安倍政権は3月2日に突然「新型インフルエンザ特措法」の改悪を持ち出し、来週3月10日に国会提出、13日にも成立させようとしています。FAX、電話、メールで直ちに反対の声をあげましょう。 1.安倍首相に独裁的強権を与えるな。憲法改悪の地ならしに反対 特措法は、検疫のための病院・宿泊施設の強制使用、臨時医療施設建設のための土地強制使用、特定物資の収用・保管命令、医療関係者への医療従事指示(命令)、多人数の使用する施設(学校や公共施設等)の使用停止等々の人権を広範囲で制限し、強制的に従わせる独裁的権力を首相に与えるものです。とりわけ言論・表現、集会の自由など、民主主義的権利の抑圧に道を開く超危険なものです。 安倍首相は、憲法9条改悪を執拗に追求し、「戦争する国」づくり、日米軍事一体化を推し進め、辺野古新基地建設を強行し、戦争法や共謀罪など、軍国主義と人権制限法に邁進してきました。そんな首相に独裁的権限を与えればどうなるのか。今回の新型コロナ発生の初期には、憲法の緊急事態条項の強行をぶち上げています。それは憲法改悪と緊急事態条項新設への地ならしです。 特措法改悪を許せば、安倍による「緊急事態宣言」が現実のものになります。「緊急事態宣言」発動の要件は非常にあいまいで、どうにでもなるものです。安倍首相のやりたい放題になるのです。安倍が自身の保身と権力をもてあそぶために「緊急事態宣言」を振りかざすことは明らかです。現行法の適用でなく、あくまで特措法改悪に踏み出そうとするのは、このような政治的思惑があるからです。人権を制限し憲法の制約さえ外した強権を安倍首相が振るうことを許してはなりません。 2.感染症(PCR)検査、診療体制を抜本的に拡充せよ 政府が今まさに最優先ですべきことは、特措法ではなく、新型コロナウィルス感染症をこれ以上拡大しないことです。中でも感染症検査(PCR検査)は最優先事項です。ところが政府は、1ヶ月上にわたり医療現場や国民からの要望を無視し、PCR検査を接触者相談センターや保健所の許可がある場合だけに限定し、事実上拒否してきました。検査拒否は、東京オリンピック・パラリンピックの中止を恐れて感染者数を最小限にしたい安倍政権の思惑です。そして厚労省・感染症研究所の利権の囲い込みでしかありません。いずれにしても国民のいのちと健康、生活のことなど考えていないのです。 私たちは要求します。PCR検査を、病医院の医師が必要と認めたすべてのケースについて今すぐ実施せよ。なぜ検査が重要なのか。それは、学校や子どもたちへの感染防止、医療現場での感染防止、自治体や企業や家族での感染防止等々、検査体制の拡充なしには厳格かつ合理的な防止対策はとれないからです。検査なしの曖昧な対策が国民を不安にさせ、事態を混乱させているのです。菅官房長官はマスク6億枚を出させると発言しましたが、市中にも病院にも回っていません。検査体制、追跡と隔離の体制、診療体制の確立とマスクなど感染防止資材の供給こそ喫緊の課題であり、これらに対する予算措置こそが必要なのです。指定病院だけでなく他の患者と分離した発熱外来等の設置が必須なのです。 やるべきことは他にもあります。安倍首相が突如押し付けた全国一斉休校は犠牲と混乱を巻き起こしています。一斉休校で犠牲を強いられたすべての人々への対応と補償が必要です。保護者が面倒を見られない子どもたちに居場所と世話をする人を確保すること、休まざるを得ない保護者、とりわけ一人親や非正規、フリーランスや個人事業主などへの収入の補償、突然収入が途絶する給食業者などへの補償措置等々が必要です。 今回の特措法改悪は、これら必要な緊急方策から目をそらせるものです。絶対に許してはなりません。 3.安倍政権の責任追及こそが重要。コロナ対策失敗のツケを帳消しにさせるな なぜ安倍首相は特措法改悪を言い出したのでしょうか。安倍首相はこの法改悪をこれまでの感染症拡大防止の失敗、すなわち初動での過小評価と傍観、水際対策の失敗、クルーズ船対策の失敗など、数々のデタラメな対策や無為無策を帳消しにするために持ち出したのです。2月26日以降、安倍首相は不満の高まりの目をそらし支持率急落を支えるために、イベント自粛、全国一斉学校休校など現場無視の強硬姿勢を演出してきました。そして今回、特措法改悪、中韓からの入国制限などを打ち出し「やってる感」を作り出そうとしているのです。 同時に安倍首相は、桜を見る会の公選法違反、東京高検検事長の違法な定年延長、カジノ疑惑や議員の公選法違反疑惑など数えきれない政治疑惑によって窮地に陥っていました。新たに加計学園の韓国人受験生差別疑惑も出てきました。特措法は自身の政治的行き詰まりからの局面打開の手段としてやろうという魂胆なのです。 今日の新型コロナ感染症のここまでの拡大は安倍政権が作り出したものです。水際対策、感染者発見、クルーズ船対策等々での失敗が感染急拡大の危機に追い込んでいるのです。安倍政権を追及することの中からしか対策をとらせることはできません。 安倍首相の新型コロナ対策は、すべてが言いっ放し、無責任の極みなのです。自治体や家族や個人に丸投げ、究極の自己責任なのです。こんな無責任な安倍首相に独裁的権力を与えればどうなるか、明らかです。 4.「政治休戦」に反対。野党は協力するな。政治疑惑追及を続行せよ 新型コロナ感染を本気で封じ込めるには、安倍政権への協力、政治休戦ではなく、安倍首相の責任追及と闘争しか道があり得ません。野党が無責任な安倍政権と「挙国一致」状態になれば、必ず民衆からの批判と反発を受けるでしょう。 野党は、立憲民主党を筆頭に、特措法改悪に対して協力の姿勢と伝えられています。明確に批判と反対の姿勢を明らかにしていません。安倍首相の特措法改悪の目的は野党の分断と抱き込み、疑惑追及の棚上げ、さまざまな失敗の帳消しと政治的な主導権の奪還にあります。特措法改悪の国会審議に応じ、法成立に協力するなどもってのほかです。安倍政権は国民の生命や健康のことなど全く考えていません。安倍首相の保身と国政の私物化、強権をもてあそぶことだけが関心事なのです。 私たちは主張します。野党は、新型コロナ対策でも、政治的疑惑でも安倍追及を続行せよ。多くの市民の反対の声を、政府と与野党に突きつけ、特措法改悪を阻止し、断念に追い込みましょう。安倍政権を追い詰め、退陣へと追い込むことこそが、国民のいのちと健康、生活を守ることにつながるのです。 2020年3月6日
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