09年2月に発足した「戦争と女性の人権博物館」日本建設委員会代表梁澄子さんの講演録です。「慰安婦」問題にかかわりはじめたきっかけや映画「オレの心は負けてない」制作のいきさつ、「博物館」建設にかける思いなどを語っています。この小冊子が、「慰安婦」問題についての人々の理解と関心を深め、真の解決にむけた一助となることを願います。なお、この小冊子から得られる利益は全て、戦争と女性の人権博物館の建設募金に充てられます。 2009年1月25日発行 TEL 090-5094-9483(事務局 大阪) E-mail info@liveinpeace925.com 郵便振替:00910−5−107564 加入者名:リブインピース カンパ:300円 パンフレット この小冊子は、2008年10月5日、「日本軍『慰安婦』問題解決のための講演集会」で“在日の慰安婦裁判を支える会”梁澄子(ヤン・チンジャ)さんが講演した記録です。 私たちが「慰安婦」問題に取り組むきっかけとなったのも、2007年の秋、ドキュメンタリー映画「オレの心は負けてない」の上映にかかわったことです。在日朝鮮人で元日本軍「慰安婦」宋神道(ソン・シンド)さんの裁判闘争を描いたこの映画を撮影したのが、講演会の講師・梁澄子さんでした。強烈な印象を残した映画のエネルギーが関西でのその後の運動に火をつけ、2008年の宝塚市での決議や、私たちも加わった6月の「つながるコンサート」、8月の「関西フォーラム」などへとつながり発展してきたと私たちは考えています。 講演会で梁澄子さんは、「慰安婦」問題とかかわりはじめたきっかけ、92年ソウルに尹順萬(ユン・スンマン)さんを訪ねた時の、貧困や障害とPTSD被害への衝撃、「全身を鎧で覆っていた」宋神道さんとの出会い、やがて心を開くようになった宋神道さんから「すっかりあか抜けたババアになっちまった」という言葉をもらったときの感動、そしてまさにその日からカメラを回し始めたことなど、映画制作のいきさつを熱く語りました。 また、「戦争と女性の人権博物館」の建設は、自らの闘いを後世に残して欲しい、自分の存在を意味あるものだったと人に知って欲しいという「慰安婦」被害者たちの強い思いが突き動かしており、ようやく2009年3月8日に着工予定というところまでこぎつけたが、まだまだカンパが必要だと呼びかけました。 政府は、1991年の金学順さんの名乗り出からでも実に17年にもわたって放置し、日本軍「慰安婦」被害者たちの尊厳を踏みにじってきました。彼女らは、悲劇を二度と繰り返してはならないという強い思いで、日本政府が歴史的事実を認めること、正しい史実を教えること、公式謝罪すること、そして国家賠償を行うことを求めてきました。被害者は高齢化し、次々と亡くなっています。解決の一歩を、彼女たちが生きているうちに踏み出さねばなりません。 私たちは講演から、梁澄子さんの18年に及ぶ「慰安婦」問題に対する関わりを知り、一人でも多くの方にその思いを伝えたいと、この小冊子を作りました。この小冊子が、「慰安婦」問題についての人々の理解と関心を深め、真の解決にむけた一助となることを願います。 2009年1月25日 目次
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