「防衛装備移転3原則」「5類型」削除による殺傷兵器輸出全面解禁を糾弾する
政府は武器輸出推進をやめろ 米国の対中戦争体制強化に加担するな

 4月21日、高市政権は「防衛装備移転3原則」と運用指針を国家安全保障会議NSCで改定し、従来の「5類型」制限を全面的に削除した。自民党政権は、安倍政権下で「武器輸出禁止3原則」を「防衛装備移転(武器輸出促進)3原則」に逆立ちさせて以降、次々と武器輸出の制限を緩和、撤廃し続けてきた。しかし、今回の改定は「5類型」撤廃によって殺傷・破壊兵器の輸出を全面的に解禁し、戦争当時国への輸出さえ解禁するもので、政策の根本的転換を意味する。
 平和憲法のもとで反戦平和運動の力によって「国是」的な扱いをされてきた武器輸出の禁止と武器商人国家にはならないという国家の基本方針を、高市首相は国会での審議さえ行なわず、自民・維新の国家安全保障会議・大臣会合だけで一方的に決めた。野党どころか、武器輸出を「認めるべきではない」が56%と半数を超える世論調査の声さえ聞かない高市政権特有の独裁的なやり方での強行だ。憲法の精神と民主主義、国民主権を蹂躙するやり方だ。
 われわれは「防衛装備移転3原則」及び「運用指針」の改定と殺傷・破壊兵器を含む武器輸出全面解禁を断固糾弾する。武器輸出そのものを禁止するように強く要求する。

殺傷・破壊兵器の輸出促進は戦争の危険を高め、平和主義に反する
 今回の改定は、従来の武器輸出への制約を完全に撤廃するものだ。特に殺傷・破壊兵器の輸出は現状では厳しく制限され、共同生産、ライセンス生産以外の兵器は事実上輸出できなかった。それが「5類型」の制約であり、今回この要の部分を撤廃したのだ。@非殺傷兵器の輸出はどの国へも自由。A殺傷・破壊兵器の輸出はNSC(しかも首相、官房長官、外相、防衛相のみの4大臣会合)が決める。国会には事後報告のみだ。対象は国連憲章適合国や、同盟・同志国で「防衛装備品技術品移転協定締約国」などにするという。しかし改定は、同盟国の抑止力を強めることを目的とし、これらの国への武器輸出は無制限に容認される。武器輸出が計画されているオーストラリア、フィリピン、ニュージーランドなどへの殺傷・破壊兵器の輸出は一層の促進こそすれ、NSCが制限・制約をかけるなどありえない。同盟・同志国への武器輸出解禁こそ、それが仮想敵とする諸国への戦争準備を強化し、戦争の危険を増大させるものであり、憲法の平和主義と根本から相いれない。

戦争当事国(特に米国)への殺傷・破壊兵器輸出は侵略戦争加担そのもの
 もう一つの重大な問題は戦争当事国への輸出だ。現在でも戦争中のウクライナに軍用車両などを供与して米国の代理戦争に加担しているが、今回の改定は戦争当事国への殺傷・破壊兵器輸出さえ解禁するものだ。たしかに「紛争当事国」への輸出は「原則禁止」とある。しかし初めから「特段の事情があれば可」とされており、しかも具体的な例としてイランで戦争中である米国に、インド太平洋での対中戦争準備のために輸出をすることはできるとした。要するに対中戦争や対ロ戦争の為であれば戦争当時国、侵略国家にだって輸出するという、米国の戦争加担むき出しの戦争推進政策だ。

死の商人国家にさせるな
 武器輸出の完全解禁は、軍需産業経済立国をめざす政府と産業界の要求に基づくものだ。それは政府の説明のように「同盟国の抑止力強化によって平和にする」どころか、戦争の道具を売りまくることで地域の平和と安定を破壊し、そのことで金を稼ごうとする死の商人国家になることを意味する。小泉防衛相は「トップセールスを一層強化したい」と述べた。われわれは戦後封じられてきた戦争を食い物にする死の商人国家の復活に断固反対する。

高市政権の軍国主義国家・戦争国家化の動きを阻止しよう
 殺傷・破壊兵器を含む武器輸出完全解禁は、国民の監視・諜報のためのスパイ防止法と一体の国家情報会議・国家情報局法案、非核三原則破棄を含む安保3文書改訂、そして巨大軍事費を投入しての対中戦争の本気の準備と日本政府の一連の政策の一環だ。平和憲法の改悪を目指す高市政権が進めるこの政策は、「国権の発動たる戦争と、武力による威嚇又は武力の行使は、国際紛争を解決する手段としては、永久にこれを放棄する」とする現憲法の「平和主義」を死文化させ、日本を再び戦前の天皇制軍国主義の侵略国家、世界に侵略戦争を仕掛け続ける現在の米国のような戦争国家にしようとするものだ。絶対に許してはならない。中国政府は、「日本における新軍国主義の悪意ある台頭は地域の平和と安定を脅かす可能性がある。…防衛予算の継続的な増加に伴い、右派保守勢力は安全保障政策の調整を正当化するために外部の緊張を煽ろうとしている」と警告を発している。武器輸出解禁を厳しく批判するとともに、高市政権の進める軍国主義国家化、戦争国家化を阻止し、日中平和友好の前進のために闘いを強めよう。

2026年4月21日
リブ・イン・ピース☆9+25