[参加レポート]「つながるコンサート東京」感動を残して終了
戦争と女性の人権博物館建設に弾み

 2/28(土)、東京の一ツ橋ホールにて、「つながる歌 つながる舞 つながるいのち ―戦争と女性の人権博物館建設のためのチャリティーコンサート東京―」(つながるコンサート東京)が開催されました。このコンサートは、韓国・ソウルに建設予定の「戦争と女性の人権博物館」建設資金のカンパを目的としたチャリティーコンサートで、昨年6月大阪で開催されたコンサートに続くものでした。私は、大阪でのコンサートに続き、今回の東京でのコンサートにも参加しました。

 会場には、900名弱の席を埋め尽くすお客さんが詰めかけました。この会場は、2年前に、李政美さんと新井英一さんとのジョイントで「ナヌムの家支援コンサート」が開かれた会場です。それが、昨年6月の大阪でのコンサートにつながり、今度また東京に戻ってきたのです。コンサートのタイトルそのままに、1つの取り組みが次につながり、さらに広がっているのを実感します。

 出演は、大阪に引き続き3人の在日女性アーティスト、パンソリの安聖民(アン・ソンミン)さん、舞踏の趙寿玉(チョウ・スオク)さん、歌の李政美(イ・ヂョンミ)さん。3人とも、大阪の時に勝るとも劣らない、すばらしい表現を見せてくれました。

 安聖民さんは、大阪の時は初共演だった鼓手の朴根鐘(パク・クンジョン)さんとの呼吸も、一段と合った感じ。大阪よりも字幕が見やすく、パンソリ『水宮歌』のユーモアにお客さんが敏感に反応して笑いが起こり、演じる安聖民さん自身がそれに乗せられるような雰囲気でした。

 趙寿玉さんの舞いは、しなやかでかつ力強く、会場を凛とした空気で包みました。朝鮮半島の歴史と伝統を受け継いでいくという、自らの生き方に対する誇りを感じさせるものでした。

 李政美さんは、大阪より曲数も多く、ゆったりした風で歌っていました。特に、亡くなっていったハルモニたちに捧げて歌った『あなたの墓のそばに』はすばらしく、イントロからバイオリンの音色が胸に染みます。また最後には、この日のために作った、まだタイトルも付いていない新曲が披露されました。

 実行委員長の梁澄子さんは、挨拶で、「『戦争と女性の人権博物館』には、被害者のハルモニたちの、自分たちのことを博物館に収めることによって、二度と同じような被害者が出ないように、本当に平和な世界を実現してほしいという願いがこめられていると語り、観客にさらなる支援と協力を呼びかけました。

 フィナーレでは、『ペンノレ』と『密陽アリラン』が出演者全員で演奏されました。来場されていた日本軍「慰安婦」被害者の李容洙(イ・ヨンス)ハルモニが、出演者3人に花束を贈り、「私はあなたたちのことをを親戚と思っています。カムサハムニダ」と感謝の言葉を述べ、多くの人に感動を残したコンサートは閉幕しました。



  

 会場では、大阪での「つながるコンサート」を収録したDVDが販売され、多くの方が購入していました。昨年8月10日に大阪で開かれた「関西フォーラム」のDVDや、リブインピース作成の「梁澄子さん講演録」も好評でした。コンサートへの参加を通じて、多くの方が、日本軍「慰安婦」問題への関心を深められたことと思います。

 博物館は、3月8日にソウルで着工式が行われました。その場でこのコンサートの成功も報告されました。コンサートのチケットが完売となったことで、博物館建設のためのたくさんのカンパがされるのは確実です。当日、会場でのカンパ箱にも多くの額が寄せられました。コンサートの成功が博物館建設に一層の弾みをつけたことは間違いありません。

2009年3月13日
リブ・イン・ピース☆9+25 A.U.

(写真提供はNさん)