9月20日、大阪市の東淀川人権文化センターで「イラク・アフガニスタン帰還兵の証言集会『冬の兵士』in大阪」が行われた。午前中のプレ企画、映画「冬の兵士」上映には約60名の参加者があった。午後の証言集会には150名を超す市民が参加し、会場は満員となった。 証言集会では主催者のあいさつにつづいて、今回の日本ツアーを企画した「冬の兵士」制作委員会の田保寿一氏が、日本で民主党政権が誕生した時期にイラク・アフガン戦争の誤りを証言する集会が行われる意義を強調し、大阪集会が東京集会と車の両輪になっているとして主催者への感謝を述べた。 アダム・コケシュ氏(27歳)は、反戦イラク帰還兵としての思いや、2004年4月のファルージャ包囲戦の模様を語った。ユーフラテス川のブルックリン橋で、14歳以上の「戦闘年齢」に達した男性を全員包囲された街へ追い返すという作戦では、実際に街から出たのはわずかな老齢の女性たちだけだったことを明らかにした。彼は米の戦争を「帝国主義戦争」と批判し、日本国民が憲法9条を維持してきたことを高く評価し、日本政府がオバマの誤った侵略戦争に協力しないよう強く訴えた。 リック・レイズ氏(29歳)は、2001年10月からアフガニスタンに派遣され、連日市民の住宅への夜間急襲・家宅捜索を行った経験を生々しく語った。また彼は民間人として今年アフガニスタンを訪れた経験から、アフガニスタンをめちゃめちゃにしているのはタリバンや「テロリスト」ではなく、アフガン政府と米軍であるとの確信を持ったことを訴えた。 証言後の質疑応答ではさまざまな質問が次々と出され、2人はそれらに丁寧に答えた。強い印象を受けたのは、2人の政治的意識の高さと鋭さである。彼らはオバマ政権を、プロパガンダとメディアを駆使して自らをいい政権であるというイメージを作り出している、歴代で最も危険な政権であると警告した。最後に2人立ち上がり、戦争をやめさせ平和を作り出す活動を続けていくことを力強く呼びかけた。 2009年9月20日 |