宮古島保良訓練場への自衛隊ミサイル弾薬搬入を糾弾する

 陸上自衛隊は11月14日、宮古島市の「保良訓練場」へ地対空・地対艦ミサイルなどの弾薬の搬入を強行した。防衛省は同日午前、全長178m、8000㌧もある海上自衛隊の輸送艦「しもきた」を平良港に入港させ、弾薬コンテナを搭載した15台の大型トラックを次々と上陸させた。市民らは平良港ゲート前で「弾薬搬入NO!」のプラカードを掲げ、「弾薬は持って帰れ」と自衛隊の弾薬搬入に抗議し、座り込み、ダイ・インで抵抗したが、県警の強制排除により移動させられた。その後、自衛隊の軍用車両30台超が保良訓練場へ向けて出発した。弾薬などを積んだ自衛隊の大型トラックが列を成して市街地を1時間かけて走り抜けた。同訓練場前で詰めかけていた市民らは「平和な宮古島を守るぞ」「戦争準備は許さんぞ」と抗議し、体を張って抵抗した。自衛隊・警察は市民らを力づくで排除し、大型トラックが保良弾薬庫へ入り弾薬の搬入を強行した。

 反対運動は、10日から連続で反対行動を行った。前日の13日にも抗議集会を行い、更に当日の反対行動を平良港ゲート前、保良訓練場前で行った。その様子はfacebookなどで哨戒されている。以下のサイトをご覧頂きたい。
 13日 ミサイル・弾薬搬入反対抗議集会(三上 智恵さん)
 14日 平良港ゲート前抗議行動(下地茜さん)

 11月15日、緊急 宮古島・保良ミサイル弾薬の搬入反対!のオンライン島々シンポジウム5が急遽もたれた。要塞化する琉球弧の今と題して三上智恵さん司会、小西誠さん解説でこれまで4回もたれてきたものの続きだ。今回はミサイルが運び込まれた宮古島の現地の方々の声を聞くことを主にして開かれた。下地博盛さん、下地 茜さん、宮古島市民の方々が発言をされた。

 発言は、なんとしても止めたいという思いに満ち溢れていた。

 「基地建設は住民の声を無視する形で推し進められてきた。私たちの声はなかなか全国に届かない。基地からは住宅地が非常に近い。もし事故が起こったら逃げるところがない。有事になったら逃げられないと思った。何かあったら一緒に死ぬしかない。どうやったら止められるか、なかなか止められない、怒りを感じる。」

 「市議会の中で陸自配備に反対していくことの難しさがある。10月の選挙で与野党拮抗してきているが、与党の中で保守革新が交じり合っている状態で、陸自配備に反対してくれるだろうなと思う議員は7名という状況、しかも新人。基地配備が当たり前っていう声が作られていく中で、厳しい風に向かいながら、基地だめだよ、宮古島にとってメリットはないと矢面に立って反対できる議員を増やしていきたい。議員や市長は市民や支持者の声をすごく気にする。皆さんもぜひ声を届けてください。」
 
 「(自衛艦が接岸するのを)待ちながら、あーとうとうこの日が来たんだなぁという気持ちと、それでも今までやってきたことをまたこれからも続けていくことには変わりがないなぁと思いながら、その瞬間を抵抗しつつ見ていた。私自身、娘もつれてきて、大人が真剣に守りたいものがあるときにどういう行動をするのか、その瞬間を娘に見てもらっていた。家に帰って、野次馬に『娘泣かすんじゃないよ』といちゃもんをつけられたことを話すと、娘は『お母さんのせいで泣いているんじゃないよ、お母さんが怖いのじゃないよ、ミサイルを持ってきて、警察を使って、どかそうとしてしているそのことが怖いのに、お母さんのせいにするな』とものすごく怒っていた。娘が正しく怖がっていることが、娘が状況をちゃんとわかっていてくれてることがうれしかった。」等々。

 国会前で島々スタンディングを行っている方からの発言の後、休憩をはさんで、福島瑞穂さんからの連帯の発言があった。続いて、小西誠さんからこの間起きていることを整理して、問題点が指摘された。

 「まず、今、ミサイル搬入と同時に沖縄で起きていることがある。9月中旬から11月いっぱいまで行われる10万人が機動展開訓練を行う陸上演習="陸演"と、続いて、11月下旬から3万5千人を動員する陸海空の統合演習だ。統合演習では、沖縄の各島々、与那国島では上陸訓練をやり、石垣では輸送艦が来て兵力の増強訓練をやる。沖縄本島でもやる。初めて、民間地、私有地を利用して、自衛隊の演習が今始まろうとしている。問題は、米軍が初めて演習に加わるということだ。これらは、中国への威嚇なのだ。演習というのは自衛隊の実力を見せるためのものだ。」
 さらに、台湾有事論はまやかしであり、第一列島線を固めるための、ミサイル体制を作るための口実であり、軍事予算をとるための口実であることが指摘された。目的は、大軍拡競争である。射程を200kmから900kmに変えて宮古島を中国への攻撃基地にするためである。だから、この段階で止めることが大事である。今なら止められる。
 じゃどうするのか。今どうやって基地が作られているかの実態と何を目的として作られているのか、そういうことをほとんどの反戦運動の活動家は知らない。私たちが本当のことを広めていかなければならない。現に広がりを見せている。(12、13日には県庁前広場で宮古島へのミサイル・弾薬搬入を許さない!集会が連日行われ、首都圏でも10日から官邸前行動が徐々に広がっている)

 今回のシンポ全体を通じて発言者と三上智恵さんとのやり取り、質疑応答で、ほかにも重要な問題が浮き彫りにされています。youtubeに緊急「島々シンポジウム」第5回がすでにアップされています。ぜひ関心を持って見てください。
 
【内容】島々シンポジウム5 緊急 宮古島・保良 ミサイル弾薬の搬入を許さない!
――自衛隊は、11/14、宮古島市に、保良ミサイル弾薬の搬入を通告し、機動隊に守られ強行搬入。宮古島、そして保良の住民たちが、これに体を張って座り込み抵抗、警察は実力排除しました! 住宅地から、わずか200メートルの場所に造られているミサイル弾薬庫! この危険なミサイルを保良地区から撤去しなければなりません! 琉球列島をミサイル攻撃基地にしてはなりません!

 第1回から第4回シンポジウムも以下から見ることができます。 
 https://shimajima-symposium.blogspot.com/

2021年11月17日
リブ・イン・ピース☆9+25