米帝と寡頭支配層によるボリビアでのクーデタ糾弾

 我々は、ボリビアでのクーデタを満身の怒りをもって糾弾する。

 11月11日モラレス大統領は辞任を表明し、メキシコへの亡命を余儀なくされた。深刻な生命の危険にさらされたからだ。副大統領と国会議長も辞任し国家機能は喪失状態にある。

 米帝国主義に後押しされた軍と警察、寡頭支配層、極右野党は、10月20日の大統領選直後から「不正選挙」をねつ造して選挙の無効を宣伝し争乱状態を作り出した。二週間にわたって政府の建物への放火、政府指導者への暴力的攻撃、ジャーナリストへの脅迫、住宅や商店、街頭で破壊・暴力行為を繰り返した。多数の死者と負傷者が出た。最後に軍と警察が大統領に完全に反旗をひるがえし、違法な辞任要求を突きつけた。文字通り軍と警察によるクーデタだ。大統領に対する逮捕状を出し投獄か殺害かの瀬戸際まで行ったと伝えられる。大統領の自宅は何者かに襲撃され、家族の生命が危険にさらされるまでに至った。

 モラレス大統領は大統領選挙で46%の得票で相手候補に10 ポイントの差を付けて圧勝し、4期目の任期に着こうとしていた。同国で初めての先住民族出身のモラレス大統領は2006年に就任して以降、水などの資源主権や先住民の権利確立、国による教育義務等定めた新憲法を制定し、労働者・農民の利益を擁護し経済格差・貧富の差の縮小等をめざす「変革プロセス」をすすめてきた。人民の高い支持は選挙での得票率にも表れている。

 今回のクーデタの真の下手人は米政府である。ボリビアは、キューバ、ベネズエラとともに、ラテンアメリカでの米帝主義の介入を排除し、主権と独立を守る闘いの重要な一翼を担ってきた。米にとっては邪魔でしょうがなかった。トランプ政権は、年初以来のベネズエラ・ボリーバル共和国でのグアイドを使ったクーデタに失敗したことから照準をボリビアにかえ、反動的OAS(米州機構)をも巻き込む形でボリビアのクーデタへと進んだのだ。

 主権国家に介入し、暴力的に転覆させるなど絶対に許されない。キューバやベネズエラ、ニカラグア、メキシコなどの各政府、アルゼンチンの次期大統領もこのクーデタを厳しく非難している。ラテンアメリカ諸国では「10月の嵐」と言われる反米の人民闘争が高揚している。モラレス氏は「我々は力とエネルギーを強めて帰国する」表明した。米帝の目論見はかならず破綻するだろう。

2019年11月12日
リブ・イン・ピース☆9+25