8月25日、「京都・祝園(ほうその)ミサイル弾薬庫問題を考える住民ネットワーク」の主催で祝園ミサイル弾薬問題夏の大学習会が開催されました。猛暑の中、精華町や京田辺市の市民をはじめ大阪、奈良などから多くの人々が駆け付けました。5月の学習会の参加者400人を上回る550人が会場になった精華町くすのきホールを埋め尽くしました。会場の壁には、弾薬庫問題の資料とともに12式地対艦ミサイルの実物大の9m横断幕が掲げられました。 小西誠さんの講演-弾薬庫の危険性と弾薬庫建設強行の背景 主催者の挨拶の後、元自衛官で軍事ジャーリスト、「ノーモア沖縄戦命どぅ宝の会」のアドバイザーを務める小西誠さんによる「元自衛官が見る日本の安全保障」と題する学習講演が行われました。小西さんは、情報開示請求で大分敷戸や奄美瀬戸内では開示されている情報も祝園については全く開示されていないこと、1960年に防衛庁と住民の間で交わされた〇〇〇〇という合意を契約的意味合いはないとほごにし他の地域では開催されている住民説明会の開催にも応じない防衛省近畿防衛局の不誠実な対応を批判しました。 小西さんは、戦時になれば弾薬庫が狙われるという危険性に加え、自衛隊教範『火砲弾薬、ロケット及び誘導弾』の火災時には2分以内に1キロ避難することの記述があることを示し弾薬庫の危険性について自衛隊自身がよく理解していることを明らかにしました。火薬取締法の基準によれば保安距離内に住宅などがある場合には弾薬貯蔵量を減少させる必要があること、そして実際に横須賀にあった大矢部弾薬庫は、保安距離が保たれないために廃止されたことなどが報告されました。 沖縄から九州・西日本で凄まじい勢いで進む戦争態勢作りの状況がスライドを使って説明されました。南西諸島-第1列島線への相次ぐミサイル部隊の開設で中国を海上封鎖するという第1段階を完了し、長射程ミサイルの配備で中国本土への攻撃を可能にする第2段階に突き進もうとしている状況にあることが指摘されました。「特定利用空港・港湾」指定による沖縄・九州・西日本の民間空港・港湾の軍民共用化の動きにも警鐘を鳴らしました。2023年11月の自衛隊統合演習で民間空港の大分空港や岡山空港等での自衛隊機の離発着訓練を報道する地方紙の記事を示し、これらの動きは、軍民共用はジュネーブ条約の軍民分離の原則に違反する戦争犯罪行為だと述べられました。 小西さんは、一連の動き背景には、米国が、中国の台頭に対して アジア太平洋での覇権を維持するために仕掛けている軍拡競争にあり、中国との軍事衝突に行きつく。その目的はソ連を崩壊に追い込んだように 最終的には中国共産党瓦解させることにある。そのために米国は中国に対する海洋限定戦争を仕掛けようとしている。米国にとって「台湾有事」は米国が中国に戦争を仕掛けるための一つのカードであり、戦争は南シナ海、東シナ海どこでも起こりうると指摘しました。 小西さんは、今の自衛隊員はもちろん日本の青年に戦争はできないことを示し、最後に日中平和条約に基づいて中国との平和外交を行うべき、日米の戦争態勢の構築に全国で反対の声をあげて連帯して闘うなら、まだ戦争止められると述べました。 全国の闘いと連帯して祝園の運動を広げよう。闘いはこれから この集会は、沖縄と九州やこの祝園での運動を含む全国の運動が結集した「8・11沖縄集会」に呼応するものとして開催されました。集会には「ノーモア沖縄戦命どぅ宝の会」と「大分敷戸ミサイル弾薬問題を考える市民の会」からの連帯のメッセージが寄せられました。全国連帯の運動の陣形は着実に形成されつつあります。 集会は住民説明会の開催すること、そのために署名運動を継続すること、地域で学習会を組織すること、沖縄、大分など全国連の運動と連帯していくことなどが確認されました。 学習会のあと300人が精華町役場の前に集まり、祝園駅前を通るデモ行進(ピースパレード)をお行いました。地元の住民の方から「精華町にも、どこにも人を殺す危険なミサイルはいらない。私たちの行動こそ抑止力になる。 子ともたちの未来のために弾薬庫の建設に反対していきましょう。」とアピールあとデモ行進がスタートしました。デモ行進では「長距離ミサイル危険がいっぱい」「説明会開け」「ミサイルよりスマイル増やせ」などとドラムにあわせてコールを上げられました。地元の精華町で地域の人たちに訴える初めてのデモ行進となりました。学習会とデモ行進は祝園弾薬反対運動をさらに広げるための大きなステップとなりました。 2024年8月31日 リブインピース☆9+25 NOW |
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