19：15〜21：00までの証言集会だった。それまでにライブと「冬の兵士・良心の告発 序章」の上映、そして書籍の宣伝が行なわれた。短い時間ではあったものの、内容は濃く良かったと思った。 最後の田保さんの挨拶は「今日は本当にありがとうございました！！京都は私にとって、とても大事な所です！そして大敗しました！私は朝日に勤めていました。2003年イラク戦争が起こり報道しない朝日を辞めて取材に行きました。そしてアダムと出会いました。冬の兵士の証言集会を撮りました。ＮＨＫに持って行っても朝日に持って行っても報道しない。だから直接連れてきました！そしてＮＨＫは彼らを取材し報道しました！そして民主の外交理事4人が直接彼らの話を聞きました！民主党の政策に活かしたいと言ってくれました。私はそれを期待しています！」でした。 アダムの証言 前回同様17歳で入隊などの話があった。そして「戦争では占領だという認識が必要だ」「実際自分で現地に行ってみてアメリカ政府が言ったことは真実ではないとわかった」 そしてファルージャを語る。「ファルージャでは孤立した100人に食料を届ける大事な任務だと思っていたが、残り25万人のファルージャ市民には何もできなかった」「ファルージャでは6月まで身を守るため市民に武器を与えた。その武器が武装勢力になるきっかけとなる」 後に疑問となったと思われる部分と分析を語る。 「2004年6月28日、暫定占領当局（CPA）のブレマーがイラクの統治権をイラクに移譲すると決定した。しかし6月の状態をみると軍を投入する必要があるファルージャだった。8月はイラク人からなる部隊を終わりにした。この8月にしたことは、前に提供した武器を返さない人は政府関係の仕事に就けなくした。統治権を移譲したというが、給料は米軍が払っていた。 そして2004年11月にはブッシュの再選という重大なことが起こった。6月にその問題を解決できていれば海兵隊の死は20人にとどまっていただろう。しかし大統領選をひかえていたので、ファルージャ攻撃が延期された。アメリカ人に何が起こっているのか、知られておらず意味もわからない。8つの大きな部隊がファルージャを取り囲んでいたのをファルージャ市民は知っていた。もっと早く攻撃していればそれほどにはならなかっただろうが。100人以上の海兵隊が死に、それ以上のイラク市民が死んだ。」 そして、考えた事を話す。 「アメリカも日本も法がある。法のもと穏やかな生活ができることになっている。そのような普通の法こそがイラクに必要なもの。しかしアメリカによる占領は戒厳令をもたらした。戒厳令のもとでは、アメリカの司令官の気のままに法が変更されるということ。その一方でなぜ占領を続けているか？現在のアメリカの対外政策は帝国主義。形態は違うかもしれないが、第二次世界大戦での日本の帝国主義と同じ考え方だ。違うのはより暴力とより搾取を押しつけより危険で効率的でよりプロパカンダを使う点だ。アメリカの政府・米軍がいる限りそれがすることはイラク人を抑圧し搾取をいつまでも継続できるということ。イラク人のためにいいことをしていると思う兵士はみせかけをよくするために役立つに過ぎない。よくみせようとしているだけでは結果は惨めになる。2つの占領は犯罪だ。日本の政府も国民もこの犯罪に従う必要はなく、抵抗する義務だけがある。9条を素晴らしく思っている。見事、精神が尊い。しかし残念なことに日本政府がしている政策は9条に違反していると思う。この日本ツアーの短い期間にイラク・アフガンの人を助けたいと思う日本人に多く会った。そのような支援の取り組みがアメリカ政府軍・ＮＡＴＯ・イラク政府・アフガン政府の支援にならないような支援をよろしくお願いします。私は日本に来て元日本兵に会う機会を得ました。前の戦争体験を忘れぬよう取り組んでいました。彼らの取り組みは私たちの取り組みと同じだと思う。彼らと私たち帰還兵、そして話を聞こうとしてくれる人がいる。必ず紛争を終わらせ解決できると思います。」 リックの証言 「私はいつも自分の国や自由と正義を守るために闘いたかった。国を愛する者の夢が実現すると思っていた。」そして9.11の時、翌朝船に乗っていた話をする。 2001年10月7日、爆撃が始まった。アフガニスタンの31の主要都市に5000人以上の罪のない人の命が奪われた。が、当時は付随的なものと信じていた。そしてアメリカの3000人の命を奪う犯人を捕まえようと思った。 10.11にはアフガニスタンに侵入していた。私たちはタリバンをトラボラの山岳地帯まで追い込んだ。しかし、アメリカは軍を引き上げ、作戦を全てパキスタンの手に委ねた。そしてアメリカは力を全てイラクへ注いだ。私がイラクとアフガンで目撃し体験したのはかつての私の夢を粉々に砕いた。私はそれでもまだ愛国者精神を失っていない。だから異議申し立ての声を上げるのが難しかった。私は海兵隊歩兵のライフル隊だった。 2001年にアフガニスタン。2003年にイラクにいた。発見したことは、アメリカの外交政策が無力でアメリカのためにも、アメリカの安全保障にもならなかったこと。欲望を持つ一部の人の利権にすぎないことだった。 私たちに与えられた任務はアルカイーダ・タリバンと疑われる人をみつけるというもの。アメリカのやり方では市民と「テロリスト」の区別が不可能だとわかった。夜間パトロール（急性の自宅襲撃）はアメリカが雇う通訳を通じて行なった。その通訳の関心事はお金を稼ぐことだけだった。家宅捜査するたびにこれではだめだと思うようになった。家宅捜査は窓を割りドアを蹴破り、テーブルやいすを破壊し住民を傷つけ、時には殺すやり方。家宅捜査は全て良心にもとる暴力で被害が残る。イスラム教徒は全て敵だというのにとりつかれていた。テロや罪人は1人も捕まえていない。犯人が見つからず間違いだとわかったら補償やお金を渡すことをしてきた。 これらからアメリカの政策が無力であることを確認してきた。私の服務が終わって4年経つ。同じやり方でＰＲＴ（地域復興支援チーム）がなされている。つまり情報を金で買い、壊し、後で補償するやり方だ。2週間前アフガニスタンへ行きアメリカの無力な政策を再確認した。そこで見たものは、首都カブールでの難民キャンプで爆撃を逃れてきた家族だった。爆撃で家族5人を失った男性に会う。その7歳の娘は片腕を爆撃で無くしていた。男性は法的に有効な書類を見せてくれた。補償すると書かれていたが、その補償を待っている状態。1日に10億円の支援金が流れアフガンのために使われているという。ところがこの男性は補償を1ドルも受け取っていない。 ベルランド州の爆撃の情報、そのもとにいくら使ったのか？「戦争と平和協会」のジャーナリストに会った。このジャーナリストたちの命は常に脅かされていた。麻薬関係の利権やアメリカ政府・アフガニスタン政府にだ。標的が見つからないと、兄弟までもが投獄される。私が言うアフガニスタンの最大の敵はタリバンではなく、アフガン政府とアメリカとの連合とＮＡＴＯのことです。 私はいつも国を愛する者はいかなる状況でも政府を守ることだと思っていた。しかし国が国民の利益を守らない時に人々のために闘うのが愛国者です。占領に反対する運動、アメリカの利益を守るために始まった運動がアフガンの人権を守る運動になっています。同じ事が日本の人にもある。アメリカの対外政策を支持するのは誰の利益にもならず抑圧しているだけ。抑圧している者として責任をとらねばなりません。9.11以降私たちは邪悪な者になっていました。 質問タイム ●「東京の歴史教育に関することから、アメリカではどうか？」 ベトナム戦争の歴史で「敗北」という言葉は使われていないと思う。そして人の被害、ベトナム人が200万名亡くなった事には触れられていない。 今は社会が変わってブラック・ホワイトではなく海兵隊ではグリーンという。これはグリーンを出血の色になぞらえ、皆同じ血を流すことから来ている。オバマが勝っても差別はある。しかし大事なことは、黒人ではなくそれを可能にした社会の力、人々に変化を求め選んだ。可能にした要素は変化していません。オバマが勝つためにしたことはウォール街の利益の約束、オバマはブッシュと同程度に戦争犯罪人です。差別は皮膚の色というよりも貧富の差などでされている。そして前からあった人種偏見は今、イスラム世界に向けられている。ＩＶＡＷのメンバーは近くにいる知り合いや現役兵士からの批判や攻撃にさらされている。しかし真実を抑えることはできません。そしてやりやすくなってきている。 ●「紛争解決の手段として戦争はよくない。それをするのは帝国主義だといわれていたと思うが、資本主義の行き着く先は大量消費だと思うがその理解でよいか」 今のアメリカの姿は資本主義ではない。真の資本主義は経済システムにあるわけではありません。真の資本主義は政府によって誰も抑圧しない社会です。今現在アメリカにあるものは資本主義ではなく政府に支えられた企業が盗みをしている姿。アメリカ国民は伝統的な自由という観念を政府が乱用する。企業が好き勝手する自由を政府が許してしまっている。真の資本主義は利潤を得るなら人々に奉仕しなければならない。今現在アメリカにあるものは政府が企業に盗ませるシステム。企業から金をもらって企業のための政策をしている。一旦そう許されると次は政府が他の国から盗めるように企業がそれをやらせる。それが今のアメリカの帝国主義だと思います。それはもう資本主義の段階ではなく自由の概念もない、帝国主義だと思う。 ●「自分がしてきたことが間違いだったと決断した経験は？」 イラクから帰ったとき、怒りっぽかった、隣人友人家族に対して怒りを向けていた。反戦活動家や平和活動家に対しても怒っていた。何に対する怒りか？を考えて見いだした。帰還して4年経ってからこの怒りの相手がアメリカの政権だと思った。自分の愛国心を利用されたと思った。調べれば調べるほど自分が騙されているのがわかり、今証言している。 ●「日本の政策でインド洋の給油活動はもちろん、アメリカやアフガニスタン政府・ＮＡＴＯへの協力はアフガンを抑圧することになるので本当の支援にならないからダメだという趣旨だったかの確認」 アダム：Yes,That's right! リック：アメリカ政府だけでなく、ＮＡＴＯに対しても決して手を貸してはならない。一旦手を結ぶと切るのが大変。呼び名はいろいろ、平和維持・人道支援などあるが、いかなる名においても手を貸してはなりません。 アダム：政府関係でなく、ＮＧＯ活動（ＪＶＣなど）がある。むき出しのものはダメ、ＰＲＴもダメ、様々な形態をとってアメリカが関与していることがある。アメリカの機関が入っておらず、いかなる形でもアメリカに利益が行かないよう気をつけてください。 リック：今アメリカ政府に多少とも関わりがある活動をすると武装勢力のターゲットになってしまう ●「イラクへ行く前に沖縄で訓練を受けたか？沖縄をどう思っているか」 沖縄での訓練は受けていない。 ＊通訳の向井さんが先日の沖縄集会に飛び入り参加「普天間基地を返せ！辺野古に基地を作るな！」の集会でデモに参加し基地を返せと共に拳を振り上げた立場だと伝える リック：日本の意志に反してアメリカの基地を沖縄に維持されていることはとても悲しいこと。 アダム：力強く抵抗している人々をみた。私は議会に進出しようとしている。アメリカ政府転換のチャンス！そして変わろう！ ●「職業軍人と志願兵・傭兵について」 アダム：志願兵は限られた期間行く。キャリア（職業軍人）に対しおもしろくない気持ちを持つ。傭兵（企業に雇われている兵隊。志願兵の3倍の給料。住んでいる場所も違う）と志願兵もおもしろくない関係。オバマの「撤退」プランによれば、撤退後、今以上の傭兵を投入することになっている。 ● 「ピースフル・トゥモローとのつながりはあるのか？」 リック：特にない アダム：時間なくて全員の質問に答えられず残念です、解散後質問のある人は交流会に来てください。今日の集会でもっとありがたいことは、もっとみんなに広げて知ってもらうことです。日本の政治の重要な転換期に来られてありがとうございました！ ● 「アフガニスタンの真の敵はアフガン政府・ＮＡＴＯ・アメリカだというが、敵だという事例を教えて欲しい」 リック：アフガンのしくみについてお話します。このアフガン政府が計画している統治システムの中から国民は排除されている。アフガニスタンには産業がなく失業していて、教育も医療も何もない。今の政府はそれを放置している。アメリカはその政府を支援しているから敵となっている。識字率は8％。社会基盤も全く発達していないから人々が苦しむ場所となっている。アフガンの人々は苦しんでいるが、世界はその悲鳴を聞こうとしていません。難民キャンプももう一つの証拠。遙かに悪い状態です。それに対してもアフガニスタン政府は放置しているから、彼らは永遠に難民です。だから敵なのです。 そして2つのウェブサイトにアクセスを！の紹介（ＩＶＡＷとRethink Afghanistan） http://www.ivaw.org/ http://rethinkafghanistan.com/ 9条の扇子をプレゼントして田保さんの最後の挨拶で終了。 ２００９年９月２７日 |
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