続いて全国各地で進む自衛隊の軍事拠点化や軍備増強に対し、市民が連携して防衛省、経済産業省、外務省、内閣官房への交渉を行った。各地の住民が抱える不安や疑問を直接政府に問う場として、今回で3回目の交渉であった。

交渉での主張と政府の回答
 対政府交渉冒頭で、沖西ネット高井弘之共同代表から「新たな戦争準備体制を直ちに止めなさい!」と主張した。質問に対する回答で、(自衛隊の戦略は)「無人アセットを駆使して、人的損耗を少なくする」としているが、これまでの防衛省の主張と違ってこと、「(防衛費の)事項要求は金額決まっていない」、「住民説明会の開催については、適切に対応する。防衛省が主体で決定する」、「弾薬庫は、防衛省が主体的に判断する」、「米軍の運用については回答を差し控える」、「ハイマース配備は、配置しただけ」、「弾薬庫建設の建設許可書は、現場近くに出している。市民が見える場所には貼っていない」、「『まるわかり日本の防衛』の制作での意志決定過程は明らかにできない」など。防衛省は事前に用意された回答を繰り返すのみだった。交渉の場において、防衛省などカメラへの顔出しを拒否するなどの対応をとった。政府との交渉において官僚の対応は自信な下げで硬直的で後ろめたさを感じさせるものであり、回答内容も不十分で破綻していた。

交渉の総括と今後の方針
 市民は各地の情報を共有し、全国の連携を深めて戦争を止めるブレーキ役を目指している。裁判や基地建設における嘘や隠蔽への監視と追及を続け、地域課題を全国共通の問題として捉える姿勢を示した。軍事施設の住民生活への影響や軍事研究への懸念も表明された。
 メディア、地方議員、市民運動が連携し、国会や政府への働きかけを強める必要性が議論された。回答は不十分だったが、全国的なネットワーク構築の機会となった。
 今後も各地の情報を集約し、戦争体制を阻止するための具体的な活動を継続していく方針が確認された。

10月10日 全国連帯交流集会
 10日、止めよう!全国の軍事拠点化 全国連帯交流集会が、星陵会館で開催された。オープニングは、沖縄在住のキノコビーツさんによる反戦ラップで、大いに会場が盛り上がった。

開会挨拶と防衛概算要求の報告
 「京都・祝園ミサイル弾薬庫問題を考える住民ネットワーク」共同代表の呉羽真弓さんの開会のあいさつがあった。「大軍拡にNO!アクション2026」から「防衛概算要求をみる」の報告があり、27年度の防衛省の概算要求(8兆8908億円+事項要求)に基づく大軍拡が、憲法が保障する平和的生存権を脅かし、地域を戦争の最前線へと変貌させていることの批判と合わせて、「無人アセットで人的損耗を極限化する」という戦死前提の思想が批判された。

各地の軍事化と反対運動
 引き続き各地から拡大する軍事化とその問題点、運動の報告があった。
与那国島:駐屯地拡張と自治
 与那国島のから「最前線の地から」と題するビデオメッセージによる報告。28ha(従来比3倍)駐屯地拡張と、人口1,300人の島での自治機能の衰退を止め、軍備に頼らない、農業と自治をつくりたい、と訴えた。
宮古島:基地強化と国賠訴訟
 宮古島からは「ミサイル基地いらない宮古島住民連絡会」の清水早子さん。彼女からは「基地強化と自衛隊の暴走」として、下地島空港の軍事利用がねらわれていること、自衛隊に対して裁判で闘っている国賠訴訟の報告があった。
道北:長距離ミサイル配備と弾薬庫
 北海道(道北)の「超長射程ミサイル配備に反対する道北ネットワーク」から「北の拠点の長距離ミサイル配備」の現状として上富良野へのスタンドオフミサイル配備・弾薬庫増設に反対し説明会開催要求署名が2万6,600筆集まったこと等の報告。
 熊本、広島・呉、大阪、静岡、茨木、愛知、鹿児島・馬毛島と各地から報告が続いた。
熊本:軍事強化より災害対策を
 熊本からは「平和を求め軍拡を許さない女たちの会・熊本」の共同代表の海北由希子さんによる「軍事強化よりも災害対策を」では、熊本地震の避難で大変な状態になっていること、全国各地で自然災害が多発しているときに軍拡している場合ではない。熊本に来て熊本の現状を見に来てください、と悲痛な訴えがなされた。
広島・呉:海上輸送群と集積基地
 呉から「ピースリンク広島・呉・岩国」・「日鉄呉跡地問題を考える会」から「海上輸送群と集積基地、再び拠点化する広島」では、旧軍港市転換法を無視した日鉄瀬戸内製鉄所跡地に、東京ドーム30個分の広さの基地建設が狙われていることの報告。
大阪:民間空港・港湾の軍事利用
 大阪から「大阪国際空港の軍事利用を絶対止める会」から「民間施設も軍事化する特定利用港湾・空港」に反対する署名運動等が報告。
静岡・茨城・愛知:ミサイル配備と製造拠点化
 静岡から「富士ミサイルやめて!の会」から「長距離ミサイル配備NO!」「静岡空港の軍事利用NO!」の報告。茨城からは「百里基地反対同盟」の方からの「戦闘機にも長距離ミサイル配備」と米仏独空軍共用化」の現状と反対の闘いの報告。愛知は、「不戦へのネットワーク」から「ミサイルと戦闘機製造拠点化」反対闘争の報告。
鹿児島・馬毛島:基地建設と住民訴訟
 鹿児島・馬毛島からは、「どんたちの馬毛島を返してや」の馬毛島基地反対住民訴訟原告団(塚本弁護士)から「軍事拠点化する毛馬島」では既にNLP(夜間離着陸訓練)基地建設に米軍基地再編交付金からの1兆4,000億円投入されたことと住民訴訟の闘いの報告。

まとめと行動提起
 まとめと行動提起が共同代表の高井弘之さんからなされた。「新たな戦争準備をとめるには、中国脅威論の解体が必要であり急務である。私たちはこの反戦運動をグローバルサウス(以後GS)の国々の人々の闘いと連帯しうる反戦運動にしていかねばならないし、また日本をこの西側侵略諸国から抜けさせて、GSの諸国の人々と共に平和を構築していく、そのような日本に変えていく、近代以降アジアを侵略し続けた日本に生きる私たちの責務であり、歴史的な課題であると思っている。私たちは今から今日ここから新たな戦争をとめるための共同の闘いを始めよう。共に闘うことによって、国家による戦争を私たち市民・民衆の共同の力で必ずとめよう。私たちが生きるこの東アジアの平和を必ず実現しましよう」と結ばれた。
 集会の最後、具志堅隆松さんはパレスチナとの連帯を象徴するクフィーヤをまとって登壇し、約3時間の全国集会を締めくくる挨拶を行った。
具志堅さんは、沖縄の米軍・自衛隊基地が中東等への攻撃拠点となっている現状に危機感を表明した。パレスチナをはじめ世界やアジアの人々と連帯し、「自らが攻撃の被害者になることも、他国の人々を傷つける加害者になることも絶対に拒絶する」と訴えた。
 また、大軍拡が進む中、自衛隊員の命と国民の安全を守る運動について語った。自衛隊員を戦場に送らせず、戦争を起こさせない草の根の取り組みこそが双方の命を救う唯一の道であると強調し、誇りと確信を持って運動を進めようと呼びかけた。
 さらに、前日(10月9日)の対政府交渉において、担当官僚たちがカメラによる顔写真や映像の撮影拒否を条件としてきた姿勢を鋭く追及した。「自らの子どもや家族に対して胸を張って見せることができない、後ろめたい仕事を行っていることの現れだ」と断じ、国民に向き合おうとしない行政の不透明さを厳しく批判した。
 結びに、具志堅さんは全国の市民に、各地で連携し、戦争を止める防波堤となって闘い続けるよう呼びかけ、集会を締めくくった。

集会で共有された決意
 各地の反対運動を孤立させず、全国的なネットワークで連携し、平和的な解決を求める世論を形成することが急務であると確認された。
軍備に頼らない平和な地域づくりを目指し、市民一人ひとりが主権者として声を上げ、戦争準備を止めるための行動を継続する決意が共有された。

2025年10月31日 リブ・イン・ピース☆9+25 KB