参院に向け、脳死臓器移植法改悪反対のファックス行動を!


 6月18日に脳死臓器移植改悪法案が強行採決され、最も悪いA案が可決されてしまいました。A案は、現行法では臓器移植の際に限って適応されている「脳死」を、一般に「脳死は人の死」などとでっち上げ、しかも15歳未満の子どもにまで適応しようというものです。それは、全脳機能不全という重篤症状に陥った子どもたちに死を宣告し、臓器を刈り取ろうという人権蹂躙甚だしい法律であり、人々の生きる権利と命の尊厳を奪う重大な憲法違反の法律です。
 この間マスコミでも、「脳死」となった子どもたちが、長期にわたって生存し、家族に大きな希望と生きる喜びを与えているという事例が紹介され、「脳死は人の死」とすることに警鐘が鳴らされています。一片の法律だけで、生きている人、生きようとしている人を死に追いやるなど断じて許すことができません。こんな法律が成立したら、懸命に救急医療を行う現場や、生きていてほしいと願う家族にに対して大混乱をもたらすことになるのは間違いありません。
 当初過半数超えが危ぶまれていたにもかかわらず、圧倒的な数でA案が採択されたのは総選挙を見越してのことだと言われています。人権の根幹に関わる問題を選挙の具とすることに絶対に反対です。
 衆院選を間近に控え麻生首相が支持率を低下させ、自民党政権は危機にあります。にもかかわらず次々と反人民・反動法案が通過・成立していく異常事態です。安倍政権も福田政権も衆参議院の逆転で身動きがとれなくなって辞任に追い込まれました。ところが麻生政権はこれら歴代政権以上に深刻な危機にありながら、民主党が総選挙第一で懸案を早く片付けるという方針をとっているため、海賊対処法、15兆円もの無駄遣いの補正予算、定額給付金、ETC限定の高速道路1000円、マンガの殿堂、エコポイント等々メチャクチャな法案が通り、政策が強行されているのです。これらのツケが増税や赤字国債となって人民の肩にのしかかってくるのは避けられません。
 私たちはこの異常な政治状況に対して、反戦平和、人権擁護の声と運動をいっそう強めなければなりません。脳死臓器移植法問題の舞台は参院に移りました。‘脳死と臓器移植を考える会’より、参院に向けた新たなファックス行動が提起されています。参院では24日より審議が開始されると言われています。最後の最後まであきらめずに、脳死臓器移植法改悪阻止のために闘いましょう。

2009年6月22日
リブ・イン・ピース☆9+25


<FAX宛先リスト(自民)>  <FAX宛先リスト(公明)>  <FAX宛先リスト(民主)>  <FAX宛先リスト(その他)>
<PDFファイル>



衆議院でたった8時間の審議でA案を可決した
数の暴挙は許せません。
参議院では、十分審議をつくすよう求めます。

「脳死」は人の死ではない。
A案には絶対反対です。廃案を要求します。

 脳死判定後も意識があるのです。
 脳死状態で生死をさまよっている人の命を奪う権利は誰にもありません。

長期脳死の子どもの生きる権利はどう保障されるのですか。
「脳死」と診断されても頑張って生き続けている子どもが何人も存在しています。
この事実について、どう答えることができるのでしょうか?

 A案により「脳死が一律に人の死」と認められたからといって、臓器移植を希望する人がすべて助かるわけではありません。「臓器移植対象者」間にも差別を生み出します。それだけでなく「脳死」と宣告された子ども達は「臓器提供の対象」とみなされ、今以上に更に生きにくい状況がつくられていきます。今でも肩身の狭い思いをして生きている脳死状態の子どもや家族が、影をひそめて生きていかざるをえない事態に追い込まれます。このことをどのようにお考えですか。

救急医療の現場から混乱の声。「脳死」受け入れを迫るA案に反対です。
 「脳死」が人の死と法律で定められた場合、「脳死」状態だと診断された瞬間、それは即刻死亡宣告になります。密室の医療現場では、家族は、医師からの言葉を絶対的なものとして、受け入れざるを得ない状況に追いやられます。もっと治療してほしいとは言えなくなります。臓器提供以外の他の選択肢は何も選べない状況になります。
 日常的には、救急医療が早々と打ち切られたり、治療が中止されたりする危険があります。私たちは、助けるための治療を止め、人の死を早めることが可能となる法案を認めることはできません。

移植にたよらない治療法の開発を要求します。脳死状態を生み出さない小児救急医療体制の充実こそが医療現場の切実な要求です。
一言コメント



大阪大学附属病院看護師労働組合気付
脳死と臓器移植を考える会