鳩山氏は、海兵隊が沖縄に配置されているのは決して「抑止力」のためではないという事を認識しながら、米国軍事筋とつながった元首相補佐官の岡本行夫氏らに辺野古回帰を強く迫られ、苦し紛れの「理屈付け」として「抑止力」を持ち出したことを赤裸々に語ったのである。 ※「抑止力は方便」断念理由後付け 鳩山前首相、普天間で証言(琉球新報) ※“抑止力は方便“鳩山氏に不信再び 県内関係者「地元で声聞いて」(琉球新報) ※鳩山氏「抑止力は方便」本紙インタビュー(沖縄タイムス) ※鳩山前首相一問一答 見通しなく「県外」発言(琉球新報) 鳩山氏は「抑止力」を理由に辺野古新基地建設の「日米共同声明」に合意し辞任した。菅政権はこの「抑止力」を根拠にした「日米共同声明」を盾にして辺野古新基地建設へとごり押しし続けている。その張本人の鳩山氏が「ウソも方便」で「日米共同声明」に合意したと発言したのだから、根拠が崩れ去った「日米共同声明」は破棄して、普天間基地即時返還を求め、辺野古新基地を断念すべきである。名護市に対しての「行政不服審査法」に基づく異議申し立て、やんばる東村高江に対するヘリパット工事の強行など、「抑止力」という虚構に基づいて行われているすべての基地建設のための動きを中止すべきである。 沖縄から批判と日米合意見直しを求める声が沸き起こっている。名護市の稲嶺進市長は「菅政権にとっても抑止力の論拠は破綻した日米合意見直しを米国に求めるべき」(2/15朝日新聞朝刊)とコメントを発表。宜野湾市の安里猛市長は「県内に代替施設は不要だと主張してきたが鳩山氏には馬耳東風だったということで憤りを感じる」(2/15朝日新聞朝刊)と訴えた。運動団体からも「他県が受け入れないから沖縄になすり付けるための大義名分でしかないことがはっきりした」(ヘリ基地反対協議会の安次富浩代表委員)、「官僚の思惑を覆せなかったことを正直に表に出し、『抑止力』が意味をなさないことをはっきりさせた」(カマドゥー小たちの集いの国政美恵さん)等の声があがっている。 ※鳩山氏発言 沖縄に反発広がる(NHK) ※野党、普天間で攻勢=菅首相「逃げ」に終始(時事通信) ※方便発言、首相防戦「本当に問題だ」 衆院予算委(朝日新聞) ※“抑止力は方便“鳩山氏に不信再び 県内関係者「地元で声聞いて」(琉球新報)
都市の中心に位置する基地と広い米軍住宅、ゴルフ場やボウリング場など至れり尽くせりの遊戯施設、第一次裁判権を日本側が事実上放棄する不平等な日米地位協定など、米軍にとっての居心地の良いパラダイスとは、沖縄の犠牲、沖縄の差別の上になり立っている。それを「県民のやさしさ」などということは、沖縄への基地集中の問題を全くわかっていない。沖縄返還交渉の過程で「本土」の米軍基地を沖縄に移設・集中し、自民党政権時代から在日米軍基地の維持に湯水のように予算をつぎ込み、住民をいつ起こるかわからない米兵犯罪の恐怖に曝し、住民に犠牲を強いてきた日本政府の責任を棚上げするものだ。 経済危機と財政危機の中で、米国内では海外展開している米軍の縮小を求める声が高まっている。その中で、日本が財政面も含めて米軍を大きく支えている。さらに、日米軍事一体化や自衛隊の増強によって、米軍への支援と補完をいっそう拡大しようとしている。 鳩山氏の「抑止力は方便」「沖縄はパラダイス」発言は、「国外・県外」といいながらいかに政治公約を軽く扱っていたか、日本の政策が押しつけている沖縄への基地集中をいかに他人ごとのように考えていたかを明瞭に示している。それはメディアの反応にも表れている。2月13日の琉球新報、沖縄タイムスは鳩山氏の「抑止力は方便」発言を一面トップで報じた。しかし「本土」のメディアは、いずれも小さな囲み記事で報道しているに過ぎない。事実上黙殺している。 本土から「日米共同声明」破棄と 普天間基地即時返還、辺野古新基地を断念の声を上げていこう!! 在日米軍支援、日米軍事一体化、自衛隊の増強に反対しよう!! 2011年2月16日 |
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