10.19祝園全国集会に2700人が参加
対中戦争準備を阻止し、暮らしと文化を守ろう

 10月19日、京都府南部のけいはんな記念公園芝生広場で「私たちは二度と戦争をしたくない!平和でこそ文化は香り立つ!祝園全国集会」が開催されました。同公園は、大増設工事に着手されている祝園ミサイル弾薬庫(祝園分屯地)に近接する公園で、京都、奈良、大阪、兵庫の関西周辺地区と米軍・自衛隊基地を抱える全国各地から2700人が結集しました。前日には、全国交流集会も開催されました。
 午前11時から始まった第一部は「Peace Piece フェス」。いろんな人が平和のカケラを持ち寄って、パズルのように平和を作り上げたいという趣旨で、踊りやラップ、ロックやピアノ弾き語りと多彩な音楽ステージがにぎやかに行われました。
 午後1時からは「祝園・全国リレートーク」。前半は各地からのアピール、後半は「関西チーム」からのアピールが行われました。
 前半の各地からのアピールは、今年2月に、日本列島を再び戦争にしないための闘争のつながりである「戦争止めよう沖縄・西日本ネットワーク(沖西ネット)」が結成されており、そこに名を連ねる諸団体からのものでした。保守大国で何とか国の暴走を止めるために闘う(熊本)、対中戦争の最前線にさせてはならない(石垣島)、大分第6師団が南京大虐殺にかかわった、再び対中戦争を許してはならない(大分)、トマホークが持ち込まれたら危険性が桁違いになる(広島・呉・岩国)、神戸方式を守らせてきた闘いを引き継ぐ(神戸)、三菱重工があり、基地反対と軍需産業反対は一体(愛知)、東富士演習場での長射程ミサイル発射訓練など軍事演習の危険が増大している(静岡)、米軍だけでなく自衛隊による被害も問題に(神奈川)など、各地での取り組みの課題とその強化がアピールされました。
 後半の関西チームからのアピールでは、祝園は文化財の宝庫である奈良に隣接し、国立国会図書館などがある学術都市であり、豊かに自然と農業があり、暮らしやすい街だ、そのような地域に住民の声を無視して強行することは許されないとの発言が次々にありました。饗庭野演習場で実弾が基地外に発射された事件があり今回の自衛隊統合演習では使わせなかったこと、Xバンドレーダー基地では米日が勝手に訓練をし、敷地外を銃を持って移動した件、舞鶴のイージス艦にトマホークが装備されようとしていること、祝園のミサイルが住宅地を通って舞鶴の基地に運ばれる危険性、なによりも有事になれば真っ先に攻撃対象になってしまう危険性が指摘されました。祝園現地や周辺からは、スタンディングやのぼりを立てたり粘り強く危険性を訴え、反対運動を広げていること、弾薬庫周辺の地域で弾薬庫反対の署名を粘り強く集めていることが報告されました。また京都と奈良では比較的弾薬庫増設の問題は知られているが、大阪ではほとんどメディアで報道されることがないが、頑張って広げていきたいとの発言もありました。
 最終トークでは、沖縄戦遺骨収集ボランティア「ガマフヤー」の具志堅隆松さんから、「沖縄では戦後処理が終わっていない、遺骨が出てくる、にもかかわらず「台湾有事があおられ、再び戦争に向かおうとしている、ノーモア沖縄戦、今度戦場になるのは沖縄だけではない」と発言がありました。
 緊急の提案として、石破首相と中谷防衛大臣あてに、10月20日から行われる予定の大規模な「自衛隊統合演習」の中止を求める申し入れが確認されました。これは前回よりも21500人多い52300人の自衛隊員が参加し、5900人の米軍も参加する大規模なものです。「レゾリュート・ドラゴン25」はじめきわめて実戦的で、挑発的で、危険な軍事演習が今年に入って連続して行われています。最後に、祝園弾薬庫の増設工事強行に反対し、全国での戦争基地化に反対する「集会宣言」を参加者一同で確認しました。 
 ピースパレードは、約一時間かけて公園のまわりの1.7キロを一周しました。パレードのコールに呼応してクラクションを鳴らす車や、家の窓から手を振るお年寄りなどが少なからずありました。大学や図書館、奈良の歴史遺産、田んぼや畑が、文字通り弾薬庫に隣接しています。のどかな地域が日本のめる戦争準備の最前線に立たされていることを改めて実感するものでした。リブ・イン・ピース☆9+25も、「中国との戦争のための軍事演習反対」「武器よりゴハン」「ミサイルよりコメ」「日中友好」などの横幕、プラカードを掲げて参加しました。 
 全国各地で弾薬庫増設や長射程ミサイル配備、基地強化や共同軍事演習に対して反対運動をしている人々が集まり、近畿では祝園の弾薬庫増設反対運動と手をつなぎそれを支えるたくさんの人々が集まり、互いの現状を報告し、励ましあって闘い続けようという気持ちが全面に出た、元気をもらった集会でした。

2025年10月22日 リブ・イン・ピース☆9+25