オバマ政権のもとでのイラク戦争開戦6周年――
米国の反戦運動と人民救済運動の新たな動き(中)

 人民救済運動(BOPM)が呼びかけた4月3日の集会・デモは、土砂降りの雨の中を1000人がウォールストリートを行進した。反戦センターUFPJが呼びかけた4月4日は10000人が行進した。同様の行動がロサンゼルスやノースカロライナ州のラーレー、ニューヨーク・シティなど全米各地で繰り広げられた。オバマ政権によるAIG救済=高額賞与スキャンダルによって燃え上がった銀行救済反対・人民救済運動はさらに持続・強化され、反戦・反差別、医療・教育の要求などと結合し、メーデーへと引き継がれようとしている。
http://www.bailoutpeople.org/
http://www.unitedforpeace.org/
 以下は、4月3日の行動を報じたBOPMの記事“April 3 & 4: People Need Jobs! Protesters March on Wall Street Demanding:Bail Out People, Not Banks!”の邦訳である。

4月3,4日  人民には職が必要だ!
ウォール・ストリートをデモ行進
人民を救済せよ、銀行ではなく!

April 3 & 4: People Need Jobs!
Protesters March on Wall Street Demanding:
Bail Out People, Not Banks!
http://www.bailoutpeople.org/april3report.shtml

 高まる運動の前兆のように、4月3日、人民救済運動(the Bail out the People Movement)の全国的呼びかけに応え、1,000人が猛烈な土砂降りの雨をものともせずにウォール・ストリートをデモ行進した。デモの中心的要求は、1)実際の雇用対策 2)担保差し押さえと立ち退きの緊急一時停止、であった。
 抗議行動は、仕事の忙しい金曜日、午後1時、金融地区の中心であるウォール・ストリートとブロードウェイで始まった。参加者には、デトロイト、ボストン、ボルチモア、フィラデルフィア、バッファローからの労働組合、地域グループ、若者と学生や、数十の全米組織センターが含まれていた。
 人民救済運動の指導者の一人でこの大集会の共同議長であるラリー・ホルムズは語った、「これは雇用対策を求める本格的な全国規模の闘争の始まりである」と。人民救済運動は、1930年代何百万もの人民を雇用した雇用対策局に類似の雇用対策を要求している。
 演説者たちは、この1年に銀行に与えられた10兆ドルを繰り返し非難した。
 政府が銀行に何兆ドルも与える一方で、2007年12月に景気の下降が始まって以来440万人の人民が職を失い、その半数以上はこの5ヶ月間に失職した。何千人もが差し押さえと立ち退きで家を失った。
 デモの半ば頃に雨が小止みになり始めた時、FIST (Fight Imperialism, Stand Together)の青年グループの幾人かがウォール・ストリート・ブロードウェイを歩き始めた。警官はみんなをウォール・ストリートに近づけたくなかったが、FISTのメンバーは断固として金融中枢を行進しようとした。警官は彼らに集中し歩道へ押しやった。4人の青年は違法行為のかどで逮捕され告発された。その中の1人は警官の暴行を受け、逮捕への抵抗のかどで告発された。彼は、他の者たちが3時間後に釈放される一方で、9時間半も拘置所に入れられた。
 一方、警官は、ストリートを見下ろす重役会議室や執務室にいる真の犯罪者を無視した。大集会で一人の演説者、ニューヨーク市議会議員のチャールズ・バロン氏は、この1年に銀行に与えられた10兆ドルを受け取った悪人たちは、「刑務所から出るための保釈金を探しているところだ」と語った。
 FISTの1メンバーでこの大集会の共同議長でもあるレイラニ・ダウエルは、経済危機がどれほど若者を傷つけているかを述べ、かれらが直面している苦難がこの体制そのものに固有であることを説明した。他の共同議長は、100万人労働者行進運動(Million Worker March Movement)の指導者の一人であるブレンダ・ストウクリー、国際行動センター(the International Action Center)の共同調整担当のサラ・フラウンダーであった。
 他の演説者は、国際トラック運転手組合(International Brotherhood of Teamsters)第808支部の書記・会計のクリス・シルベラ、運輸労働者組合(Transport Workers Union)第10支部のチャールズ・ジェキンス、ステラ・ドロ(the Stella D’oro)のストライキ闘争の代表、Detroit’s Moratorium Now! Coalition to Stop Foreclosures & Evictionsのサンドラ・ハインズ、そしてWorkers World Partyのモニカ・ムアヘッドであった。
 大集会に続いて、人民救済運動は自らのメッセージを持って直接銀行へ行き、パインストリートを行進して総額1700億ドルの救済金を受け取ったAIGへ行き、「みんなに仕事を」「経営陣を牢屋にぶち込め、経営陣を救うな」とスローガンを繰り返した。デモ隊は、危機に直面している金融巨人、例えばシティグループ、フィデリティ、AIG、アメリカン・エクスプレス、FRB、ニューヨーク証券取引所などのある金融地区の狭い通りを行進した。それからウォーターストリートへ進み、もう一つのAIGビルで止まり、それからブルックリン橋の下をくぐり、閉会集会のためフォリースクェアへと行進した。
 組織労働者は彼らの横断幕の後に大挙して現れた。黒人組合連合(the Coalition of Black Trade Unionists)からの派遣団、37番地区第375及び第768支部、チームスター(Teamsters)第808支部、ニューヨーク市教員連盟(United Federation of Teachers)第2支部及び第37-901支部、ステラ・ドロ(the Stella D’oro)のストライキ中の労働者、BCTブロンクス地区第50支部、ニューヨーク市反戦労働者。他に、ニューイングランド1199地区のメンバー、ハーバードの米国州・郡・市職員同盟(AFSCME)、自動車労働者組合(UAW)のデトロイト第100支部、ニューヨーク市の運輸労働者組合(Transport Workers Union)。
 4月3日の行進は、万民の職と収入の権利を要求したマーチン・ルーサー・キング牧師の暗殺を記念して開催された。その翌日は、UFPJ(United for Peace and Justice Coalition)がブロードウェイを通りバッテリー公園で終わるもう一つのウォール・ストリート行進を開催した。人民救済運動は、ニューヨーク証券取引所を監視する短い集会を開き、それから通り過ぎるデモに合流した。(翻訳W)

2009年4月6日
リブ・イン・ピース☆9+25

[関連記事]
以下の関連記事は、BOPMのホームページに掲載されているものです。
NY1 News video report on Friday's Bail Out the People protest:
NY1 News video report on Saturday's march:
MSNBC video report on Friday's action:
CNN en espanol
Video from allthingsharlem.com
NBC4: Rally on Wall Street to 'Bailout the People'
Activists protest bailouts near Wall Street on April 3, 2009
Wall Street Demostration on April 3, 2009
Wall Street Demostration Part 2, on April 3, 2009
Wall St Demo April 3, 2009
Reuters:Activists protest bailouts near Wall Street
Los Angeles IAC report on LA action:
AP: NYC protesters ask US to 'bail out the people'
The Indypendent: Hundreds Rally on Wall St., Demanding Action to Combat Economic Crisis
NYC protesters urge government to bail out people, not banks
Photos from Xinhua.net
Daily Finance.com: Protesters arrested at Wall Street rally
NBC4: Rally on Wall Street to 'Bailout the People'