二度目の来日を果たしたアレイダ・ゲバラさんの来日記者会見が18日、東京都内の日本記者クラブで行われた。参加者は記者クラブのメンバーを中心として約80名。 アレイダさんの話は1)キューバの現状 2)世界各国との連帯3)キューバとラテンアメリカ諸国の関係 が主なテーマであった。 アメリカによる経済封鎖については「アメリカがキューバと交易しないというのは仕方ないにしても、キューバと貿易をしようとする国、企業があれば、すぐに圧力をかけてそれを止めさせようとする。これはなんとしても許容するわけにはいかない」と、静かな口調ではあっても、力強く訴えていた。 キューバの社会主義については「キューバの社会主義はまだまだ不完全なものと言えるかもしれない。しかし、キューバ国民は皆、社会主義を尊厳を持って守ってきているし、守り続けるだろう」と語った。 また、ラテンアメリカ諸国との関係については「ラテンアメリカ諸国には新しい波が起きていて、キューバを力づけてくれている。ヴェネズエラ、ニカラグア、エクアドル、ボリビアなどとはいくつかのプロジェクトを進展させている。 中でも識字運動には力を入れている。人間が自由に生きようとするには、自らの意志で自らの道を求めることが出来るようになるには、知性が必要。本が読めることが必要なのです」と語ってくれた。 Cuban Five については、「アメリカのしかるべき法に則って裁くのでなければならない。アメリカは法を曲げてまで五人を裁いているのです」とアメリカの不当な裁判を強く批判していた。 質疑応答の中では父であるチェ・ゲバラについても語った。 59年にチェが来日した時、自分の意志で広島に行った。すぐに妻に送った絵葉書には、「世界中のすべての平和活動家が訪れなければならない都市。それは広島だ」と書かれていたという。 カストロの健康状態についての質問に対しては、「つい数日前、ゲバラ・センターにカストロが来ました。私は不在で会えなかったのですが、家族が会っています。元気だったと言っていました。 体調を崩して一線から退いてからは、キューバ国民、特に若い人たちのカストロへの敬愛の気持ちに変化があったのではと懸念もしていたが、先日革命防衛委員会で若い人たちに講演をした時の若者とカストロのやり取りを見て、カストロは依然としてキューバ国民に敬愛されている、ということを感じることが出来た」と答えていた。 優しい、静かな語り口でありながら、説得力のある、内容の充実した講演であった。聴きながら、感動の気持ちを抑えることができなかった。 (S) 2009年10月18日 |