すでに感染再拡大 第五波は不可避 すでに東京では、新型コロナ新規感染者が一週間続けて前週同日を上回り、感染再拡大が始まり急増し始めている。20日に緊急事態宣言が解除されたが、感染再拡大はその前から始まっていた。東京五輪・パラリンピックの有観客開催強行・上限2万人等のアナウンス効果が、理不尽に自粛を強いられていた人々の活動を促し、接触機会を増やし、感染拡大につながっている。飲食店でのアルコール解禁と時短の緩和、大型施設の土日の営業再開、大学での対面授業再開、学校での部活動全面再開等々多方面での規制緩和がこのまま継続すれば、第5波の到来を早め、かつてない規模に達するのは間違いない。これらは全て五輪開催強行との整合性をとるためのものだ。政府も東京都も口先だけの「自粛要請」以外に何もできていない。五輪会場でのアルコール販売の方針を世論の強い反発に押されて中止に追い込まれる程度に政府・東京都・五輪委員会の感覚はゆるんでいる。すでに、従来の約1.8倍の感染力を持つ新たな変異株(デルタ株)への置き換わりが急速に進む。この状況での五輪・パラリンピック強行はそれこそ感染拡大を加速する人災をもたらすものだ。 東京五輪を強行すれば、巨大な感染源に 五輪開催強行の危険は、既にウガンダ選手団のコロナ感染をみても明らかだ。19日、出国時全員陰性であったはずの9人のうち1人が成田空港で陽性と確認された。残り8人は「濃厚接触」か否かを調べずバスで泉佐野へ向かった。22日になって保健所は8人を濃厚接触者として検査し、新たに1人が陽性と確認された。送迎に関わった4人の市職員は自宅待機となった。選手団は7月3日まで練習を自粛(禁止ではない)し宿に待機する。 検疫体制の不備と無責任が招いた不手際だ。だが検疫がどうあろうとわずか9人の選手団で2人が陽性という事実は動かない。選手団だけで世界から1万人以上が来日する。(関係者を含むと10万人弱)。単純に当てはめれば選手団だけで2千人以上の陽性者が出る。濃厚接触者はこの数倍に膨れあがる。関わる職員やボランティアも数倍になる。東京国立競技場はじめ主要な会場の観客は1万人、これに「関係者」が加わる。1万人が一日中会場でじっと見ているのではない。セッション(時間割)ごとに観客は入れ替わり一つの会場だけで数万人の大移動が起こる。全会場を合わせると毎日数十万人に登る。野球などの単発のイベントとは規模が違う。グッズ売り場や飲食店は開業する。医師看護師が連日数百人動員される。東京都の小中学生の観戦動員も中止になっていない。 このまま開催強行に突き進めば、第5波が爆発しているさなかに開会日の7月23日を迎え、五輪会場が新たな巨大な感染源として出現し、第4波とは比べものにならない数の感染者、犠牲者、医療破壊、医療パニックを生み出すのは不可避だ。 東京五輪・パラリンピックを中止せよ われわれは、東京五輪・パラリンピックの開催を中止するよう要求する。今からでも遅くはない。政府、東京都、組織委員会は五輪中止を即座に決定すべきだ。現在累計の感染者、死者は790,161人、14,576人に上る(6/24)。第4波では、自宅療養中、入院待機中、中症から重症病棟への移送前の死亡などが激増した。病床数を患者数が遙かに上回り、事実上患者を放置・医療放棄せざるを得なかった結果だ。日本の不徹底なコロナ対策によって命を奪われたのだ。 菅政権は“感染状況によっては無観客にする”などと言っているが、そうなってからでは遅い。それは第3波、第4波で経験済みだ。東京五輪・パラリンピックを中止し、コロナ封じ込めに全力を挙げるべきだ。ワクチンで封じ込める事は出来ない。何よりも安全性への疑問、副反応の危険がある。変異株への効果も未知数だ。ワクチンへの大量動員される医療者を、PCR検査に投じるべきだ。人流を抑制し、社会的距離を取り、三密をさけ、公共交通機関を回避し、人々が安心して暮らせるようにし、徹底してコロナを封じ込めなければならない。遅れている休業補償協力金の支払い、一人親家庭への保障、職を失った労働者への休業補償等必要な措置をとるよう要求する。 政府・メディアはオリンピック宣伝で世論操作を行い、批判を押さえ込もうとしている。菅政権は五輪・パラリンピックの開催と「成功」を選挙に向けた自分の手柄にするつもりだ。感染が広がろうとお構いなしなのだ。しかし、東京だけでも感染者がこれから急増し、一日千人に達する中で当然のことながら中止や無観客を求める世論が強まる。これからも五輪・パラリンピック中止を求める声を上げ続け、菅政権の強行姿勢と闘わなければならない。与野党の議員に対する働きかけなど、中止を求める世論と運動を強めていこう。 2021年6月25日 |
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