大阪府警は2月13日、昨年9月23日に日本軍「慰安婦」証言集会を開催した関係者や事務所数カ所への家宅捜査を行うという許し難い暴挙を行いました。集会を妨害しにきた差別・排外主義右翼団体がでっちあげた「被害届」にもとづき「被疑者」宅などへの不当な家宅捜索強行に至ったものです。「被疑者」に対してはさらに任意出頭を要求し、「慰安婦」問題の取り組みの中心となってきた日本軍「慰安婦」問題・関西ネットワーク関係者への事情聴取さえ求めているといいます。 そもそも9月23日の集会は、橋下大阪市長が、旧日本軍が行った戦争犯罪である「慰安婦」問題を否定し被害者を蹂躙する発言を繰り返したことから、被害者が発言撤回と謝罪を求め来日し証言した貴重な集会でした。会場は参加者であふれ、集会は盛会となりました。集会から半年近くも経って「被疑者」とさらには集会主催者である関西ネットに強制捜査を行うことは、日本軍「慰安婦」問題の真の解決を求める運動への意図的な弾圧と考えざるをえません。 差別・排外主義右翼団体は、「慰安婦」被害者の尊厳を踏みにじり、在日韓国・朝鮮人を侮蔑し貶める発言を公共の場で繰り返し、恐怖を与え、暴力をふるっています。侵略戦争を美化し民族差別やマイノリティの排除を公言し扇動することは、「個人の尊重」を根本とした日本国憲法に真っ向から反しています。憲法は一切の差別を禁じ、基本的人権を決して侵すことのできない永久の権利として定めています。厳しく罰せられるべきはヘイトスピーチ(差別扇動発言)を繰り返す彼らのほうです。 「慰安婦」問題の真の解決を求める活動に携わってきた私たちも今回の事件を許すことはできません。警察権力による不当な弾圧・攻撃に強く抗議します。家宅捜索、任意出頭、事情聴取など、一切の妨害・威嚇・弾圧行為をやめるべきです。民主的な諸運動、表現活動への一切の弾圧をやめるべきです。
2013年2月17日 |
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