平日の米海兵隊岩国基地を訪れて
危険な訓練と新たな軍施設──我々の税金が米軍再編に使用されるのを目の当たりに



 7月28日に岩国基地に行く機会を得て、前日の晩に夜行バスで出発し、早朝、岩国基地付近に到着した。基地のフェンス越しに最初に目に入ったのは全日空機であった。昨年から岩国基地は軍民共用空港にされ、岩国―羽田間を1日4便民間機が飛んでいるのである。
 基地の横にはグラウンドがあり、そのフェンスには「この施設は防衛省の(米軍)再編交付金で建設された」と書いた案内板が据え付けられていた。米軍再編交付金として今年度は900億円が投入されている。岩国市の今年度予算400億円と比較すればその巨額ぶりが際だっている。2005年に作られた米軍再編計画では、2015年に空母艦載機37機が厚木基地から岩国基地に移駐することになっていたが、それが2017年までに引き延ばされている。それまで反対の声を封じ込めるために、毎年莫大な交付金が降りてくるのだろう。
 昨年知り合った岩国基地の監視行動を行っているTさんと落ち合い、岩国基地の周辺を見て回った。米軍が弾薬処理に使っている姫小島や、新設された埠頭(原子力空母も係留可能な深さがある)が見えた。
 次に「基地が見える丘」に行った。山の中腹から岩国基地が一望できる。米空軍KC130空中給油機が見えた。これは沖縄の普天間基地から岩国基地に移されてきたもので、現在は10機、8月末までに15機全機が移動される。愛宕山(あたごやま)に造られた「国立岩国医療センター」も見えた。この一帯には米軍のグラウンドと住宅が建設される予定である。その建設予定地は鉄柵で囲われていた。地元に病院や医療センターを造る見返りに米軍の住宅やグラウンドを造らせろという日米政府の横暴なやり方が見えてくる。
 昼には岩国基地周辺に戻った。基地全体が大規模な建設ラッシュの真っ最中のように見える。昨年はなかった多くの建設中の建物を目にした。空母艦載機用の建物かもしれない。すべて我々の税金で建設されている。消費税や所得税あらゆるもので、お金を吸い取られ、こんなものに使われると思うと腹立たしい限りだ。
 午前中から海上自衛隊のUS2海難救助用飛行艇が「タッチ・アンド・ゴー」(着陸してすぐに離陸する)を繰り返していた。これは、安倍首相が、海外で売り込んでいる飛行艇である。海上自衛隊のヘリも離着陸訓練を繰り返していた。
 滑走路横にはシェルター付の格納庫がいくつもあり、米海兵隊の戦闘機が轟音をたてながら整備されていたが、午後2時頃、そのシェルターからF18ホーネット戦闘機2機が滑走路に出て飛び立った。ものすごい爆音! カメラでその姿をとらえることが難しいくらいのスピード! 午後3時頃には、ハリアー戦闘機4機が離陸。これもすさまじい爆音とスピードだった。その30分後にはさらにホーネット戦闘機2機が離陸した。これらの戦闘機は、中国山地や四国山地での訓練を繰りかえしている。ハリアー戦闘機4機は4時半頃に基地に戻ってきた。5時頃にはKC130空中給油機が着陸してきた。こんな中を民間機も離着陸するのだ。
 安倍政権が集団的自衛権の行使を容認したことで、米軍と自衛隊が一体になった訓練や演習が頻繁していくだろう。危険きわまりないこうした訓練や演習をやめさせるためにも、集団的自衛権容認に反対していかなければと思った。

 

2014年8月23日
リブ・イン・ピース☆9+25 KB