#週明けの強行採決に反対します
どさくさ紛れの検察庁法改悪を阻止しよう
安倍自民を守るための検察人事支配を許すな

ツィッター・デモに現れた抗議の巨波と無視する安倍内閣

 政府与党は5月15日、検察官の定年を延長する検察庁法改悪案の委員会審議を強行し、強行採決しようとした。しかし、委員会審議では森法相は空虚な答弁しかできず、全く納得を得られなかった。委員会には武田担当大臣の不信任案が提出され、15日は委員会強行採決に持ち込めなかった。政府・与党は週明けに強行採決をめざし、あくまで今国会の法案成立を狙っているが、市民の批判の声は強まるばかりだ。この悪法は、「官邸の守護神」黒川東京高検検事長を長期にわたり検事総長にさせるための悪法だ。いまこそ直接声を上げて断固反対、撤回・廃案を要求しよう。安倍政権に対するコロナ対策追及とこの検察庁法改悪阻止を結び付けて闘おう。
 この「検察支配法案」に対し、SNS上で「#検察庁法改正案に抗議します」デモが巻き起こり、全国民的な怒りが爆発している。最初に呼びかけた女性は、政府のデタラメなコロナ対策に疑問を持ったことから、他にも間違ったことがあるのではないかと疑問を持ったという。コロナ渦でこそこそと悪法が通される、民主主義が揺らぐと感じ、5月8日午後7時に「1人でTwitterデモ」を投稿する。コロナ対策のデタラメと悪法強行が結びついた瞬間だ。同じように感じていた人々の怒りが爆発する。火事場泥棒だ、三権分立に反するなど、作家、漫画家、俳優、音楽家など著名人が次々と投稿し、わずか数日間で600〜700万人を超えてさらに拡大しつつある。「東京高検・検事長黒川弘務氏の違法な定年延長に抗議し、辞職を求めます」署名(Change.org)もまた短期間で34万8千人(16日)を突破した。
 政府・与党のなりふり構わぬ異常な強硬姿勢に対して反対の声を上げているのはTwitterの人々や日弁連だけではない。元検事総長や検察OBらまでもが反対の意見書を出している。彼らは2月の黒川定年延長の閣議決定を「違憲」と断じ、改正案が検察の組織を弱体化させ、時の政権の意のままに動く組織に改編させようとするもの」と批判し反対している。改正法の本質が安倍政権による検察支配、それによる政権の犯罪行為の隠蔽にあることを見抜いているのである。
 街頭デモが大きく制約される中で、「家で出来る抗議活動」「家から起こせる変化」が「自粛」を強要され困苦に喘ぐ人々を席巻し、その矛先を安倍政権に集中させている。人民の創造性が生み出した歴史的な出来事だ。人々の声が巨大な波になって政権にぶつかっていっている。与党議員は市民から直接ぶつけられる批判に答えられず、動揺している。いまこそ安倍政権を揺さ振り、押し戻すために可能なことをしよう。

内閣による検察支配強化を露骨にめざす改正法
 法案の最大の焦点は、検察官の定年延長問題に隠して、最高幹部の定年延長を内閣が恣意的に決めることにある。狙いは明らかだ。時の内閣の言うがままに動いた幹部は定年が延長され、逆らった幹部は退任させられる。これまで慣例が強く直接人事支配が及んでいなかった検察のトップを内閣が支配する構図だ。法が成立すればもはや検察にも安倍べったりの官僚しか残らなくなるだろう。幹部の定年という人事権掌握を梃子に、第1に、腐敗した政府自民党の政治家の逮捕・起訴をできなくさせる、第2に、逆に政敵・野党への国策捜査を自由に行う−−−これが安倍政権の狙いだ。実に安倍らしい陰険で汚らしいやり方だ。
 「検察の中立性が歪められる」「三権分立を脅かす」といった一般的な危険性の問題ではない。はっきりと安倍首相と政権中枢の政権私物化、これをめぐる権力犯罪での訴追を免れようという露骨な政治的狙いである。

なぜ黒川か――安倍の権力犯罪にフタをしてきた黒幕
 黒川検事長がカギである。彼こそ、第2次安倍政権発足以来、検察と官邸とのパイプ役を一手に担い、安倍官邸の意向を検察に伝える黒幕であった。安倍政権は1月、「解釈変更」による違法な閣議決定で、黒川の定年を半年延長した。この法律は2年後から施行だが、安倍は法改悪を背景に8月退任の現稲田検事総長(定年65)の後任に黒川を就任させ、さらに法律を適用して定年再延長し68歳まで検事総長にしようとしている。検事総長にこの「官邸の守護神」を据え、検察も官邸に逆らうことは一切できないようにと目論んでいるのだ。あと5年、68歳まで政府与党は、黒川体制の下で違法・脱法行為をやり続けるつもりなのだ。
 安倍政権がいま最も戦々恐々として恐れているのは、何よりも河井克行元法相と河井案里両議員の逮捕と捜査が自民党本部・官邸に及ぶことだ。河井らが買収を含む公選法違反を公然と行っていたこと、1億5千万円もの資金を出して安倍官邸と自民党本部が露骨に選挙のテコ入れしてきたことは誰の目にも明らかだ。検察庁は東京から応援を送り込んで捜査中であり、逮捕も目前といわれる。安倍と官邸はこれまで何とか捜査をやめさせようとしてきた。検察庁法改悪で、直接この問題にフタをする突破口を開こうとしているのだ。
 それだけではない。安倍自身が数多くの権力犯罪に直接手を染めてきた。自殺者まで出した森友学園への国有地の超安値での譲渡、佐川国税庁長官の公文書改ざん、盟友の加計学園獣医学部認可への便宜供与、桜を見る会の私物化と安倍後援会への公選法違反、さらに秋元議員が起訴されているカジノ・IR疑惑、等々。これほど首相による私物化と犯罪がらみの政権は例がない。これらを押さえ込んできたのが「黒川」の功績であった。
 安倍政権による検察私物化は絶対に許してはならない。ツィッター・デモに参加し、抗議の声をさらに拡げ、安倍退陣へと追い込んでいこう。

2020年5月16日
リブ・イン・ピース☆9+25

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