PDFファイル 6月13日、中東のオマーン湾で2隻のタンカーが何者かの攻撃を受けました。1隻は日本の企業が運用する化学タンカーで2回の攻撃を受け、2回目は物体が飛んでくるのを乗組員が見ました。もう一隻は台湾の企業が運用するタンカーで炎上し漂流しています。 米のトランプ政権は直ちに「イランに責任がある」と表明し、「革命防衛隊が不発弾を回収している」と称するビデオを公表しました。 しかし、イランは「全く関係がない」と否定しました。イランにとって戦争は何のメリットもないのです。事件は安倍首相がハメネイ氏と会談中のことです。イランは日本に外相を派遣し、自分から戦争するつもりはないことをトランプに伝えるように依頼しました。安倍首相のイラン訪問はその返事を伝えるためでした。その時に攻撃をするなど考えられません。米の「イラン犯人説」にはイギリスとサウジ、イスラエルなどわずかの国しか同調しませんでした。日本も、ほとんどの国も米の「イラン犯人説」には全く納得していません。 フェイクニュースで戦争を仕掛けるのは米の常とう手段 米がウソで戦争を始めることは世界中が知っています。古くはベトナム戦争の「トンキン湾事件(米駆逐艦が攻撃されたウソ)」。最近では「フセインは大量破壊兵器を持っている」と始めたイラク戦争がそうでした。 今回も戦争を仕掛けようとしているのは米です。5月2日にはイランの原油輸出を禁輸しました。5月5日からは原子力空母、強襲揚陸艦艦隊、B52爆撃機、対空ミサイル部隊、米兵1500人など次々と中東に兵力を送り込んでいます。トランプ政権のボルトン補佐官、ポンペオ国務長官らが対イラン戦争を強硬に主張していることはよく知られています。さらに米の対イラン戦争を煽っているのがイスラエルとサウジアラビアです。イスラエルが米に「攻撃がある」と予告した後に謀略まがいの小規模な攻撃が続きました。 自衛隊の派兵をさせるな! 戦争を阻止しよう 米が対イラン戦争を始めたら大変なことになります。多くの罪もないイラン人が殺されます。タンカーがホルムズ海峡を通れなくなれば、日本経済だけでなく世界中が重大な打撃を受けるでしょう。しかし、危険はそれだけではありません。右翼は「日本のタンカーを守りに自衛隊を送れ」と叫び始めました。戦争が起これば、自衛隊を参戦させることが戦争法で可能になっています。小泉元首相が「アメリカが言うことは正しい」とイラク戦争に参加したように、トランプが正しいと安倍首相が自衛隊を参戦させる危険が極めて大きいのです。 今回のタンカー攻撃で米が対イラン戦争を始める危険が高まっています。いまこそ戦争反対、イランに攻撃を仕掛けるなの声をあげるときです。戦争をするな!の声を各国政府に働きかけ米に同調しないよう圧力をかけましょう。
2019年6月17日 |
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