ベネズエラに大規模停電攻撃 ベネズエラがほぼ全土で停電を余儀なくされています。ベネズエラ政府は3月7日午後4時50分頃にシモン・ボリバル水力発電所がサイバー攻撃を受け、自動コントロールシステムが打撃を受けたと発表しました。これについてはteleSURの記事What's Behind US-Backed Electricity Blackout in Venezuelaを邦訳して紹介しているhttp://latinpeople.jugem.jp/?eid=980を参照下さい。 ベネズエラ政府は、システムが引き続き攻撃を受けており、このような攻撃ができるのはアメリカだけだ、アメリカがマドゥーロ政権の不安定化のために攻撃を仕掛けていると非難しました。「暫定大統領」を自称するグアイド氏は、マドゥーロ政権を、「彼らが作り出した電力問題を解決する能力がない」と批判し、「街頭に出続けることが唯一の選択肢だ」と9日(現地)の集会への結集を呼びかけています。 これは政権転覆工作の第2弾ではないのか 私たちは、今回の大停電が2月23日の「人道支援物資」運び込みの大騒ぎに続く、アメリカによるベネズエラ政府転覆工作の第2弾であると考えています。その理由は、グアイドとそれを指導するアメリカが3月9日の集会に焦点をあてて、そのためにさまざまな政権への揺さ振りと市民に不安を抱かせるような行動を組織しており、大停電もその一環であると考えられるからです。 まず、3月4日に帰国したグアイドは、直ちに政府転覆への動きを始めました。5日には公務員組合との会談で、マドゥロ政権を退陣のためのストライキへの協力を呼びかけました。しかし、マドゥーロ政権を支持する公務員労組をはじめ大規模なストライキが行われた兆候はありません。工作は失敗だったのでしょう。そして続いて起こったのがこの大規模停電です。私たちは、「人道支援物資」騒ぎで流血騒ぎに持ち込むことに失敗し、その後リマグループの会議でコロンビアやブラジルにまで米軍の介入を拒否され、成果なく帰国せざる得なかったグアイド支援のために、アメリカがベネズエラの発電システムにサイバー攻撃をかけて社会不安を煽ったのではないかと考えます。この状況を背景にカラカスで大規模反政府集会に持ち込もうとしたのでしょう。 ![]() グアイド側は「政府の自作自演」と宣伝しているようですが、政府のあらゆる部署、社会の大きな部分がこの大停電の復旧のために全勢力を投入しています。学校なども休みにせざるを得ないほどなのです。停電による人々の被害を最小限に抑え、人命を助けるために奔走しているのです。テレスールのライブ放送ができなくなり、さまざまな機能も打撃を受けています。政府側が「自作自演」する理由など全くありません。逆に、政府側の機能麻痺を作り出して、隙を突いて大規模な暴動を仕掛けるためではないかと疑ってしまいます。 アメリカ側は最初から知っていた? アメリカの関与のもう一つの根拠は、マルコ・ルビオ米上院議員が大規模停電のわずか3分後にそれを知り、ツィッターで発信したというものです。ポンペオ国務長官も同じように直後に知っていたようです。ベネズエラ国内でも何が起こっているか分かっていないときに、なぜ彼らは知っていたのでしょうか。(下に「ベネズエラは発電妨害への米国の参加を非難する」というテレスールの記事を紹介します)。驚いたことに、ルビオ議員は、6日の上院外交委員会聴聞会で、ベネズエラのマドゥーロ大統領を「明らかな危険」と「米国の国家安全保障への脅威」として非難し、マドゥーロ政府を打倒するために「広範囲にわたる騒擾」を促進するように米国に要求しています。公的な発言で他国の政権打倒を目指すと公言しているわけです。こうした状況の下で、アメリカがベネズエラ政府を孤立、動揺させるために何度も繰り返し干渉と挑発を行ってくる可能性が高いのです。 9日に開かれたグアイド派の集会は数千人規模に止まり、大規模な暴動や破壊工作という行動に出るだけの力がなかったようです。かわりに、グアイドは全国を回って反マドゥーロの煽動活動を行い、反政府勢力の首都への総結集を呼びかけることを明らかにしました。グアイドは相変わらず米の軍事介入を要請し続けています。しかし、コロンビア、ブラジルに米軍介入を拒否され、国内の権力組織にも全く足場がないことが明らかになって、外からベネズエラへの経済封鎖を強化して貰い、それが作り出す不安を煽ってマドゥーロ政権打倒の条件を作りたいと思っているのでしょう。 復旧のため全力で闘うベネズエラの人々 ![]() ベネズエラは発電妨害への米国の参加を非難する 彼らは国中にエネルギーを供給するグリ・システム(シモン・ボリバル水力発電所)の自動制御を攻撃した、とロドリゲスは述べた。この停電情報は、攻撃が実行された直後に、マルコ・ルビオ上院議員によってツィッターで公表されました。 「マルコ・ルビオは、バックアップ用の発電機が働かなかったことをどのように知ったのでしょうか?その時、誰もそれを知りませんでした。」とボリバル政府高官であるロドリゲスは疑問を提起した。 また、ロドリゲスは、ベネズエラの病院でその日停電のせいでは誰も死ななかったと話した。ニコラス・マドゥーロ大統領がそのような攻撃を防ぐために自家発電機の準備を命じたからである。 ![]() ロドリゲスは、国営企業コーポエレックの従業員達の働きのおかげで国内の電気システムは徐々に修復され続けていると伝えた。同様に、彼は「ベネズエラの人々が200年間に受けた中で最も残忍な攻撃」の前で人々が礼儀ただしく落ち着いており、市民の権利が維持されていることに感謝した 「ベネズエラ社会では、発電妨害の影響を冷静に想定し、コーポエレック(国営電力会社)の従業員は疲れを知らずに働いているが、一方でドナルド・トランプの側近達はベネズエラの人々の苦悩を倒錯的に楽しんで祝っていた」とホルヘ・アレーザはツィッターで呟いた。 「数週間前、マドゥーロ政権はイグアナが電力網の大規模停電を引き起こしたと非難した。そして今、今夜ベネズエラでこれまでにない全国規模の停電を引き起こした最初のビデオを受け取った」とルビオは皮肉に言った。ベネズエラ人に影響を及ぼした出来事について、アメリカの当局者であるルビオは、口から火を噴くゴジラのイメージを彼のツィッターにつけた。 木曜日(8日)の夜、ベネズエラの情報通信・観光文化担当副大統領、ホルヘ・ロドリゲスは、この妨害行為の意図は、ベネズエラの人々を数日間にわたって停電状態におき、多くの重要な部門を攻撃し停電状態におくことにあると確認した。 先週の水曜日、フロリダ州選出の上院議員(ルビオのこと)はベネズエラは「数日以内に食料と燃料の最も深刻な不足」になると述べた。 また、ロドリゲスは、電力妨害が発生してから3分以内にルビオがツィッターを投稿し、そこに状況を公表したことに疑問を呈した。 ポンペオに関して言えば、彼は金曜日に、「(ベネズエラでの)エネルギーの不足と飢餓はマドゥロ政権の無能力の結果だ」と述べた。 金曜日のツイッターでポンペオは、「食料はなく、医薬品もなく、エネルギーもない」と呟き、ベネズエラの指導者は打倒されるだろうと付け加えた。 ボリバル(ベネズエラ)政府は、ベネズエラの憲法上の大統領であるニコラス・マドゥーロ大統領に対する米国のクーデタープランを繰り返し非難してきた。 2019年3月10日 |
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