マドゥ−ロ大統領の当選を支持します
米国・野党の反政府クーデター策動を許すな

(1)過半数の支持で3選されたマドゥーロ大統領
 7月28日に行われたベネズエラの大統領選挙では、マドゥーロ大統領が過半数の51.2%、515万票の得票で3回目の当選を決めました。有権者数は2130万人で、投票率は59%でした。野党のエドムンド・ゴンサレスの得票率は44.2%でした。(29日全国選挙評議会CNE発表)。私たちはマドゥーロ大統領の当選を心から祝います。何年にもわたる米国の経済封鎖と何回ものクーデター、テロ攻撃にも屈せず、経済の回復と国民生活の復興のために闘ってきた現政権に、ベネズエラ国民の強い信頼と支持が寄せられていることを感じます。国民の信託を受けて、マドゥーロ政権が経済回復と国民生活向上、そして国際的にも重要な役割を果たすことに一層奮闘されることを期待します。
 そもそも今回の大統領選挙について、米国は早くから悪質なプロパガンダとクーデター準備をしてきました。劣勢になっている野党にクーデターで政権転覆を起こさせる最後の機会と考えていたのです。選挙前には「世論調査」の結果と称して野党ゴンサレス支持が70%、マドゥーロ支持が20%という宣伝を現地新聞を使って繰り返しました。しかし、この数字は荒唐無稽なもので、かつて野党支持率がこんな高い数字になったことはありません。選挙当日の「出口調査の結果」も出鱈目です。ゴンサレス65%、マドゥーロ31%という数字を世界に公表したのは米国のエジソン・リサーチで、CIAにつながるVOAやフリー・ヨーロッパなど米国の謀略放送メディアを得意先にする怪しげな会社です。逆に現地のヒンターレース社も同様の出口調査を行い、マドゥーロ54.6%、ゴンサレス43.8%という実際の数字に近い結果を得ていますが、西側のメディアはエジソン社の発表だけ選別的に取り上げ、ヒンターレース社の発表は無視しました。人民の支持の程度は、投票日前日にマドゥーロ派には100万人が集まって決起集会を行ったのに対して、野党には10万人しか集まっていないことでも明らかです。選挙結果は開票率8割の段階でも、最終結果でもマドゥーロ大統領の勝利は明らかでした。

(2)米国による反政府クーデター策動を許すな
 しかし敗北が明らかになるや、野党は投票日翌日には「不正選挙」と叫びだし、国内各地で暴動を開始しました。米国は高齢のゴンサレスを飾りに、マリア・コリア・マチャドを責任者にして選挙で政府転覆を追求しましたが、失敗するやいなや今度はクーデターによる転覆に方針転換しました。29日には国内多数で放火や襲撃が行われ、数カ所で市庁舎や与党の事務所を焼き討ちし、5カ所でチャベスの銅像を引き倒し、車を燃やしたりしました。1000人近くが拘束されましたが、逮捕されたものは野党から金をもらってやったと白状しています。彼らが暴力行為に打って出たことで16人の死者と多数の負傷者が出ました。選挙の不正を主張するデマ情報が大規模に流されていますが、これらは事前に周到に準備されたものです。ゴンサレスの優勢をしめす集計所の画像や偽の集計結果(ゴンサレス73%獲得など)など、あるいは過去の暴動の画像がまるで今回であるかのように流されました。X(旧ツィッター)のイーロン・マスクはマドゥーロ政権打倒を公言し自ら投稿するだけでなく、大量にデマをばらまくロボットサイトを提供しました。さらに何者かが(そんなことをするのは米国だけですが)CNEのコンピュータと伝送システムをハッキングし、WEBサイトを機能麻痺させました。投票結果の公表を遅らせ、政権が不正を働いていると非難の宣伝をしました。
 もちろん、これらを準備し、裏から指図しているのは米国政府です。ブリンケン国務長官は何も根拠がないのに「選挙結果は国民の意思を反映していない」と断定し、マドゥーロ当選を認めることを拒否しました。親米派だけの米州機構OASも追随しています。ラテンアメリカのいくつかの右翼政権の国も同調して、当選を認めず、不正選挙だ、選挙の全データ公表せよと要求しました。ペルー政府に至ってはゴンサレスの当選を認定しました。内政干渉そのものです。5年前のグアイド暫定大統領の暴力的クーデターの二番煎じのシナリオが追求されています。
 米国に操られた野党勢力は30日に国連施設前で集会をひらき、状況を見て市街地での暴動やクーデターを起こすつもりでした。数千人が集まったその集会では、勝ったのはゴンサレスだと叫び、軍に政府に対して立ち上がれと呼びかけました。しかし、クーデターの試みは政権側の防衛策で事前につぶれました。政府の呼びかけに応じて大統領官邸周辺には数え切れないほどの人々が結集して政府を防衛しました。軍と警察は暴力と暴動の発生に眼を光らせました。野党がクーデターを起こせる余地などなかったのです。5年前の極右野党の時と異なり、国民は政権への信頼を強めているばかりか、再び内戦に持ち込もうとすることを拒否しています。

(3)反マドゥーロ宣伝・プロパガンダを徹底批判する
 日本では大統領選挙の報道は極めて偏ったものになっています。メディアは初めからマドゥーロ政権を「暴力的独裁者」とか「麻薬取引の犯罪者」などと一方的に決めつけ、選挙結果についても野党の不正選挙という言い分を公式の選挙機関であるCNEの発表と並べて扱い、選挙の公正さに疑問があるかのように報じています。しかし、各国の代表で組織された選挙監視団は選挙が全く正常に平穏に行われたと報告しています。
 5年前に選挙での敗北を認めずに大規模なクーデターを起こし、全土で暴力や殺人を繰り広げたのは米国に操られた強硬派野党です。この暴力行為を押さえ込み、治安を回復して国民に安心感を与え、さらに粘り強く野党諸党を説得して正常な議会選挙に連れ戻し、今回も平穏に大統領選挙を行い国民の意思を聞いたのはマドゥーロ政権の功績です。メディはどこに暴力的独裁があったのか、誰が暴力を振るったのか自ら検証する義務があります。
 米国は、数年間にわたって経済封鎖を行い、食料輸入や石油輸出を止めたばかりか、ベネズエラが貿易する事そのものを禁止することで、ベネズエラの人民を極度の飢えと物資不足に追い込みました。4万人の市民がそのために死にました(J・サックス氏らの評価)。メディアはこの非人道的な封鎖の責任を全てマドゥーロ政権の失策のせいだと報道しましたが、封鎖の下でなんとか人民に食料を配り、食料生産を拡大して命と生活を守ってきたのは現政権です。人々を殺してきたのは米国政府です。米国や主要メディアの宣伝を何の検証もせずにオウム返しに繰り返す恥ずべき姿勢を日本の主要メディアは反省すべきです。

(4)米国は干渉・介入をやめろ。人々を苦しませる制裁を解除せよ
 マドゥーロ大統領はクーデターの無謀な試みに反対すると共に、国民に対して結束するよう呼びかけています。米国のクーデターの干渉をはね返し、安定した国作りに進むことが必要です。米国は諦めず、今回の選挙を不当と認定し更に制裁を強めるだけでなく、今後もクーデターをしかけるでしょう。今回は一旦引き下がりましたが、まだまだ警戒を解くことはできません。現に5年前には選挙直後だけでなく、半年以上たった1月の大統領就任式でグアイドが突然暫定大統領を自称し、議会がそれを支持して暴動に持ち込み、数か月にわたって武装クーデターやテロが繰り返されたのです。
 しかし、ベネズエラの人々は卑劣な策動を許さず、毅然とした態度で立ち向かい、政府を先頭に一丸となって経済再建と生活改善に進むでしょう。もっとも重要なことは米国政府をはじめとする西側諸国による経済封鎖を止めさせ、自由に貿易ができるようにすることです。ブリンケン国も長官は「不正選挙」を理由に制裁をさらにレベルアップし、国民を苦しめて、政権転覆の機会を狙うでしょう。私たちは米政府に対して、これに同調する日本政府に対して直ちに経済封鎖を解き、貿易を可能にし、経済主権を保障するよう要求します。

2024年8月1日
リブ・イン・ピース☆9+25