見直せ!米軍再編 5.23岩国大集会に約4000人参加
民主党政権のもとで進む米軍再編・艦載機移転の動きに怒り

 5月23日午後2時〜山口県岩国市元町第3街区公園で、“見直せ!米軍再編5.23岩国大集会”が開催された。岩国市内や県内外から約4000人が参加し、 土砂降りの雨の中、大変盛り上がり、鳩山政権に対して「怒」を上げた集会であった。集会には“来るな!艦載機”“いらない!愛宕山米軍住宅”“連帯しよう!沖縄・全国と”のスローガンが掲げられた。 
 まずはじめに、「愛宕山を守る会」「愛宕山を守る市民協議会」の世話人代表の岡村寛さんが、「昨年末の予算要求で、旧政権でさえ取り付けなかった愛宕山宅地買い取り予算199億円が地元議員にも何の説明もなく計上し、決定した」、「政府の顔色をうかがう時代ではなく、堂々と政府に意見を言うべき時だ」、「最近防衛大臣、防衛副大臣が岩国に来て説明し、防衛省も3日間市内7箇所で説明会と称して、岩国の米軍再編は計画どうり進めるので、理解してほしいと同じことを繰り返している」、「私たちはここで負けてたまるものかという意志を示す必要がある」、「沖縄・普天間基地問題処理に迷走する鳩山政権に、沖縄・徳之島の人達と連帯して、空母艦載機移駐をはね返し愛宕山米軍住宅反対の岩国の民意を示し、全国の人達に岩国の現状を発信するために、見直せ 米軍再編岩国大集会の開会を宣言します」と開会宣言をアピールした。大きな拍手で包まれた。

岩国市前市長 井原勝介さんのアピール
 5・23岩国大集会の主催者である実行委員会の代表世話人で前岩国市長の井原勝介さんがアピールした。「鳩山さんか誰かが雨の日のお客さんは大事にしなさいと言っていましたが」「沖縄が大変問題になっている時に岩国が影に隠れている。大変な危機感を持っている」「政権が交代して、米軍再編も少なくても見直しの方向で議論が進むものと期待していた。しかし、旧政権がしたアメとムチのやり方での米軍再編の検証もされず、従来通りので新政権の方針も示されず進められている」「基本的人権が生かされなければならない」「民主主義の原点に帰るべきだ」「我々自らのやり方で政治を変えるべきだ」「これ以上基地はいらないといううねりを起こしていこう」「子ども達からあの当時何十年もかけて大人達が頑張ってくれた。命がけで戦ってくれたから、今平和なんだと言われるように頑張りたい」と力強くアピールした。
 各地からの連帯のアピールで、まず沖縄・普天間爆音訴訟団の宜野座晃さんが「日米地位協定が憲法の上に立っているという現状の元で簡単に解決できるものではない」「沖縄は復帰したが、平和憲法の下には復帰できていない」とアピールした。
 徳之島から「自然と平和を考える会」の幸千恵子さんが「1/27に普天間の移設先の徳之島にというニュースが流れてすぐに、この会を立ち上げ、島中に基地反対の看板を取り付け、横断幕を貼り、鉢巻き、カンパ活動、出来る限りのことをしてきた。3月28日には4200人が集結した」とアピールした。  
 厚木から第4次爆音訴訟団野口事務局長が「厚木の爆音を岩国に持って来て、厚木の市民と同じような苦しみを味合わせたくない。皆さんとともに阻止していきたい」「厚木の爆音はなくらないし、岩国では爆音が拡大することになる」「P3CをP1というジェット機に替えることに反対して厚木でも反対集会を行っている」と発言した。

高校生のアピール
 元国立市長上原公子さんが、「なぜ、我々は平和的に生きる権利がないのか。政府にしっかりせよと訴えていこう」と発言した。
 国会議員の挨拶として、地元民主党平岡秀夫衆院議員が「全国で我々の苦しみを理解してくれる人がどれほどいるのだろうか。北朝鮮や中国の脅威が声高に叫ばれているが北東アジアの緊張緩和の方向で持っていくべきだ。基地負担を少なくするように全国民の皆さんに協力をお願いしたい」と発言した。会場から「公約守れよ」などのヤジが飛ばされ、平岡議員に詰め寄ろうとする参加者もでて、民主党への批判の強さを感じた。続いて、共産党仁比参院議員が挨拶した。社民党の重野幹事長が「5/29から岩国基地の新滑走路が運用される。騒音を緩和するために滑走路を沖合に出すと言いながら、完成する間際になって、厚木の艦載機を移駐させると言うことはだまし討ちだ」「愛宕山跡地は処分に困っているとして、米軍住宅に提供することは岩国基地の恒久化だ」「5/28の共同宣言が出されようとしているが、沖縄県や住民との合意もなしに、米国との合意だけで決して許されない」と発言した。会場から「政権離脱せよ」とのヤジが飛ばされた。
  特筆すべきは岩国市内の高校二年生岡田瑞歩さんのアピールだった。「みなさんは『うそつきは政治家のはじまり』という言葉を耳にしたことがありますか。この言葉は『うそつきは泥棒のはじまり』をもじって作られたものですが、今の日本の政治家や官僚たちにあてはまるのではないでしょうか」。まさに鳩山首相ら政治家・官僚に、自戒を求める言葉で鋭くつくものであった。さらに、「私たちは静かで安全でひとりひとりが大切にされる町で勉強し、暮らしたいのです」と、岩国市民の痛切な思いを訴えた。大きな拍手喝采を受けた。最後に岩国大集会アピールが採択され、黄色の「怒」の文字で、「岩国に艦載機はいらん」「怒」、「見直せ米軍再編」「怒」、「愛宕山に米軍住宅はいらん」「怒」と三回、岩国の怒りを表明した。沖縄、全国と連帯して、岩国でも基地反対の大きなうねりがわき起こっていることを実感した。

2010年6月10日
リブ・イン・ピース☆9+25 KB

[岩国基地フィールドワーク報告]
 5月23日の岩国大集会に参加するため22日 午後9時大阪発の夜行バスで出発し、翌23日岩国駅に早朝5時に着き、土砂降りの雨の中、岩国基地をフィールドワークした。まず、岩国基地新滑走路横のフェンスまで行った。もの凄い広大さには驚いた。2007年12月に来たときには、埋め立てが終わり、整地中だった。今は2440bの新しい滑走路と米軍の専用岸壁が造られていた。5/29には、初飛行式が行われる予定とのことだった。そこから、基地の横の道を通り、畑に出た。そこで70歳代くらいのおじいさんに話を聞くことができた。私が、基地のすぐ横の騒音状態をたずねると、おじいさんは「家の窓ガラスを厚くするなど、防衛省に防音工事をしてもらったが、それでも戦闘機の騒音で窓ガラスが揺れるほどに響きうるさい」「ここも騒音でうるさいが、家の屋根の上を飛ぶことはないが、沖縄では家の上を飛んでいるので、よく我慢できるものだ」と、沖縄の現状に心を痛めているとのことだった。さらに「新滑走路横には港が造られたので、今までは岩国新港から陸路で米軍が荷物を運んでいたが、今度は岩国基地にすぐ荷揚げできるので、何が運び込まれるかわからなくなる」、「愛宕山米軍住宅建設には驚いた。騒音がうるさいから沖合に出すというものが、新たに戦闘機が来るというもので、全くのだまし討ちだ」などを話してもらえた。基地付近の住民が騒音に苦しめられている実態を聞くことが出来た。一方基地のグランドのフェンスには「基地側駐車禁止」の立て札があり、基地の警備だけには神経をとがらせている一面を見ることが出来た。