13日、参議院本会議で、与党と大半の野党の支持で、改正新型インフルエンザ対策特別措置法が可決・成立させられた。共産党とれいわ新撰組が反対した。私たちは首相に憲法を制約する強権を与えるこの法律に反対であり、成立を糾弾する。 同法によれば、「全国的かつ急速なまん延により国民生活に甚大な影響が及ぶ」ような事態になった時に首相が「緊急事態宣言」を発令することが可能になる。その権限は医療用土地の収用や医療従事命令、イベントや集会の禁止、学校休校など広範な私権制限を含み、人権と憲法を制限することができる。 野党の多くは、「国会への事前報告」「専門家の知識で判断」「政府対応の客観的・科学的検証」などの条件をつけた付帯決議をつけたことで賛成に回った。しかし、「付帯決議」は法的制約を課さない上、国会の関与も承認ではなく「事前報告」に止まる。そもそも国会と国民に対して嘘をつき、文書を抹殺し、国家を私物化し、友人同士で利権を分けあい、不誠実きわまりない態度をとり続けてきた安倍政権そのものが全く信用できない。新型コロナ恐慌が現実化し、政府が国民に転化する犠牲が一層深刻化し、国民の不満が高まったときにそれを抑え込んだり、他のことに不満の矛先をそらせるために、自らの利害のために、安倍首相が政治的思惑で勝手に緊急事態宣言を利用する可能性は大きい。 同法が成立したことによって、この法律を発動させず、緊急事態宣言を宣言させないための監視と不断の反対闘争が必要になる。合わせて、安倍政権がもみ消し、隠蔽し、なかったことにしようとしている森友・桜を見る会・定年延長・公選法違反などの疑惑や、新型コロナウイルス感染拡大防止の失敗と不手際の責任追及を、これからも続けていきたい。新型コロナウイルス感染症との闘いが終わらない限り、特措法発動阻止の闘いは終わらない。 ２０２０年３月１３日 |
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