[速報]イラク帰還兵アダム・コケシュ氏が来日――「冬の兵士」日本ツアー始まる
9月16日、100名が参加し参議院議員会館証言集会


 イラク帰還兵のアダム・コケシュ氏が来日し、9月16日(水)の参議院会館内集会を皮切りにイラク・アフガニスタン帰還兵の証言集会「冬の兵士」日本ツアーが始まった。当初50名の会議室で準備していたが、始まる直前には満杯になり隣の会議室をも連結し、最後に参加者は100名近くにふくれあがった。帰還兵の証言、イラク・アフガン戦争の真実の証言がもつ意味の大きさを改めて感じた。アフガニスタン帰還兵のリック・レイズ氏は航空機の都合で一日遅れ、今日の集会には参加しなかった。
 コケシュ氏は、スーツにカウボーイハットという出で立ちで、「迷子になってもすぐに見つけてくれるから」と笑わせながら、ネイティブ・アメリカンとしての生い立ちや、イラク戦争前から反戦運動に立ち上がっていた経緯、米軍がイラクで行う拘束作戦をワシントンDCで行ったエピソード、そして戦争は間違っていると思いながらイラクの復興に協力すべきと考え志願して軍に入ったことなどを語った。彼が直接参加したファルージャ4月の戦闘については地図を使いながら、14才以上の男たちを包囲下に追い返す検問の役割を果たした様子を生々しく語った。講演後会場からは質問が相次いだ。
 コケシュ氏は、戦争の最初の犠牲者は「真実」だといい、米政府とメディアのプロパガンダを厳しく批判した。その中でもとりわけアフガニスタン戦争についての発言を紹介する。会場から「アフガニスタンからの撤退要求をどう思うか。すぐに撤退すれば混乱が生じるのではないか」という質問が出たのに対しコケシュ氏は「今の質問の中にすでにプロパガンダが入っている」とし、アフガンから即時全面撤退すれば一時的な混乱が生じるかもしれないが、そのような混乱は米軍が駐留し占領し続ける混乱に比べたら小さいものだ、メディアは撤退した場合の混乱をあおり立て、米軍の駐留に手を貸しているのだと厳しく批判した。コケシュ氏は、なぜなら混乱の原因は米軍なのだからといい、瀬戸物屋に乱入した牛のたとえをした。瀬戸物屋に牛が入って瀬戸物を壊し続けている状況で、牛はそのままにしておいて壊れた瀬戸物を片付けようとするだろうか、いったん牛を店から追い出した後で、壊れた瀬戸物を片付け弁償するということになるだろうと。米軍を凶暴な牛になぞらえて、米軍はアフガンからすぐに撤退すべきとの認識を示したのである。
 本日16日、民主党鳩山政権が誕生した。インド洋給油問題やアフガン戦争との関わりが政治焦点化するのは不可避である。コケシュ氏は、オバマ政権がブッシュ政権から変わっても基本的には何も変わっていないとして批判し、日本も政権が変わったが、誤った米国の戦争政策に加担・協力するというような愚をしないよう強く求めた。

2009年9月16日
リブ・イン・ピース☆9+25


カウボーイハットのひょうきんなコケシュ

地図を使ってファルージャの封鎖を説明

ライフルで狙いを定める格好で軍事作戦を再現

院内集会後は、議員事務所に出向き、
民主党政権がオバマの戦争に加担しないよう要請活動

9月20日(日) イラク・アフガニスタン帰還兵の証言集会「冬の兵士」in大阪
 午後1:30〜4:30(1:00開場)
 東淀川人権文化センター(JR・地下鉄新大阪駅下車東口より5分)
 主催:冬の兵士招請委員会・大阪
 参加費:1000円(学生以下500円)
 連絡先:090-5094-9483(西中)
 プレ企画 映画「冬の兵士」上映会 午前11:00〜12:20