翁長雄志知事追悼 命をかけた闘いに敬意を表します
辺野古建設反対の玉城さんの勝利を

 沖縄県知事の翁長雄志氏が8月8日に亡くなりました。私たちは心より哀悼の意を表します。翁長知事は最後まで辺野古新基地建設に対して反対し闘い続けました。7月27日には埋め立て許可の「撤回」の手続きを開始し、亡くなる前日の7日には沖縄防衛局の聴聞延期申し出に自ら拒否の決済を行いました。最後に謝花副知事に埋め立て承認「撤回」を託して亡くなりました。県民の新基地反対、基地撤去の声に応えるために最後まで戦い続けたのです。知事は4月に膵臓がんの手術を受け、その後も治療を続けながら、埋め立て承認「撤回」へ県を動かしてきました。この間の知事の行動はまさに命を削りながら辺野古新基地建設との闘いだったのです。私たちは、最後までぶれることなく、安倍政権のありとあらゆる嫌がらせに立ち向かい、あくまでも辺野古新基地反対の県民の意思に忠実であろうとした翁長知事に敬意を表します。
 翁長知事の死去を受けて、沖縄県知事選挙が行われています。この選挙は今後、数十年にわたって米軍に使わせる新基地を作らせるのか、基地のない沖縄をめざすのか、沖縄県の今後を決める決定的に重要な選挙です。さらには、3選後に憲法改悪への野心をギラギラさせる安倍首相への最初の打撃となりえる選挙です。県民の皆さんに是非翁長知事の遺志を継ぐ、新基地反対、基地のない沖縄をめざす候補を選んでほしいと思います。
 政府は、8月17日に予定していた土砂投入開始を「天候が悪い」と延期しました。8月31日に謝花副知事が埋め立て承認の撤回したため土砂投入は止まったままです。しかし、政府はあきらめていません。8月22日に菅官房長官は承認を撤回すれば、1日2000万円の損害賠償請求を個人宛に行うと沖縄県と副知事に対して露骨などう喝をしました。あきれるような横暴さです。8月31日の県の承認「撤回」に対して直ちに法的対応措置をとると表明しました。これまで県からの度重なる指導や要請を無視し、断層や超軟弱地盤を隠して違法工事を強行してきた自分の責任を棚上げにして、あたかも県の方が悪いかのように居直っています。
 自民、公明、維新は県知事候補に元宜野湾市長の佐喜真氏を担いでなりふり構わず選挙戦に突入しています。菅官房長官、二階幹事長ら幹部がつぎつぎと沖縄入りし、水面下で直接企業経営者や業界関係者らに働きかけています。カジノ誘致、箱物建設など持ち出し露骨な利権誘導で企業や土建業者を買い取ろうとしています。竹下総務会長は選挙終了まで1か月も佐喜真選対本部に常駐するという異常さです。前回は自主投票だった公明も名護市長選挙に続いて全力支援の姿勢で沖縄に人を投入しています。しかし、佐喜真候補は「辺野古建設支持」に一切触れず、自分の主張を隠しています。そして争点外しの選挙に徹して県民の目をごまかそうとしているのです。佐喜真氏は辺野古建設が政治的焦点になる公開討論会も出席拒否しようとして、県民からのあまりの反発にあわてて取消す有様です。政府はどんな手段を使ってでも、何と言われようともともかく知事選挙に勝って、佐喜真氏を当選させ辺野古建設にゴーを言わせるつもりです。

沖縄の人々の意思を結集し玉城デニー氏の勝利を
 翁長知事の遺志をついで、8月29日には玉城デニー氏が「辺野古建設反対」を掲げて出馬を表明し、これまで翁長知事を支えてきたオール沖縄や数多くの市民グループが支持を表明しています。8月11日の県民大会には目標の3万人を大きく超える7万人が集まり、翁長知事の死を悼むともに、遺志を継いで辺野古に基地を作らせないことを誓いました。辺野古のキャンプシュワブゲート前や海上では市民グループによる粘り強い抗議・監視行動が続けられています。翁長知事がやってきたように、沖縄の人々の願いを背に、辺野古現地で座り込み、あるいは海上で闘う人々、沖縄各地でこれに呼応して闘う人々の力を一つに結集して、玉城デニーを支える県民ぐるみの大衆的な闘いでぜひ知事選挙に勝利してほしいと思います。
 残念ながら本土の側の大衆闘争は、辺野古に新基地を押しつける安倍政権を打倒することで沖縄の運動に応えることができていません。15年の戦争法、日米ガイドライン、その後の森友・加計問題での追及の大衆運動は国会内での野党の動きと連動して、安倍政権を追い詰めましたが、まだ打倒することはできていません。真の意味で翁長知事の応援ができなかったことに悔しい思いをしています。
 翁長知事に寄せられた沖縄の民意はいまも変わりません。沖縄県に米軍基地の大半を押しつける構造は変わりません。朝鮮半島の平和と安定が実現に向かい始めても、安倍政権は新防衛白書でも軍事的脅威の存在を強調し、依然として朝鮮民主主義人民共和国、更に中国を標的として軍事力増強に全力を挙げようとしています。辺野古・沖縄本島を含む南西諸島を米空母部隊を守る要塞とし、真っ先に攻撃されるリスクを背負わせようとしています。こんな状態をいつまでも我慢できないという翁長知事と同じ気持ちは県民の中に流れています。私たちは亡くなられた翁長知事に心より敬意と哀悼の意を捧げるとともに、県知事の意志を継いで闘いを継続する沖縄の人々と連帯し続けたいと思います。

2018年9月15日
リブ・イン・ピース☆9+25